文法

古くからの味わいのある言葉から最新の言葉まで、
その幅の広さは上方の豊かな文化レベルをうかがわせるものである。
基本的な語彙を品詞とともに見ていきましょう。
(適当な共通語・標準語訳がないものには東京方言をあてているものもあります)

約2,880語を掲載しています
◆国語としての大阪弁◆方言としての大阪弁◆外国語としての大阪弁◆
の3つの観点から大阪弁を分類、解説しています。


・・・重要な語句。大阪弁を理解する上で、覚えておきたい言葉。 重要表現(文末助詞など)関連 一般動詞
継続動詞 結果動詞・瞬間動詞 形状動詞 状態動詞 補助動詞
助動詞 助詞 格助詞 間投助詞 終助詞 副助詞 係助詞 並立助詞
準体言助詞 接続助詞 接続詞
一般形容詞 属性形容詞・性質形容詞 感情形容詞 補助形容詞
連体詞 状態副詞 程度副詞 陳述副詞
疑問詞 形容動詞 名詞的形容動詞 名詞的形容動詞(~する)
指示代名詞 人代名詞
一般名詞 (人物 食物 生物・動植物 身体部位 病気怪我
物品 店・建物・施設 状態 空間 時間 無形)
一般名詞(~する) 形式名詞 固有名詞
間投詞・感動詞・感嘆詞 間投詞・感動詞・感嘆詞(あいさつ)
接頭語 接尾語 擬態語 擬音語 擬声語 助数詞 序数詞 基数詞 連語
・・・新語。比較的新しい言葉。
・・・古語。落語を楽しむのに必要な、昔ながらの言葉。
・・・死語。昔流行して今は廃れている言葉。
・・・女言葉。女性なら覚えておきたい言葉。
・・・船場言葉。京言葉の流れをくむ商家の言葉。
・・・子供同士や、子供に対して使われる言葉。
・・・幼児語。幼い子供に対して使われる言葉。
日本語 English(a little) 中文(有一点) 朝鮮語
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大阪弁
日本語・English・中文
解説
【重要表現(文末助詞など)関連】
だ、である
be
「にてあり」「である」の最終形態。「じゃ」の転。中南近畿、北陸、北九州、周防、長門の瀬戸内海側地域、琉球などで使われる断定助動詞。前に「の」がくる場合、「行ったんや」と動詞の過去形にはつくが、「行くんや」と現在形にはつかず「行くねん」となる。名詞や形容動詞に続き、断定、肯定の他に、疑問詞などを伴って疑問を表す。そうやわしのもんや、きょうの夜は静かや、この写真の人は誰や、そら何や。初級の大阪弁学習者が大阪弁を話そうとするときは、この語から導入を始めることが多い。大阪発祥。山陰や越後、尾張以東では「だ」、越後や遠江などでは「ら」。
じゃ だ、である
be
「である」の転。上方では「でぁ」の破裂が弱く、「だ」にならず「ぢゃ」になった。ドスを利かせた言い方をする際には「や」や「ねん」を使わずこれを使用するが、「じゃろ」「じゃったら」などの活用はしない。おまえ華ないんじゃ、なにぬかしとんじゃ、なんぼのもんじゃい。南紀伊、越中、山陽、四国、飛騨、美濃、東南九州、で使われる断定助動詞。江戸でもこれを使っていたが、東京になって関東訛りが強まり、「だ」になった。
やろ だろう、でしょ(う)
will; would; may
「や」の未然形。名詞、形容詞、動詞、形容動詞などに続いて、疑問や推量を表す。残りはまだまだあるやろ、もうちょっといけるやろが、あした学校やろ。丁寧に言う場合は「だすやろ」「ますやろ」となる。過去形につく場合でも、降ったやろ、となるが、東京では、降ったろう、と「だ」が脱落している。和泉では一世代古い「あろう」「いけよう」という形をとる。南信濃や東海で「ら」「だら」、八丈島で「ありなん」。
やろか だろうか、かな 「やろ」+「か」。詠嘆、疑問、推量。後に「いな」が続く。「かいなあ」より推量の度合いがやや強い。あしたは雨かな、は、あした雨やろか、もしくは、あした雨やろかいな、となる。
やったら なら、ならば、
だと、だったら
if; in case (of);
when
断定助動詞「や」の仮定形。「ほんなら」など特定の語以外は「なら」を使わず「たら」で活用をする。その話やったら前に聞いたで。新幹線やったら1時間だす。なんやったらやってみるか? 「あかん」などが続く場合、「やったぁあかん」と子音が脱落することもある。
やで よ、だよ
be
「や」+「で」。にてあるぞよ。名詞や形容動詞などに付く場合、間投助詞「よ」は付くことができるが、「で」は単体ではつなげることができず、「や」を伴って「やで」の形でつなぐ。おじいさんの時計やで、あんたのハンカチやで、砂糖入れすぎやで、もうこれからは悪させんのやで、など。ごめんやで、や、おおきにやで、は、相手に対して「ごめん」「おおきに」であることを伝える表現で、ごめんよ、ありがとうよ、の意味になる。泉南で「じょ」「やし」、東国では「さ」「だべ」「だべさ」を使う。
のや のだ、んだ 準体助詞「の」+断定助動詞「や」。のである。そないなこというても出えへんもんは出えへんのや、うちの弟だすのや、漢字が書けますのや。丁寧に「だす」「ます」と併せて使うことが多い。北加賀、能登、越中では、「がや」「がじゃ」「がだ」。
ねや のだ、んだ 「のや」の転で、「ねん」の前身。同情、詠嘆、理由説明。だめなのか…、は、あかんねや…、そうなんだ…、は、そうやねや…、になる。自分の立場の説明としても使う。この包丁、あきまへんねや…。使い方は「のや」と同じ。
ねん のだ、んだ 「ねや」の転。理由説明。「ねや」より自己主張が強く、そうやねや…のような相づちやつぶやきには使えない。テレビなんか見とらんとあんたはさっさと部屋片付けるんや、のように「○○するべき」という用法で使う場合は「ねん」にはならない。あかんねん、せやねん、監督は野球で勝ちたいねんで、あした海行くねんし、その人ようけ食べるねんわ、と使う。「のやろ」「のやがな」の場合は「ねんろ」「ねんがな」にならず、「ねやろ」「ねやがな」になる。手の内をうち明け相手との壁を取り外す、当たりのやわらかい重要な言葉。「だす」「ます」と併せて使われることも。京都では「にゃ」を使う。
のだ、んだ 「ねん」の転で、「のである」の最終形態。「ん」の発音が不完全であるため、このように聞こえる。今から行くね、そうだすね、もうしまいますね。間投助詞の「ね」と聞き違わないように。
てん・でん たのだ、たんだ・
だのだ、だんだ
「たんや」の転で、「ねん」の過去形。相手の気を引く要素が込められている。買うてん、行きましてん、遊んでん、さわいでん、と使う。そういうことやってんや、と、「たのやや」となる場合も、「てん」に「や」を付けた形をとる。発音は「たぇん」で、「ん」はヤ行音の口。和泉では「たねん」を使う。
やねん なの、なのよ、
なのだ、なんだ、
なんだよ
be
「なのや」「やねや」の転。ただの状況説明にとどまらず、懐へ引き込む魅惑の言葉。これを「なんや」というのは誤り。名詞や形容動詞には付くが、動詞や形容詞には付かない。初級学習者は、めっちゃおもろいやねん、積み上げすぎねん、等の誤りをしやすい。大阪人やねん、あほやねん、いややねん、静かやねん、積み上げすぎやねん。京都で「なんえ」「やねや」、播磨や神戸では「どいや」。
だす、だ(っ) です
be
大阪本来の丁寧語。「であります」の最終形態で、「でやす」の転。終止形では「だっ」と縮む場合も。名詞や形容動詞には使うが、東京の「です」のように形容詞には用いない。「赤いです」のようにどうしても使いたい場合は、「赤うございます」「赤うなっとります」「赤う見えます」または形式名詞を加えて「赤いもんだす」「赤いことだす」「赤い思とります」などの形を用いる。上流社会である船場では使われず、江戸や東京の影響を受けた「です」を用いるか、「ござります」「ございまする」「ごわす」を用いた。東京では「です」「ないです」を多用するが、大阪は「ます」「まへん」を使い、単純に「です」を「だす」に置き換えるだけでは通用しない。摂津、播磨、河内、北和泉、大和国中、南伊予、羽後で使われるが、東京発信の「です」の進出により、今ではほとんど聞かなくなった。三島の淀川沿岸地域では京都山城と同じ、「でおはす」の転じた「どす」を使う。播磨の高砂などでは、「だー」と伸ばし、三島淀川沿岸や北河内では「だう」、南和泉では「じゃす」と言う。「であります」はもともと長門の言い方で軍隊用語。関東、奥羽、北海道などで「っす」という。
だんす です、であります、
(ざんす)、(ざます)
be
「でやんす」の転で、「だす」の前身。わて、きょうから番頭だんす。
だすのか・
(i)ますのか
なのですか・
(u)のですか
疑問の意味は弱く、軽い納得の要素も含んでいる。弁天町行きはこのバスだすのか、お客さん乗りますのか、など。「のか」が「のんか」となる場合もある。
だっせ・まっせ、まんで ですよ・ますよ 「だす」+「え」、「ます」+「え」。「え」は「よ」の転。何々しますけど良いですか。少し問いかけの意味を含む場合も。勉強しまっせ、そんなんされたら困りまっせ。「せ」は低中音または高中音で発音する。間投詞の「え」が大阪で使われないことから、京都で「どっせ」「まっせ」の形になってから、大阪へ伝わったものと考えられる。「まっせ」の代わりに「ます」+「で」の「まんで」を使うこともある。「だす」+「で」の「だんで」はない。
だっさ・まっさ ですよ・ますよ 「だす」+「わ」、「ます」+「わ」が変化したもの。軽い主張や確認をする場合などに使用する。探してたのんこれだっさ、これから行きまっさ、あんじょうやらしてもらいまっさ。「さ」は中高音で発音する。「そないややこしのんようやりますわぁ」などの場合は「まっさ」にならない。
だっか・まっか ですか・ますか
弱い疑問形。そうだっか、終わりだっか、こんなんできまっか、治りまっか、など。尻上がりにならないように。
だっかい、だっかいな・
まっかい、まっかいな
なわけないでしょ(う)・
(u)わけないでしょ(う)
「だす」+「かい」、「ます」+「かい」。「かい」は「かよ」の意味。もうおしまいだっかいな。そんなんできまっかいな。
だんな・まんな ですね・ますね 「だすな」「ますな」が変化したもの。「だす」は名詞や形容動詞などにのみ付くので、わても見てみたいだんな、とは使えず、わても見てみたい思いまんな、と「ます」を使う。もうじきお昼だんな、朝のはよからお疲れさんだんな、きょうも精出てまんな。
だっけど・まっけど ですけど、ですが・
ますけど、ますが
but; however
「だすけど」、「ますけど」。探してたんこれだっけど、わがでしまっけど、なんでも食べまっけど、など。
だっさかい(に)・
まっさかい(に)
ですから、ですので・
ますから、ますので
because; as;
since; because of;
on account of;
owing to
「です」+「さかい」、「ます」+「さかい」。助詞の「に」は省略されることがある。猫背だっさかい見栄え悪うおまんなあ。うっとこ生活つらいさかいこれでいなしてもらいます。次はきちんと納めまっさかいに。
だんねん・(i)まんねん なのです・(u)のです 「だすねん」「ますねん」が変化した、大阪弁を代表する言い方。理由説明。そういうことだんねん、さっきからなんだんねん、もう英語の勉強やめて大阪弁の勉強に替えまんねん。京都では「どすにゃ」「ますにゃ」。
だんがな・(i)まんがな じゃないですか・
(u)じゃないですか
同じく「だすがな」「ますがな」が変化したもの。主張、了解、納得を相手に求める。若いのに大したもんだんがな、わてが払いまんがな。
だっしゃ(おまへんか)・
(i)まっしゃ(おまへんか)
じゃ(ない)です(か)・
(u)のじゃ(ない)です(か)
「だすや(おまへんか)」「ますや(おまへんか)」の転じた言い方。見張りやったらわてがいてまっしゃおまへんか。
だっしゃん・
(i)まっしゃん
ですよね・
(u)のですよね
「だすやん(か)」「ますやん(か)」の転じた言い方。主張、了解、納得を相手に求める。「だんがな」「まんがな」に同じ。
だっしゃろ・
(i)まっしゃろ
でしょ(う)・
(u)のでしょ(う)
you know it
「だすやろ」「ますやろ」が変化したもの。確認、推量。大阪弁を知らない人はこれを聞くと大阪弁ですねというが、それほど特徴的なものではない。寄付だっしゃろ、言うた通りだっしゃろ、払わな困りまっしゃろ。北海道では「っしょ」と言う。
だっしゃろか・
(i)まっしゃろか
でしょうか・
(u)のでしょうか
「だすやろか」「ますやろか」の転じた言い方。推量を強める。そうだっしゃろか、そんなんで行けまっしゃろか。「だすのんやろか」「ますのんやろか」とも言う。標準語ではないが、「これですかねえ」や「行くんですかねえ」に相当する言い方。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【一般動詞】
よ、い 五段動詞以外の動詞の命令形の活用尾。「い」は「よ」の転で、元々間投助詞の「よ」が命令形に付け加えられた形となった。「見ろ」は「見よ」「見い」、「食べろ」は「食べよ」「食べい」、「しろ」は「せよ」「せい」となる。発音は「みー」「たべー」「せー」。「来い」も「来よ」から。「よ」は書き言葉でのみ使う。京阪を中心とした近畿や中国、四国、東九州、北陸および、中京での言い方だが、南和泉や和歌山では北海道や、越後から西奥羽にかけて、東海、北陸、西九州などと同じ「見れ」「食べれ」「すれ」と「れ」を使う。中京、東海、東九州で「よ」、琉球では「れ」と同系の「り」、甲信、伊豆、関東、東奥羽で「ろ」。
○○し(て/た/に) ○○せ(て/た/に) サ行音の一段動詞や五段動詞などの助詞の前で、エ列音がイ列音になる。見せて、は、見して、食べさせた、は、食べさした、笑わせに行く、は、笑かしに行く。
し(て/た) し(て/た) 現在の京都、大阪では、サ行音の五段動詞の活用で、イ音便化しない。「だした」「ゆるして」などが「だいた」「ゆるいて」などになるのは、河内、北摂や和泉、東海、東山、北陸、中南紀伊、西播磨、北近畿、山陰、北山陽、東土佐、九州。
(ー) -- 2拍すなわち、語幹が1拍の一段動詞と変格動詞は、連用形の活用時に音が伸びて2拍になる。連用形命令の場合も同じ。世間話しぃもって火事見ぃに行く。こっちゃへ来ぃな。もう寝ぇますわ。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【継続動詞】
ほる 投げる、ほうる、
捨てる、捨て去る
throw; cast; toss;
fling; hurl; pitch;
give up; abandon;
throw away; cast off;
litter; dump
放る。近畿を中心に、讃岐、阿波から伊勢まで広まった語。「投げる」意味に近く、ごみがごみ箱などに入らなくてもこれを使い、誇りなど目に見えないものを「捨て去る」意味でも使う。ボールほって、と言われれば、投げるの意味になる。そままにしておくという意味の「ほっといて」は、同音衝突を避けて「いらわんといて」と言う。
さす させる
make ... do;
get ... to do;
have ... do;
let ... do
「する」の使役。なんで断食中に食事さすねん。助詞「て」「た」が付くと、「させて」「させた」ではなく、「さして」「さした」となる。
すな するな
stop;
forbid do;
prohibit do;
ban do
「する」の禁止。いらんことすな。若者は「するな」の変化した「すんな」を使う。連用形禁止命令として「しな」とも言う。
しょう、しょ しよう
let's do
「する」の意向形。「せう」の転。「来る」と同じく、変格動詞の意向形は「~よう」がついたものではない。ままごとしょ、ええことしょうか、はよしょうや。
される される 「する」の受身、受動態。全国的に「される」だが、山城、丹波、丹後、播磨、淡路、東東海、越後から南奥羽、常陸にかけて「しられる」、四国や周防などで「せられる」、北東九州で「さるる」、南九州で「さるっ」、奄美で「しらりん」、沖縄で「さりん」、宮古で「しらりい」など。
せえへん しない、しはしない
don't
為えへん。「しはせぬ」「しやせん」の転。「する」の打ち消し。丁寧体は「しまへん」もしくは「しいしまへん」だが、サ変動詞の場合は「勉強しまへん」「掃除しまへん」などのようになる。京都では「しいひん」。
かめへん、(かまへん) かまわない
no problem
構へん。「かまわへん」の「わ」が脱落したものが、逆行同化した。語幹は「かま」だが、「~へん」が続く場合に限り語幹が「かめ」になる。負担を了解した、差し支えないという意味。丁寧には「かましまへん」「かめしまへん」「かましめへん」「かめしめへん」と言う。京都で「かまへん」、奈良で「かまひん」。ここ座ってもかめしまへんか? かめへんかめへん、適当に座っといたらよろして。東京の「いいです」「だいじょうぶ」などにも相当する。加賀で「邪魔ない」。
たべる たべる、くう
eat
食べる。「たまへ」「たぶ」に由来。男は「食う」を使うイメージがあるが、大阪では男女とも、「食う」より新しい「食べる」を使う。ただし、「くらわんか舟」「大食い競争」などは「食べる」を使わない。八丈島では「かむ」。
よばれる ごちそうになる、
いただく
be had; be taken;
be eaten; be got
呼ばれる。謙譲語。よその家で食事をさせていただくことが転じて、食事をいただくこと。物をもらうときや風呂に入らせてもらうときにも使う。西日本で使われる言葉。「よぶ」とは言わないが、「コーヒーをごちそうしてよ」を「コーヒよんでえな」という言い方もある。名詞形は「およばれ」。
こうた・もろた、もうた 買った・もらった
bought / got
「かひてあり」「もらひてあり」の最終形態。よく使われる「買う」「もらう」の過去形。「買ってもらった」は「こうてもろた」。「もろた」は「もうた」と発音することもある。近畿、北陸、越後、佐渡、山陽、四国、九州、北琉球ではウ音便になり、東海、東山、関東、奥羽、丹後から出雲にかけての山陰、隠岐では促音便になる。
ごろうず ご高覧になる 御覧ず。「見る」の上級敬語。江戸由来の漢語表現であるためか、「見はる」「見やはる」よりさらに丁寧。ご覧じやしておくれやす。
たんねる たずねる
訪ねる、尋ねる。会いに行く。質問する。母をたんねて三千里。わからなんだらたんねてみぃや。
はかいく はかどる 捗行く。はかがいくこと。進捗すること。近畿、九州、北陸、関東、奥羽、北海道などで広く使われる語。
いちびる 調子に乗る、
つけ上がる、
先陣を切る
make merry;
be on the spree;
be puffed up;
lead the van (of a movement)
做怪相、开玩笑、疯闹、闹玩
「いちぶる(市振る)」が語源。魚問屋の競り市の騒がしい様子から。調子に乗って悪ふざけをする、つけ上がってはしゃぐという意味で、リーダーシップ性の要素も含まれている。ちなみに「いちふり(市振り)」は、競り市で値段の決定をする人のこと。大阪には「大阪駅前第一ビル(いちびる)」という建物があるが関係はない。大阪特有表現。
そばえる じゃれる、たわむれる
make a noise;
be noisy; clamor (for)
動物や幼児、子供の戯れ。
ほたえる じゃれあう、ふざける、
たわむれる、さわぐ
make a noise; to cut up;
be noisy; clamor (for);
to clown around; to goof around
喧闹、欢闹、乱蹦乱跳
動物や幼児、子供の戯れ。ほたえな! ほたえなはんな! 先の期待でけへん会社やけど、静かにほたえていきたいと思います。
ちょける ふざける、おどける ふざけることを「ちょけ」という。あんたはちょけてばっかしやな。おまえ、今のんちょけて答えたやろ。
気張る 頑張る
try; try harder
気を張って、持ちこたえる、最善を尽くす意。努力する意味でも使われる。売買交渉では値を下げること。気張らんかい、お気張りやす、まあ気張らんとやりなはれ。西日本で広く使われる語。北海道の「けっぱる」、沖縄の「ちばる」も同系列。「がんばれ」は、鬱病患者に対して言ってはいけない言葉の1つ。
えらばる、
えらそばる
えらぶる、いばる 偉張る。偉そ張る。偉そうに威張る。「いばる」を「えばる」というのは関東や東日本の方言。
やる 与える、置く、移動させる、
殺す、性交する、
けんかをする、汚す、こぼす、
放映する、開催する、
営業する、行かせる、
失敗する、成功する、
事故を起こす
遣る。「○○をする」意味で使う。通常動詞では、東京では“なにやってんだよ”と「やる」が優勢だが、大阪では“なにしてんねん”と「する」が優勢。余ったさかいこれやるわ。この机前の方にやっといて。ぎゃー、やられたー!やんのかこら。きのうテレビやってた?あしたから祭やるらしいで。この店やってはらへんみたいやわ。この子、大学へやるんか、嫁にやるのんか。今度は何やらかしてんな。あいつもとうとうやりよったな。あーあ、やりよった。あの娘とやったんか? 東京のように「変態」の頭文字を取った「Hする」とは絶対に言わない。幼児が飲み物をこぼして服や食卓を汚す場合も「やる」を使う。
ぬかす 言う、言いやがる、
ほざく
抜かす。「言う」の罵倒語。ずうずうしくも言う意。なにぬかしとんねん!
さらす する、しやがる、
やがる
晒す、曝す。「する」の罵倒語。なにさらしとんねん、ざまぁ見さらせ、死にさらせ、など「する」以外の動詞とも補助動詞としても活用する。なにぬかしさらしてけつかんねん。
さがす まわる 探す。散々何かをしまわる、何かをするために順々に歩く、という意味。旦那が酒に酔うて暴れさがして難儀してんねん、お客が来るいうだけで何うろたえさがしてんねん。
おちょくる からかう、
バカにする
pull person's leg
落ち着きのない様の「ちょか」「ちょける」に「お」をつけた語。ひとのことおちょくってんのか、などと使う。肥後、薩摩、大隅で「ちょくらかす」、羽前で「ちょらかす」、紀伊、越後、陸前で「ちょろかす」などと言う。
こそばす くすぐる 「こそばせる」は「こそばかす」。くすぐったいことを「こそばい」という。「こそぐる」ともいう。
あるく 歩く
歩く。歩行することも、あちこち移動することも、区別しない。ちゃんと手ぇ振って膝上げて歩かんかい。ちょっとその辺歩いとりまして遅うなりました。中国、四国などでは「あるく」「あるきまわる」、播磨では「あるく」「あるきあるく」、紀伊では「しゃるく」「しゃるきあるく」、能登では「あるく」「まう」、北信濃、岩代では「あゆむ」「あゆむ」、越後では「あゆむ」「さわぐ」、九州では「あゆむ」「さるく」、長崎では「あるく」「さるく」、豊後、八丈島では「あゆむ」「あるく」、津軽では「あさぐ」「あさぐ」と、区別する地域もある。
走る 走る
歩くより速い速度で進むこと。馬が走る、おかんが走る、運動会の走りでどべやった。京阪間を新快速が走る、と「通る」の意味でも使う。信濃で「とぶ」、東京で「駆ける」。「かけっこ」は「はしり」。
ももける -- 綿シャツやセーターなどの衣服において、ほつれて毛玉ができたり毛羽立ったりすること。「ぼぼける」とも言う。
いらう さわる、ふれる、
いじる
to fiddle with; mess with;
touch; cut up
碰、摸、嘲弄、调戏
手で触れる。また、扱うこと。「いじくる」も使う。ちょっと、どこいろてんのん。ひとさんのもんいらいなや。わてパソコンいろたことありますよって、雇うてもらわれしまへんやろか。
なぶる もてあそぶ 嬲る。「いらう」と同じ用い方をすることもあるが、使用頻度は少ない。
へつる 削る、削り取る 剥る。「はつる(斫る/削る)」の類似語。剥る、減らす。あるものから少し削り取ること。大皿から食べる分だけへつったった。
せせる (魚を)むしる 箸の先で魚の身をむしり、小骨を選り分け、目の下の身をすくい出す箸さばきのこと。きょうびの子ぉはようせせらんなあ。
わらける 笑える、
笑ってしまう、
笑えてしまう
笑ける。自動詞で、自分が笑ってしまうときに使う。「ける」は可能表現から。そんなんされたら笑けるがな。
わらかす 笑わす、笑わせる 笑かす。「わらわかす」の「わ」が脱落したもの。他動詞で、相手を笑わせる。東京が流行の発信地やて?笑かっしょんなあ。江戸や東京でも使われていた語。
いちゃつく たわむれる 仲良く戯れる。基本的に男女間で使う。「いちゃいちゃする」ともいう。
どつく たたく、ぶつ、
突き倒す、押す
to hit; punch
打、殴打、楱
接頭語「奴」+「突く」。手の形は握り拳とは関わらず、たたくと突くの中間的なニュアンス。「なぐる」とは意味合いが異なる。場の雰囲気の読めない人に対しては「こいつどいてもええか?」と言い、「こいつ殺してもいい?」とは言わない。殺してしまっては犯罪だ。
こつく こづく 小突く。濁音化しない。にぎりこぶしの中指の第2関節の部分を、相手の額などに軽く当てること。
しばく 痛めつける、
(細いもので)打つ
農耕の鞭でしばく、の転用で、タオルを「しぼる」「しごく」から、説教で「しぼる」部活で「しごく」、に転用されたのと同様の成り立ち。「しばくぞ」は「しゃあくぞ」とも言う。
しばく (食べに/呑みに/遊びに)行く
吃飯、喝茶
対象(この場合では、お茶やうどん)の擬人化。細いもので打つという本来の意味から離れ、数人で集まって何かをする言葉遊びから、痛めつけることに関係なく使われるようになった。「うどんしばく」で「うどんを食べに行く」という意味。茶ぁでもしばきに行こか、と使う。「飯しばく」、「茶ぁしばく」、「お好みしばく」、「ネズミしばく」、「鳥しばく」、「牛しばく」などがある。同様に、「どつく」「わらかす」という言い方もあった。大阪発の死語。
なする こすりつける 擦る。西日本で使われる。汚れた手ぇで服になする、役人が責任をなすりつける、役所の責任なすりあい。ごめんなすって、という使い方は間違い。
ひこずる ひきずる 引こ擦る。「引きずる」の転。スカートのすそ、ひこずってんで。
おらぶ さけぶ 大声で叫ぶこと。古くは泣きわめくの意味で使われていた。近畿では使わなくなったが、中国、四国、九州では今も使う。和泉では「おがる」。
どやす 怒鳴る 師匠にえらいひどうどやされた。
だべる 無駄話をする 駄弁る。「駄弁」の動詞化。無駄話をする。しょうもないおしゃべりをする。ちょっとだべってましてん。
えずく 吐く、もどす
想吐
吐き気、嘔吐。おえっ。胃の中の物を吐いてしまうまでの状態。吐くことは「あげる」。
舞う 踊る
跳舞
くるくると回ること。舞を舞う。落ち葉が舞う。
うたう 投げ出す、
ねをあげる、
悲鳴をあげる
歌う。もともとは鶏が鳴くことを指した。きつい仕事でうとうてしもた。あいつとうとううたいよったな。京阪の言い方。
いごく、いのく うごく 動く、居退く。西日本の発音。さらに訛って「いのく」。江戸でも「いごく」が使われていた。
まある まわる 回る。廻る。周る。名詞形は「まあり」。あいさつまあり行ってきやす。
ちびる もらす 少し漏らすこと。残尿感で小便ちびる。
ちびる すり減る
wear out
少し減ること。鉛筆の先がちびる。停まったまんまハンドルきったらタイヤがちびてまう。すり減る意味でも用いるのは西日本。
ちびる 出し惜しみする 出し惜しみをすること。頼みは大きいのに賽銭ちびる。
こく 言う、する 放く。「言う」「する」などを卑しめていう語。うそこけ、ええ年こいて、など。
からげる 言う、する 絡げる。「こく」に同じ。ええ歳からげてしょうもないことせんときや。
ぶらさげる 言う、する ぶら下げる。「こく」に同じ。
やつす おしゃれする、めかす
to do oneself up; to pretty onself up
打扮得很漂亮
窶す。そないやつしてどこ行くねん、と使う。
くくる しばる 括る。物をたばねて、ひもなどで巻いてまとめること。「しばる」より新しい言い方。江戸で「しばる」、上方で「くくる」と言った。
むすぶ むすぶ、
ゆう、ゆわえる
結ぶ。ひもなどを互いに絡ませつなぎとめること。髪を結ぶ、リボンを結ぶ、契りを結ぶ、京阪安全保障平和条約を結ぶ。「ゆう」より新しい言い方。東京では「ゆわく」とも言う。
むすぶ にぎる 結ぶ。離れないように固定すること。主に手について用いる。隣の人と手ぇ結んで。結んで開いて。おむすびころりん。
よそう つぐ、盛る、
盛りつける
装う。しゃもじなどでご飯を茶碗に入れること。ご飯よそたるわな。ご飯以外の物にも用いる。近畿での言い方。東京ではもともと「つける」だったが、関東、奥羽、北海道など東日本には「よそう」が広く伝わった。中国、四国、九州などでは「つぐ」、奥羽で「盛る」が多い。
かす つける、ひたす 淅す、浸す、漬す。お米を研いで水につけておくこと。お米を炊く用意をすること。西日本で使う。奥羽では「うるかす」。
炊く 煮る 東京式の標準語では、大根などを鍋に入れて煮る、米を釜に入れて炊く、と区別しているが、近畿や瀬戸内一帯、北九州などでは両者の区別なく「炊く」、美濃以東の東日本や山陰、土佐などでは古い言い方の「煮る」を使う。甲信、北関東から東奥羽にかけては両者の区別なく「煮る」を使う。奄美で「にりゅり」「にりゅん」「にゅん」など、沖縄で「にん」「わかしゅん」、宮古で「にー」、八重山で「ばかしゅん」。
うます (炊いたご飯を)蒸らす 熟ます。熟すことを全国的に「うむ」と言う。
ゆがく ゆでる 湯掻く。西日本ではこういうことが多い。ただ単にゆでるのではなく、箸などでゆったりと混ぜたりする動作も含まれる。麺や野菜などのあくや汚れを取るためなので、ゆで汁は流し捨てることが多い。発音は「いがく」。他動詞は「ゆがす」。
ほったらかす ほうっておく 放置する意。誰や、後片づけせんとほったらかしやがな。
とんがらがす、とんがらかす とがらす、とがらせる 尖らかす。「とがる」の使役「とがらす」にさらに使役の「かす」が二重に付いたもの。
いきる いきがる 意気る、粋る。「いき」の動詞化。いかにもいきであるかのように振る舞うこと。格好良く見えるように振る舞うこと。また、そうする人のことを「いきり」という。あいついきっとおる。下野で「しこる」。
ごてる ごねる 言うことを聞かないで不平や文句を言って相手を困らせる、駄々をこねる。ごてたらあかん。
ぐずる ぐずる 愚図る。駄々をこねる。ぐずぐずいうこと。「ごてる」に同じ。そないなとこでぐずっとらんとほれ行くで。
くさる -- 腐る。何もせずにじっと座っていること。そのままでは何の利益も生まない状態のこと。そんなとこでくさってんなや。ふてくさる。
くさす 非難する
speak badly of; to badmouth
说坏话
腐す。人のことを悪く言うこと。人くさしてばっかしおるけど、わがの考えはどないやねん。我意で甘えた無知の腐しがまた来よったで。
かぐ かぐ、におう 嗅ぐ。かざかぐ。匂いを嗅ぐとは言うが、匂いを匂うとは言わないので、別物。「におう」は西中国から北九州にかけての言い方で、「かぐ」は近畿以東。陸中で「かまる」、北奥羽から東関東にかけては「かむ」、東山陽、四国、東九州では「かざむ」、出雲や西南九州では「かずむ」、琉球で「かびゅん」「かぶん」と言う。
におぐ におう、かぐ 匂ぐ。匂いを嗅ぐこと。「におう」と「かぐ」の混交によってできた語。「におってみて」「かいでみて」は「においでみ」となる。京都発祥。
いびきかく いびき(を)かく 鼾かく。就寝中に呼吸によって口や鼻から出る音。北奥羽で「はなおとする」、磐城、常陸、下野で「はなぐらたてる」、房総、薩摩、沖縄、南琉球で「はなならす」、但馬、讃岐、武蔵などでは「ねびきかく」、伊予などでは「ごろたひく」、奄美で「ねいきする」、それ以外の地域はだいたい「いびきかく」。
くる きる、混ぜる 繰る。トランプなど、まとまったカードの中の順序をランダムに混ぜること。トランプはようくってから引きや。
(爪を)切る (爪を)切る 近畿以東と、阿波、九州での言い方。大和、中国、四国、筑前、南九州で「つむ」、能登や羽後で「はさむ」。
かぶる かみつく、
かじりつく
ガブッと噛むこと。犬がわての脚にかぶりついとる。リンゴかぶったら歯茎から血ぃが。恵方に向かって丸かぶり。
着る かぶる 笠をかぶる、は、笠を着る、と言う。逆は、笠を脱ぐ。
ねぶる なめる 舐る。舌を使ってなでるように触れること。中京以西の西日本で使われる語。東国、琉球で「なめる」。
なめる 甘く見る、見くびる 嘗める。下に見る、見くびる意。威嚇する際に用いることが多い。なめた口きくなや、なめとんかこら、種や卵の力をなめたらあかんで、などと使う。東京では「ふざける」「馬鹿にする」を使う。
(よだれを)たらす (よだれを)たらす 垂らす。播磨、紀伊、中国、四国、東九州では「くる」、和泉、能登、八丈では「だす」。
ひらける あける
打開
開ける。扉をあけてみて、は、扉ひらけてみて、になる。
へくる、へちる 盗む、取る 「パクる」の前の語。へちってきたったわ。
だまかす、
だまくらかす
だます 騙かす、騙くらかす。使役なので「かす」がつく。
うそだます うそをつく
嘘騙す。類似語同士の混合によって生じた語。
こさえる こしらえる
拵える。「こしらえる」の転。作る意。
てったう てつだう 手伝う。名詞形は「てったい」。ちょっとてっとうたって。中国では「てごうする」。
詰める 詰める、はさむ 狭い空間に物を押し込むこと。指を詰めると言えば、指をはさむということ。もちろん、物を箱に詰める、ちょっと詰めてもらえるやろか、という言い方もする。指詰め注意。
いける 埋める 埋ける。「生ける」と同源。炭火を火鉢の中に入れたり、野菜などを土の中へ入れたりする場合などに使う。
まどう 弁償する 償う。つぐなう、埋め合わせをする。「まぞう」「まろう」ともいう。そんなんまぞうてもらわな困るなあ。他動詞は「まどす」「まぞす」「まろす」。
上がる 召し上がる 口に合うかわからへんけど、あがってみとくなはれ。召し上がれ、は「おあがり」という。
のぼす のぼらす、
のぼらせる、あげる
昇す。凧を上げる、は、いかをのぼす。
かみづる あがる、
そわそわする、
緊張する
上釣る。緊張などをして、気持ちが落ち着かなくなること。討論大会でかみづってしもうて、変な声出してしもたんや。あまり聞かれなくなった。
バラす バラバラにする 「バラバラ」の動詞化。いっぺんバラしてから組み立てよか。
パラかす パラパラにさせる 「パラパラ」の動詞化。まくばる。罫とひっついてるさかい、字間パラかしといて。
しゃべくる しゃべる 喋くる。よくしゃべること。時代は浪曲漫才からしゃべくり漫才へと変わったんや。ぼやき漫才でしゃべくるやつがおるか。
油(を)売る、
油(を)とる
道草を食う 油売りが1軒1軒油を売って回っていたが、粘性の高い当時の油は切れが悪く、全てを注ぎきるのに時間がかかり、その間に家の人と世間話をしたことから。商売柄この表現が好まれる。「ほっつき歩く」とも言う。
ぱくる、ぱちる 盗む、取る 「パクパク」「パクッと」の「パク」から。盗まれた品は「パチもん」という。パクられた、パクってきた。
ちくる 言いつける、密告する、
告げ口する
他人の悪事を影で通報すること。「チクチク」「チクッと」の「チク」から。おまえ、先生にチクったやろ、税金の無駄遣いはチクって当然や。告げ口する人のことを「チクリ」という。
びびる -- 本来まっすぐでなめらかであるべき線や面が、わずかにがたがたになること。印刷したのんは綺麗やけど、コピーしたのんはどうしても細い線がびびっとんな。
びびる 気後れする 気後れする。金銭面でけちけちする、出し渋る意味でも使う。こんなキンキラの店、入ったらびびってまうわ。わいとこの兄やんや、なにびびってんねん。ほれ、みんな向こう岸へ跳んだで、おまえも来いや、なにびびってんねん。ピッチャーびびってる、へいへいへい。
せこる けちる、
せこいことをする
「せこい」の動詞化。なにせこっとおんねん!
ちちくる 密通する チチ繰る。古くのスズメの鳴き声「チェチェ」「チャチャ」にたとえて、男女が密会してたわむれやひそひそ話をすること。男女が忍び合って戯れること。「乳繰る」は当て字。上方では「ててくる」とも言う。
まくる 居直る、
攻めに転ずる
捲る。「けつ(を)まくる」の上略。開き直って攻めに転じる意。着物の裾をまくることから。競輪では、追い込みよりもさらに後ろから追い抜くこと。そこや、もっとまくらんかい!
ひっかける ナンパ(する) 引っ掛ける。道行く異性に声をかけて遊び仲間に入れること。戎橋は、通称「ひっかけ橋」。
あてる かける パンチパーマあてたらなんや怖いな。せっかくアイロンあてたのにしわいかしてからに。
あなずる あなどる、
軽蔑(する)
侮る。
うろがくる うろたえる 狼狽すること。「うろ」とは、大きな木にあいた穴や空間のこと。この場合の「が」は省略しない。うろがきてしもて、実力が発揮でけなんだわ。こないにぎょうさん仕事が入ったらうろがきてしまうがな。
ちょちょまう 混乱する、
パニックになる
頭が混乱してしまうときに使う。あまり聞かない。大阪弁以外の言葉で怒られてちょちょまいましてん。
こえる ふとる
put on waight;
gain waight
肥える。栄養を取り込んで大きくなる、太くなる。動物以外に、人に対しても使う。あんたも肥えてきたなあ、やせなあかんなあ。
ぼてがつく、ぼてる ふとる ぼてぼてと皮下脂肪が付いて肥えること。あんたちょっとぼてが付いてきたんとちゃうか。
読む かぞえる 数を読む。近畿、北陸、四国、琉球での言い方で、指を折って数える原始的な「かぞえる」とは違い、「暦(こよみ)」の元となった「日読み(かよみ)」や、文章を「読む」、歌を「詠む」と、「読む」のほうが文化的色彩を帯びた語になっている。二十まで読んでからつかまえにきてや。十読んでから湯ぅから上がりや。南紀伊や隠岐、北日向、中京以東の東日本で「勘定する」。伊勢、丹後、但馬、中国、東伊予、東土佐、豊前、豊後、関東や奥羽の一部で「かぞえる」、西九州で「かんねる」、南九州で「かんぜる」など。
問う きく(訊く) 尋ねる意。わからんのなら問うてみよ。上方で「問う」、江戸で「きく」と言った。
(味を)きく、味きき(する) (味を)みる、味見(する) 味を利く、味利きする。味を確かめること。肉じゃが作ってみてんけど、味きいてもらわれへんやろか。このオムレツ、料理長にも味ききしてもろたんか。
せく (慌て)いそぐ 急く。そないせかすなや。せいてせけへんけど、いそいでや。
腹(が)立つ、
むかつく
腹が立つ
be put off by
憤慨の状態。京阪での言い方で、東京では頭に血が上りやすいのか「頭にくる」と、怒る場所も異なる。「頭にきた」と言われると「北枕」を想像してしまう。「むかつく」は、「むかむかと腹が立つ」からで、「あいつ見てたらむかつく(=腹が立つ)ねん」の他、さらに「あいつはむかつくやつや」という使い方もする。播磨や伊勢では「ごうわく」、飛騨などで「ごがわく」、相模などで「ごうがわく」。
こっつく ぶこつ(になる) 骨つく。ごつごつする。男ばっかしやとどうもこっつくなあ。
しくる しくじる 失敗する意。しくった!
とちる 失敗する 「どじ」もここから派生した。
ちょろまかす (金銭勘定などを)ごまかす、
くすねる
「ちょろ舟」を負かすことから。わからないように盗みなどをすること。うちの会社、給料ちょろまかしとんちゃうんか。お菓子ちょろまかしてきたった。大阪発祥。
がめる 抜け目なくごまかす、
隠し溜める
隠し溜めるという意味でも使う。0点のテストがめってるやろ。皆のお菓子がめってんの誰や。一九字牌出てへんなあ、おまえがめってるやろ。麻雀用語。
もぐる もぐる 潜る。液体の中へ入ること、その動作。土や布団、人混みの中へ入る場合でも使う。越中、北奥羽で「くぐる」、安芸、和泉で「すいりする」、土佐、九州、琉球で「すむ」など。
ねらむ にらむ 睨む。ねらみだい(睨み鯛)は、正月にお供えとして用いる塩鯛のことやで。
めんち(を)きる にらむ、にらみつける にらむこと。「がんとばす」「がんたれる」と「眼」を音読みするのは東京の言い方。
おくれ ください、ちょうだい
I'll take it;
I'll have it
我要、請給我
御呉れ。受給要求の「くれ」に丁寧な「お」をつけたもの。「メールおくれ」は「送れ」ではありません。たこ焼きおくれ。江戸でも使われていた。店に入っての第一声としても用いる。「ちょうだい」は女性が多用する。
おくんなはれ、
おくなはれ
くだされ、ください
我要、請給我
命令敬語。「おくれ」+「なはれ」。親子丼おくんなはれ。
おくれやす くだされ、ください
我要、請給我
命令敬語。「おくれ」+「やす」。船場言葉。京言葉に同じ。前掛けひとつおくれやす。
ちょうだいんか くだされ、くださいな、
ちょうだいな
我要、請給我
「頂戴」+「んか」。動詞の、おくれんか、おくれなはらんか、などと同じように名詞の「ちょうだい」にも意味を強める反語形の「んか」が付いた。さらに「ちょうだいか」と訛る。その粟おこしあたいにも2つちょうだいんか。店に入っての第一声としても用いる。おっちゃんちょうだいんか! 女性や子供が用いる。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【結果動詞・瞬間動詞】
ほかす 捨てる
throw away;
cast off; to throw;
litter; dump; away
扔掉
語源は「放下する」「放らかす」。ごみをごみ箱などに入れる場合に限定される。「ほる」より新しい言い方で、近畿の他、豊後でも使用する。美濃など中京では同系列の「ほかる」、関東や東東海で「うっちゃる」、信越で「ぶちゃる」、奥羽、北海道で「投げる」、九州では「うしつる」で、標準語の「捨てる」は、本来、紀伊、中国、伊予、土佐などでの言い方。琉球では「してぃゆん」。
ちゃい(する) 捨てる 「ほかす」「ほる」の幼児語。ちゃいするで。ちゃいしぃ、ちゃい。
なおす しまう、(片付ける)
put away;
put in order;
clear away;
clean up
直す。元へ戻す意。まっすぐにするという意味から転意。「かたづける」は片方に寄せるだけだが、「なおす」は元の位置へ戻すので別物。この本なおしといて、というような使い方をする。「かたづける」より古い言い方。「修理する」「治療する」意味の他、「しまう」の意味でも使うのは近畿と周防、長門、四国、九州、琉球。関東、奥羽では「かたす」という。
あく -- 明く。「埒が明く」の上略形。埒とは低い垣根のことで、それが取り払われて物事が順調に進むこと。そんなもんあくか、そんなもんあっか、と使う。「あかん」の語源。
あかん だめ、いけない
no
不可、不可以、不好
明かん。不可。「らちがあかん」の上略。いけません、は「あきまへん」「あかしまへん」と言う。忘れ物などをしたときの「しまった!」を「いけない!」というのは東京で、それを「あかん!」とは言わない。「駄目」のように名詞的形容動詞ではないので「あかんです」のような言い方はできず、助詞「の」を伴って「あかんのんです」と言い方になる。近畿、阿波、北陸、中京での言い方。中国、四国では「いけん」「おえん」、中京や加賀で「だちかん」「だちゃかん」、九州で「でけん」、東奥羽で「わからない」など。囲碁の価値のない打ち筋の意味である「だめ」は東日本に多い言い方。
いかん いけません、
いけない、だめ
「あかん」より厳格で他動的。「いかへん」とは活用しない。そんなとこでなまけとったらいかん!
つぶれる 壊れる、倒産する、
ぺちゃんこになる
be crushed; be smashed;
go to pieces; be destroyed;
collapse; bankruptcy
坏了、壊掉
潰れる。外方向から力が働いて、形が崩れ、原形をとどめなくなること。転じて、なくなる、機能しなくなること。自動詞は「つぶす」。不渡り出して会社がつぶれる、虫つぶしたら黄色い汁出てきたで、悪い紙に刷ったら細い線もつぶれて太なるわ。神戸以西、淡路、中国四国などでは「めぐ」「めげる」。和歌山で「もじける」。下痢をすることは「おなかをくだす」で、「おなかをつぶす」とは言わない。
落ちる 落ちる 上から下に移動すること、元の位置から一気に下へ移動すること。全国的に使われる語で、もちろん標準語。下車する、という意味では使わない。「落っこちる」を平気で公の場で話す人がいるが、これは関東と甲斐の方言。他に関東で「さがる」、播磨、山陽、四国、隠岐、豊後、尾張では「あまる」、北奥羽では「おとかえる」、陸奥、陸前で「とける」、九州で「おつる」、肥前、五島列島などで「うっちゃゆる」「あゆる」、琉球で「うてぃるん」「うてぃーん」などと言う。
乗る・載る 乗る・載る あるものの上にある状態。これも同じく標準語となった語。他動詞では「のす」。関東方言で「のっかる」と言う。
腰掛ける (椅子に)すわる
椅子の座や段差のある物に尻を付け、腰と膝を曲げること。「すわる」は正座をすることを指し、標準語のように、椅子にすわるとは言わない。
つくぼる しゃがむ 蹲る。膝を曲げ、腰を落とすこと。最近はあまり聞かれない。
おひなる 起床する、起きる
起床、起来
お昼なる。「おひるなる」の転。「おひる」「おひん」は、起床するの意。あんさんえらいはようおひなりやしてんなあ。上流家庭で使用した。もと京都の御所言葉。
ぎょしなる 寝なさる、
就寝しなさる
睡覚、睡覺
御寝なる。「寝る」の敬語。女性の使用する船場言葉で、もと京都の御所言葉。
かます くわせる、やっつける 噛ます。「やっつける」の意味でも使う。何しょうもないボケかましてんのん。一発かましたれ。あいつ屁ぇかましよった。東京のように「ぶちかます」と接頭語は付かない。
いちはなだつ 先頭に立つ 一端立つ。真っ先に、一番先に、の意味。うちの子ぉはな、学校から帰ってきたら一端立って台所に来て冷蔵庫開けて見よるねん。あの馬逃げやさかい一端立ってるわ。
足る 足りる 必要なものが補われている状態。足らん、足ります、足る、足れば、足ってる、と五段活用をする。
かあく かわく 乾く。渇く。かあいたもんから取り込んでいってや。
こける ころぶ、倒れる
trip; fall; to go under
秩倒、倒下、惨重失败、倒闭
転ける、倒ける。倒れる意味の「こく」の可能形。走ってこける。わて最前そこでこけてまいましてん。事業などがつまずいたりうまくいかなかったりすることについても言う。大阪こけたら日本もこけまっせ。「ずっこける」とは言わない。近畿、中京、中国、四国、東九州で「こける」、西九州、北陸、甲信越、関東、奥羽で「ころぶ」。
こかす ころばせる、倒す 転かす、倒かす。立っている物を横にする、人や物などを倒れさせる。他動詞。後ろからこかすのんは反則です。全国的に「たおす」だが、近畿で「こかす」、津軽、東関東、土佐で「かえす」、北奥羽、信越で「ころばす」。
ひらう ひろう 拾う。落ちているものを取ること。「ひらえへん」「ひらいます」「ひらうとき」「ひろて」「ひろたら」「ひらお」「ひらえ」と活用する。玉ひらうな、コインもひらうな。「ひろう」「ひろうて」の誤れる回帰で母音が転化したものか、「ひらう」の活用形「ひろうて」の「ひろ」を語幹としたのが標準語や東京方言の「ひろう」か。
かやす かえす 返す。帰す。この本かやしといて。自動詞は「かやる」。
たとむ たたむ 畳む。洗濯もんたとんどきや。
ひく しく 敷く。布団をひく、レールをひく、寝間ををひく、ガイドラインをひく、など。西日本の発音。ただし、「しきぶとん」を、ひきぶとん、とは言わない。
ひく さげる 引く。引き下げる意。料理を下げる、お皿を下げることを、料理を引く、お皿を引く、という。
ひく 抜く 引く。引き抜く意。札の中から1枚引いて、ババ引いたら負けやで、もうぼちぼち草引かないかんなあ。東京の「引っこ抜く」は標準語ではない。
つぶる つむる 瞑る。目ぇつぶる。
すえる すえる 据える。灸に火をつけて肌の上に置くこと。近畿、東海、東山、西関東、中国、四国の言い方。南紀伊、西九州、東奥羽、東関東で「焼く」、北陸、陸前、陸中で「する」、西奥羽で「立てる」、琉球で「しゅん」「やきゅり」「やちゅん」など。
すわる 正座(を)する 座る。標準語では、椅子に腰をかけるのも、正座をするのも、地べたに尻をつけるのも区別なく、腰を落とすことを「すわる」と言うが、北中近畿、東海、北関東、南奥羽と南九州では正座をすることを言う。そのため、“椅子にすわる”という言い方は間違いとなる。東東海、南関東や南近畿、東四国、中国では「かしこまる」、北陸から出羽にかけては「ねまる」、北奥羽や北関東で「ひざおる」、中奥羽で「ひざつく」、東山や西四国で「つくばる」など、東九州で「ひざまづく」、西九州では「ひざたてる」、奄美では「しゃまじき(り)しゅり」、沖縄、宮古では「ふぃさまんちーしゅん」、八重山では「ぺんすきびりすぃ」と言い、幼児語の元となった「おちんする」は、もともと京都や東丹波、丹後の語。
じょろかく、
じょらくむ、
あぐら(を)かく 平座すること。摂津、河内、和泉、播磨、山城、丹波、越前、西美濃の言い方で、「じょろ」は「じょうろく(丈六)」の変化で、丈六の仏像の足の組み方に由来する、最も新しい言い方。特に摂津は「かく」、河内は「くむ」を使う。「あぐらかく」は、伊勢、三河、信濃以東と南日向に分布し、越後や北北陸で「あぐしかく」、紀伊で「おたぐらかく」、丹後から伯耆にかけてと隠岐で「あぶたかく」、尾張、西中国と四国、北東九州で「ひざくむ」、大和、近江で「いたぶらかく」、西九州で「いたぐらめする」、南九州で「いたぐらかく」、対馬で「てっちょうする」、奄美で「あいざいりしゅん」、沖縄で「ひらくいいしゅん」「まーふぃらいいしゅん」、宮古で「だずぃ(くら)びずぃあすぃ」「だいかきびずぃあすぃ」、八重山で「ざすぃきびずぃしゅん」という。
くたぶれる くたびれる 草臥れる。ああくたぶれた、と瞬間的な気持ちを表す使い方はしない。くたぶれ休みとりなはったらどないだす。骨仕事ちゅうのんはくたぶれ儲けのことだっせ。
いてる こおる(凍る)
freeze
凍てる。雪溶けたら道いてるさかいな。おまえ鼻水いてとおるで。きょうはいてつく寒さやな。いてつく波動はやっかいやな。北中近畿、美濃、尾張、北武蔵での言い方。「こおる」は「いてる」よりも古く、南近畿、東海、南信濃、関東、淡路、四国、九州での言い方。南東九州で「こる」、北陸、飛騨、北信濃、奥羽、中国で「しみる」、北海道で「しばれる」、筑前で「かんじる」などという。琉球ではこれに当てはまる言い方がない。
いこる おこる 熾る。火がついて燃えること。自動詞は「いこす」。火をいこす、いこらへん、火ぃいこった、など。
いらける -- 火などをかき広げる。今では聞くことはなくなった。
になう かつぐ 荷なう、担う。天秤棒などを肩に載せること。「いなう」と訛る。近畿、中京、山陰、西四国、西南九州での言い方。名古屋で「つる」、東四国、山陽で「かたぐ」、東九州で「かたぐる」。
かく かつぐ、
持ち上げる
舁く。2人以上で持ち上げること。駕籠をかく。ちょっとこの机かいて。近畿、四国、豊前で使用。
もちゃげる 持ち上げる 「もちあげる」の転。掃除すんで、机もちゃげてや。
おう おんぶ(する)、
(おぶう)
負う。ややこを負う、背に子を負うて、お母ちゃん負うてえや。幼児などを背に負う場合、近畿、中国、四国、北陸での言い方。もともと「おふ」だったものが現代仮名遣い通りに「おう」となったのが西日本の言い方で、濁って「おぶ」になったのが東日本の言い方。関東とその周辺で「おぶう」「うぶう」、越後、奥羽で「ぶう」、中京で「おぶ」、「おんぶする」は、関東に点在するだけで、加賀、越中で「ぼんぼする」、九州で「かるう」と言う。
せたらう せおう
bear a load on one's back;
carry a load on one's back
背撓う。「せたら」とは馬の背のたわんだところのことで、それに「負う」がついた「せたらおう」の転。荷物などを背負う、畿内での言い方。酔っぱろうたお前せたろうて家まで連れていったったんはわいやで。カモがネギせたろうて来よったで。近畿から中国四国にいたっては、「負う」を使う。「背負う」を「しょう」と発音するのは東日本。北陸、越後で「かづく」、中京で「おいねる」、九州で「かるう」と言う。
かたげる かつぐ 肩げる、担げる。材木などを肩に載せること。近畿での言い方。北陸、越後で「かたねる」、伊勢以東の東日本で「かつぐ」や「かづく」、四国や山陽などで「かたぐ」、九州では「かたぐる」、江戸でも「になう」と「かたぐる」は使い分けていたが、東京では両者の区別がなくなっている。東日本では区別がなく、どちらも「かつぐ」、琉球でも区別がなく「かたみーん」という。
たのむ ねがう
request; order
頼む。よろしくお願いします、は、よろしゅうたのんます。お願い申します、は、おたの(み)申します。お願いね、は、たのむわな。注文する意味でも使う。在庫少のなってきたな、ちょっと多いめにたのんどこか。
さらえる たいらげる 浚える、渫える。すっかり取り除いてしまう意。「さらう」の可能形。食べ物の入っている鍋やお皿などを食べて空にすること。西日本で使われる。
借る 借りる 過去形は「借った」。ちょっと醤油借ってくるわ。近畿、北陸以西での言い方。
貸す 貸す、寄越す 使役なので「す」になる。他人の物を強引に奪ったり取り上げるときなどにも使う。ちょっと貸さんかこら。近畿、北陸、四国、南山陽、九州、関東、北陸で使う。但馬、山陰、北山陽、東山、東海、越後では「かせる」、南九州で「かする」。
もる もれる 漏る。洩る。雨が漏っとる。しょんべん漏る漏る!
ぼる、ぼったくる ぼったくる 法外な料金を取る。「ぼる」+「たくる」。フルーツ盛り合わせが1万円て、ぼられてんねんでおまえ。なんも悪いことしてへんのに、いちゃもんつけられて結局ぼられてもたわ。記念写真は別料金かいな、それを先言え、ぼったくりよってからに。
へす 減らす 減す。使役は「す」です。もっとご飯の量減したって。
よす (仲間に)入れる、
混ぜる、加える
寄す。子供が遊びの輪の中へ入れてもらう際に使う言葉。摂津、播磨、東四国などで使う。「て」「た」「に」「ます」などが後に続く場合は、「よせて」「よせた」「よせに」「よせます」ではなく「よして」「よした」「よしに」「よします」になる。ドッヂボールよして。大人は「そっちへ寄してもらいますわ」と「行く」「立ち寄る」「集まる」の意味で使う。集団の中に入ってほしい場合は「入って」を使う。「混ざってください」とは言わない。「いれる」は、関東、甲斐、越後、北陸、西東海、山城、大和、紀伊、中国、伊予、北琉球、宮古などでの言い方で、北奥羽、信濃、東海では「かてる」、越中、北関東、南奥羽で「まぜる」、伊勢、東四国で「はめる」、土佐、日向で「そえる」などと言う。
なて なって 成て。「成る」の連用形に助詞「て」を加えた「成りて」「成って」の縮まったもの。特に「なってまう」「なてまう」の場合に縮みやすく、どないなってんねん、など他の場合や「成った」の場合は縮まない。
いて いって 行て。「行く」の連用形に助詞「て」を加えた「行きて」「行って」の縮まったもの。学校まで行てくるわ、早よ行てきぃな、小便行てこぉ。「行った」の場合は縮まない。
けえへん 来ない、来はしない 来えへん。「来る」の否定。「きはせぬ」「きやせん」の転。京都で「きいひん」、北摂や和泉、播磨で「きやへん」、和泉や神戸で「きえへん」、北南河内で「きやひん」、中河内で「きやいん」。「こおへん」は、標準語の「こない」につられて発生した誤用の語。
いう・いわす する・させる 音が鳴ることを表す。このぼろ車、走らしたらガコンガコンいいますのや。サイドブレーキなんべんも引いて、ギリギリいわしてましたで。風で扉がバタンバタンいいよりますのや。
いく いく、ゆく 行く。「ゆく」という発音はしない。行き先案内、行く手をはばむ、街道を行く、雲行きが怪しい、行く行く考えるわ、天王寺方面行きだす。助詞「て」+「いく」になる場合でも、東京方言のように「てく」にならず、しっかりと「ていく」と発音する。
いく 機能不能になる ダメージを受けて機能不能になるという意味。身ぃいった、は、打撲や筋肉痛になった、マットの上で切らな刃ぁいくで、は、マットの上で切らないと刃が使いものにならなくなるよ、という意味。
いわす やっつける 言わす。「まいった」と言わせること。いわしたろか!
いわす 痛める、故障する 肩いわした、腰いわした、は脱臼や腰痛、ヘルニアなどの外科系の症状をいう。
いかれる おかしくなる 正常ではない状態のこと、使いものにならなくなること。電磁波で計器みないかれた。
いかれてる、
いかれとる
おかしい 正常ではない状態、使いものにならなくなっている状態。頭いかれてんとちゃうか。
いらん 余計な
unnecessary;
needless; uninvited
要らん。不要な、必要のない。主に副詞的に用いる。いらんことすな、いらん心配せんでええ、いらんことしいかおまえは。
いらん ほしくない 要らん。主に補助動詞的に用いる。来てほしくない、は、来ていらん。来ているかいな、とも使う。
おいで、おい いらっしゃい 御出で。「来る」「行く」「居る」の尊敬語の活用形。助詞「て」が前にくると「といで」になる。師匠がおいでなはれました、おおよそのことは知っておいでや、みんな寄っといで。「おいでなはれ」が「おいなはれ」となることもある。「追いなはれ」と間違わないように。西日本を中心に関東も含め全国的に「おいで」を使う。東京の「いらっしゃい」は、「いらす」と同系列で、「いらす」も東京特有の言い方。
越す クリアする、解く ゲームなどで、ひとつまたは全ての面やステージを攻略してしまうこと。スーマリまだ越されへんねん。わいなんかドラクエ2日で越したで!
でける できる
can; finish
会、會・能
出来る。「する」の可能形。可能、能力についての意味の他に、完成する、発生する、生じる、という意味がある。わては逆上がりがでける。あしたにはこの仕事がでける。足の裏に豆がでける。知らん間に家の裏に墓地がでける。
ひっつく くっつく 引っ付く。靴にガムひっついて取れへんねん。和夫と晶子いつのまにひっついとってん。
いとにつく 調子が合いすぎる 絃に着く。浄瑠璃などの語りと三味線の調子が合いすぎること。調子が合いすぎているよりはわずかなずれがあった方が、目の肥えた観客は楽しめる。コンピュータミュージックは、いとにつかんように打ち込むのんがミソだすな。
あやかす 世話をかける、
邪魔をする、
口をはさむ
訪問と退去の挨拶でも用いる。あやかします。きょうは長いことあやかしまして。
ぶっちゃける ぶちあける 打ち明ける。何事も隠さず、ありのままをさらすこと。「ぶっちゃけた話」は、「実は」「ほんまは」と同じ意味。
もける もうける 儲ける。設ける。「もうける」の実際の発音。長音拍の短呼化。きょうはえらいもけてまんな。ちゃんと足場もけてから作業かかりや。他動詞は「もかる」。
とらまえる つかまえる、
とらえる
捕らまえる、捉まえる。「つかまえる」と「とらえる」の混合語。ちょっとそのぬすっととらまえてんか。西日本で使われる語。
はまる はまる、落ち込む
to fall into; to be depressed
掉进、陥进、坠人
填る、嵌る。ズッポリと落ち込んで抜け出せないこと。溝にはまる、どつぼにはまる、窓枠にガラスがはまる、趣味にはまる。他動詞は「はめる」。指輪をはめる。東京では溝にはまる場合は「落っこちる」を使う。策略や罠に落とし入れる場合は「はめる」「はめられる」と言い、「引っかかる」とは言わない。可愛らしい女の子言うさかい声掛けてみたら、おばんやないかい!あーあはめられた。
(手袋を)はめる (手袋を)はめる 填める、嵌める。畿内、北陸、東山、東海、関東、南奥羽、九州での言い方。北奥羽、瀬戸内一帯地域、沖縄では「はく(履く)」、南奥羽で「かける(掛ける)」、和泉、大和、伊勢、肥後で「さす(差す)」、豊後で「ぬく(貫く)」、羽前、長門で「あてる(当てる)」、宮古で「入れる」など。
当てる 指名する 授業などにおいて教師が児童や生徒を指名すること。前の方の席は当てられやすいさかい嫌やわあ。受動態は「当てられる」。越後、羽前で「かける」。
けやす けす 消やす。有る物を無くすること。「きやす」の転。今では「けす」というのが普通。語幹が「き」「け」と2つある標準語の元になった言い方。消える、は「けえる」、消えた、は「けえた」、消えない、は「けえへん」。
しむ、しゅむ 染みる、染み込む
soak into; penetrate; spread;
bite; pierce; smart; sting;
be deeply impressed with;
be moved by
染む。液体が他の物体に浸透する場合は、もっぱら「しゅむ」を用いる。大根は味がようしゅむまで炊いたらええわ。味しゅんできたか。「煙が目にしみて涙が出る」「先生の言うてはったことが身にしみてわかった」などの場合は「しゅむ」を使わない。五段活用。
しゅむ しける 浸む。曇って雰囲気の悪い、貧乏たらしくけちくさい。どないしてんしゅんだ顔して。またしゅんだ話しとんかいな。
しぬ あざになる 打ち身や打撲などによる内出血で皮膚の色が青黒くなること。北中近畿、北陸、越後、西奥羽での言い方。三河、遠江、信濃、上野では「ちがしぬ」、南近畿、美濃、飛騨などでは「にえる」「にじえる」、東播磨、北淡路では「うちごもりができる」、備前、備中、美作で「(くろ)くちる」、讃岐、備後、安芸、出雲、甲斐などでは「しにいる」「しみいる」、伊勢、能登、陸前、陸中、周防から九州にかけて「くろじに(に)なる」、肥前、南九州で「つぐろじんする」、駿河、伊豆で「くろずみになる」、東関東で「くろなじみになる」、磐城、岩代、越後などで「ぶちる」、南関東で「あざになる」、北琉球で「くるむん」、南琉球で「っふきどぅましーどぅうずぃ」。
負かる 負けられる 「負ける」の可能で「負けれる」より古めかしい。「負ける」は値引きや割引きをすること。負かりまっか? いやいや負からんで。
いぬ 帰る、去る
come back
回去
去ぬ。往ぬ。「いぬる」の五段化。「帰れ!」は「いね!」となる。近畿で使用。もういなしてもらいます、となれば、実家へ帰らせていただきます、ということ。
いなす やっつける、
あしらう、そしる
帰らせる意味の「いなす」から。ちょっといなしたろか。
行て・行た(ろ) 行って・行って(やろう) 「行って」の場合は、促音「っ」が脱落する。行てくるわ、行て参じます、行てこぉ、頭いたろか。「行った」や「行ってん」の場合はそのまま発音する。
つく ついている 運の良さの「ツキ」。きょうはめちゃめちゃついとるわ。つかんのう…。
きとる あぶない、やばい 極限、限界まできていること。ハゲかかった頭を見たときや、精神的に追いつめられている人を見たとき、目の前に捜し物があるのに探し回っている人などに対して言う。きとんのう。
できとる、でけとる -- 男女二人が仲良くなっていること。
いく できる、(に)なる、
起こる
行く。服にしわがいく。あんまり笑うたらしわいくでえ。鉄にさびがいく。火事がいく。地震がいく。
やる できる 素晴らしい。成果が優秀なこと。腕の立つ様。なかなかやるな。やれるヤツ。やるやん。やるぅ!
いける 問題ない、大丈夫
good; all right
行ける。問題なく最後までいける意。このうどん、なかなかいけるな。牛乳、賞味期限切れとるけどいけるやろか。おーい、そっちはいけとるかー? 席が空いているかどうかを尋ねる際にも、そこいけます?と用いる。否定語は「いかれへん」だが、対義語は「いけん」ではなく「あかん」で、駄目の意味で使う「いけん」は中国四国などの方言。東京の「いけない」も、最後まで問題なく行けない意のこと。
いける おいしい、うまい
good; nice; delicious
好吃、好呷、好食
味などがおいしい。上項の転意で、味について問題なく最後までいける意。対義語は「あかん」。んー、なかなかいける味やな。東京にも伝わった大阪の言葉。
いてまう やってしまう、
やっつけてしまう、
痛めつける
to fail; die; go bankrupt;
attack viciously
失败、死、倒产、狠狠地整一下
「行って」+「しまう」。行てまう。痛い目に遭わす、やっつける、勢いにまかせること。脅迫に用いるときは「いてもうたろか」で、東京の悪徳金融の取り立てのように「殺すぞ」と言われても恐くはない。殺してしまっては刑務所行きだ。
いてまえ やってしまえ、
やっつけてしまえ
行てまえ。「いてまう」の命令形。ガンガンいこうぜ。また、プロ野球団大阪近鉄の代名詞。近鉄優勝、いてまえ価格で!
いてこます やっつける
screw
「行ってかます」が語源。行って一発かますこと。「やってこます」ともいう。
あかめつる 不仲になる 赤目釣る。仲が悪くなる。血走った目をつり上げていがみ合う様子から。もう赤目つりなや。
やめる やめる 止める。辞める。すでに標準語となった。東京などで「よす」が使われるが、これは標準語ではない。
うせる 行きやがる、
来やがる
失せる。「行く」「来る」の罵倒語。さっきどこうせたんや。西日本の言い方。
うさる すたる 失さる。「失せる」から転意。流行遅れになること。はやりもんはうさりもん。うさるほど余っとるやないか。
明かる (雨が)上がる、止む 降っていた雨がやむこと。雨があがって明るくなること。老年層が使用。若者は「上がる」を使う。
上がる (家に)入る 家の中に入ること。家に上がる。座敷に上がる。ちょっとあがらしてもらうわ。
上がる 入学/入園(する)、
就学(する)
学校に入ること。今田さんとこの上のお子、来年小学校上がるねんてなあ。
上がる 進級/進学(する) 学年を上がる。
上がる 卒業/卒園(する) 学校から出ていくこと。退学でも「上がる」。すごろくのゴールを「あがり」というのと同じ。女性の閉経もこの「上がる」。
上がる 帰宅(する) 会社や学校から家に帰ること。仕事が終わることも「あがる」と言う。きょうはもうこれであがりますわ。
上がる 仕上がる、完成(する) 仕上がること。頼んどった仕事、あがってまっか?
飽く 飽きる 過去形は「飽いた」。大阪弁の勉強なんかもう飽いた。
好く 好きになる
喜歡
連用形は「好き」となり、形容動詞としても活用する。否定は「好かん」、過去形は「好いた」、受動形は「好かれる」。
好かん、いや きらい、いや
討厭
東京では「好き」「嫌い」と形容動詞での活用が多いが、大阪では「好く」「嫌う」と動詞を使う。「だいきらい」とも言わない。好かへん。総好かんをくらう。いややわ。東京では、やだね、など「や」を使う。
いけ好かん 気に入らない、
気にくわない
「いけ」は接頭語。いけすかんやっちゃ。
こう、こ(ぉ) こよう 「来る」の意向形。心配やさかいあしたも見にこうか。変格活用動詞には「よう」がついたものではない。
ばれる -- 知られては困ることを他人に知られてしまうこと。わからんように下駄隠しとったのに、なんでばれたんや。名詞形は「ばればれ」。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【形状動詞】
ちゃう、ちやう、ちがう ちがう 違う。ただし、「ちゃう」「ちゃい」「ちがわ」「ちご(う)」「ちがえ」と使い分ける。ちゃいます、そらちゃうで、ちがわへん、ちがうかいな、それとちごて。「う」ははっきりと発音しないのがポイント。ちなみにチャウチャウは中国犬で、食用犬。
てかる てかてかしている 「てかてか」の動詞化。そのおっさんの頭てかっとおんねん。
いがむ ゆがむ 歪む。病気になる意味でも使う。西日本での標準的な発音。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【状態動詞】
おる いる
be;
there is; there are;
exist; be found;
live (in); stay; be (at) home;
be present
居る。「いる」と「ある」の混合によって生じた語。「いてる」のような二重存在動詞の表現はできず、「おってる」「おっとる」や「おってます」とは言えない。生物の存在、滞在、居住、を表す。無生物には「ある」を用いる。東京式の標準語では謙譲語となっている「おる」だが、西日本では通常動詞。「いる」との区別をする京阪上方では、下向き待遇の表現として用いるが、大阪では「おる」のぞんざいさが薄れ、通常存在動詞になりつつある。東京では「おります」の場合のみ「おる」を使うが、駿河、北信濃、越後以東の東日本では「いる」を、奥羽の一部と、越中、南信濃、遠江以西は「おる」、北琉球でも同系列の「うん」、中南紀伊と八丈島では「ある」を用いる。
いる いる
be;
there is; there are;
exist; be found;
live (in); stay; be (at) home;
be present
居る。「おる」より古い語。待遇的に中立な表現として用いる。1,000年も前から使われていた「いる」の後に生まれ西日本に広がった「おる」の後、上方京阪の中央部では江戸との交流で「いる」が上位語として流入したために「おる」が下向きの表現となった。「いてる」「いとる」が主流になる前はこれを使ったが、京都は「いる」を保っている。先生なら明日はうちにいやると思いますけど、あいつまだこんなとこいよるんか、と助動詞もつく。否定形は「いん」だが、音韻的な悪さのためほとんど使用されず、「いぃひん」「いてへん」または「おらん」を使う。
いてる・いとる いる
be;
there is; there are;
exist; be found;
live (in); stay; be (at) home;
be present
居てる。居とる。存在動詞「いる」に、継続を表す「てる」「とる」を付け足した語。「いてる」は一段活用に近いをし、「いとる」は五段活用をする。「いてへん」とは言えても、「いてん」「いてなんだ」や命令の「いてい」とは言えない、特別活用。「おってる」「おっとる」とは言わない。大阪発祥。
あれへん、(あらへん) ない 在れへん。有れへん。「ありはせぬ」「ありゃせん」の転で、「ある」の打ち消し。財布がなくなった、は、財布あれへんようになった。京都では「あらへん」。
おれへん、(おらへん) いない 居れへん。「おる」の打ち消し。京都では「おらへん」。
たまらん しゃれにならない 堪らん。耐えられない。東京での使い方とは逆で、良い意味では使わない。こないにされたらたまらんわ、負けてたまるか、そんなことされてたまるかいな。「たまったもんやあれへん」ともいう。
おます、おま(っ) あります、
おります、
ございます
to be
上方では古くから「御座」を「おま」と発音した。天皇や貴人のいる所の「御座所(おましどころ)」といい、「御座(おまし)」に由来。終止形では「おま」と縮む場合も。過去形は「おました」。もと、大阪の女性言葉で、下町中流社会の言葉。京都では「おはす」「おわす」の転じた「おす」。
おまへん ありません、
おりません、
ございません
「ない」「いない」の少し丁寧な言葉。「です」を多用する東京のように「ないです」とは言わない。忘れもんおまへんか。持ち合わせおまへんねん。
おまっか ありますか、
おりますか、
ございますか
「おます」+「か」。「でっか」より丁寧。わての傘おまっか、など。
おまっせ ありますよ、
おりますよ、
ございますよ
「おます」+「え」。「え」は「よ」の転で、「だっせ」より丁寧。あんさんの傘ここにおまっせ、など。
おまんな ありますね、
おりますね、
ございますね
「おます」+「な」。天皇さんはいつも京におまんな、など。
ござります(る) ございます
to be
御座りまする。船場言葉。「です」「ございます」や「おます」「おす」などと比べて、最も丁寧な言い方。京都でも同じ。これで失礼さしていただきますでござりまする。「ござ」系の語は東国発祥の武家言葉で、江戸との交流で京阪に流入した。中京で「ござる」、陸中や安芸で「がんす」、甲斐で「ごんす」、鹿児島、八丈島では「おじゃる」。
ござへん ございません 御座へん。船場言葉。「ござります」の否定。「おまへん」より丁寧。
ごわす、ごわ ございます
to be
「ござりまする」の最終形態。船場言葉。上品で丁寧な言葉。上流社会である船場で「おます」は絶対に使わない。尼崎では「ごわいます」。
ごわへん ございません 「ごわす」の否定。船場言葉。河内では「ごあへん」とも。
へたる へたばる、へこたれる、
(人が)へとへとになる、
疲れ果てる、
(物が)老朽化する、
劣化する、
すり減る
wear out
疲れて弱る意味。50個もコロッケ揚げたら油がへたるで。走りすぎてタイヤのゴムもへたるわな。何遍も使うて現像液がへたってる。「へたりこむ」は疲れきって座り込んでしまうこと。
かなん かなわない 適ん。迷惑。「かなわん」の「わ」が脱落した。「夏は暑うてかなん」「セミはやかましゅうてかなん」「早よ言うてくれやなかなんがな」とは使うが、「強すぎてあいつにはかなん」という使い方はしない。「かなんがる」で、迷惑がる、「かなんがらはる」で、迷惑がられる、の意味。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【補助動詞】
(a)しまへん (i)ません 「ます」の否定。わかります、の否定は、わからしまへん、行きます、の否定は、行かしまへん。それぞれ、わかりはしません、行きはしません、から転じた言い方。畿内で使う。わかりまへん、行きまへん、は伝統的な大阪弁ではない。
あれへん、(あらへん) ない
没有
あいつの漫談はしょうもあれへんな。
おれへん、(おらへん) いない あいついっこも掃除しとおれへん。
おます、おま(っ) あります、
おります、
ございます
「暑いです」のように形容詞に直接「です」が続くものは、「暑うおます」と連用形でつなげる。終止形では「おま」と縮むこともある。過去形は「おました」。京都では「おす」、奈良で「はす」。
おまへん ありません、
おりません、
ございません
「あれへん」の丁寧な言い方。東京のように「ないです」とは言わない。間違いおまへん。恥ずかしいことおまへんか。しょうおまへん。名古屋では「あらすか」。
おまっか ありますか、
おりますか、
ございますか
「おます」+「か」。きつうおまっか、寒うおまっか、など。
おまっせ ありますよ、
おりますよ、
ございますよ
「おます」+「え」。「え」は「よ」の転で、「でっせ」より丁寧。白うおまっせ、早うおまっせ、など。
おまんな ありますね、
おりますね、
ございますね
「おます」+「な」。きょうは暑うおまんな、など。
ござります(る) ございます 御座りまする。船場言葉。「おます」より丁寧。左様でござりまするでござります。「ござりやす」ともいう。
ござへん ございません 御座へん。船場言葉。「ござります」の否定。「おまへん」より丁寧。
ごわす、ごわ ございます 船場言葉。さいでごわす。昨日は暑ぅごわしたな。終止形は「ごわ」と縮むことも。
ごわへん ございません 船場言葉。「おまへん」よりも丁寧で上品。
(と)ちゃう、
(と)ちがう
(じゃ)ない、
(では)ない
不是
反語形の表現。何々とは違う、異なる意。「やない」に同じ。私のとちゃうで、これとちゃうか、湯ぅ沸いてんとちがいますか、遺伝子組み替えとちがう大豆100%使用。「これちゃうのん?」と「と」が省略される場合も。また、「~ちゃうか」と語尾にくれば、相手に意見を求める使い方となる。
もらう いただく、(くれる) 受給。年明けは四日から営業さしてもらいます、という言い方の他に、考えさしてもらいます、メール送らさしてもらいましてんけど、掃除してもらえますやろか、田中は定時で帰らさしてもろてまんねやが、こないなとこで寝てもろたら困りまんがな、という言い方をする。「~してもらう」「~していただく」などのやりもらい表現は上方の言い方で、もともと東京にはなかった言い方。
いる ほしい 要る。来てほしくない、は、来ていらん。
もらえます ください 丁寧な依頼表現。「ください」のような一方的な言い方はせず、半疑問形で使用する。ちょっと待っといてもらえます? これ見てもらえます? 高めの平坦アクセント。
おくれ ください、ちょうだい
我要、請給我
何らかの利益を得る「くれる」の命令形「くれ」に丁寧な「お」が付いた。前に助詞「て」がくると、「とくれ」「とおくれ」になり、さらに女言葉では「とお」と略す。湯呑み取っとくれんか、うちだけを見とおくれやす、はよ食べとおや。名古屋で「ちょ」。
おくんなはれ、
おくなはれ
くだされ、ください
我要、請給我
命令敬語。「おくれ」+「なはれ」。待っとくんなはれ。淡路、中国、四国、北九州で「つかさい」「つかい」「つか」。奥羽で「おくなんせ」「くなんしょ」、東京山の手で「あそばせ」。京都の御所言葉で「たも」、八丈島で「たもうれ」「たもうりやれ」「たべ」。
おくれやす くだされ、ください
我要、請給我
「おくれ」+「やす」。船場言葉。あたいだけを見といておくれやす。
ちょうだいんか くだされ、くださいな、
ちょうだいな
我要、請給我
「頂戴」+「んか」。動詞の、おくれんか、おくれなはらんか、などと同じように名詞の「ちょうだい」にも意味を強める反語形の「んか」が付いた。取られんようにしっかり見といてちょうだいんか。
くさる やがる 腐る。罵倒語。人のん何食べてくさっとんねん。助詞「て」を省略することも。見ぃくさって買いくさらん。
けつかる やがる 「する」「言う」の罵倒語。主に男性語。助詞「て」を伴う。おうわれ、なにさらしてけつかんねん。これを早口で言えるようになれば、大阪で恐れる物はない。なんぬかっさらしてけっかんねん。
たおす まくる 倒す、捲る。盛んに何かをする、という意味。休みの日ぃは定期券で市内のバスを乗りたおしたわ。「まくる」も使う。
かける はじめる 本格的にではないが、その動作を始めてしまうという意味。手ぇ洗うてくるさかい先食べかけといてや。名詞形では、進行の途中という意味でも使う。この缶詰め腐りかけとちゃうんかいな。この飲みかけのジュース誰のん?
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【助動詞】
はる、やはる なさる、られる 尊敬語。「なさる」の転。語幹が1音の動詞では「やはる」とも言うが、大阪では語幹を伸ばして「はる」に続けることが多い。大阪下町では目上に対してのみ用いていたが、船場では京都と同じく対等や目下、身内、動物、無機質な物にも用いた。対等や目下であっても親しくない人や、不特定の人、歴史上の人物などにも用いる。師匠あしたの試合見にきぃはりまっか? 大阪城造らはったんはもちろん大工さんやねん、東京でも大阪弁しゃべる人結構いてはるらしいわ、うちのお爺さんが生前よう言うてはったわ。大阪では京都で生まれた「はる」が動詞の連用形について、行きはる、食べはる、見てはる、と使う。京都では、行かはる、食べはる、見たはる、と、五段動詞の場合や助詞「て」の場合はア列音でつなぐ。また、「いはる」「いやはる」「いてはる」とはいうが、「おりはる」「おってはる」とは言わず、「なさはる」も言わない。助詞「て」を伴う現在進行や過去表現では、「行きはってる」「行きはってた」とは言わず、「行ってはる」「行ってはった」になる。命令形だけは「なはれ」の形をとる。東京の「(い)らっしゃる」「おられる」「お○○になる」に相当する語。「いく」に例えると敬語表現では、大阪で「いきはる」、北摂、河内で「いきやはる」、中河内で「いきゃある」、伊勢で「いかっせる」、伊賀で「いかっしゃる」、近江湖北で「いきやる」「いかんす」、近江湖東で「いかる」「いきやす」、大和盆地北部で「いきへる」、大和盆地中部で「いかる」、大和盆地南部で「いかいす」、志摩や丹後で「いきなる」、中丹で「いっとっちゃ」「いってやる」、北摂、南丹波、神戸、播磨で「いってや」、泉南で「いかれる」、近畿の外側地域で「(いって)みえる」。船場では明治まで「てや」も使われていた。
なはれ なされ、なさい 成はれ、為はれ。下町言葉。命令敬語。「なさい」よりやわらかい命令で、たこ焼き食べなはれ、は、たこ焼きを食べたら?程度の命令。東京の「なさい」はすでに活用をしなくなっているが、「なはる」は活用をする。聞きなさいよ、は、聞きなはれや、見てごらん、は、見てみなはれ。船場では京都と同じく、行っときなはれ、を、行っといなはれ、とイ音便化する。しゃべりなはれ、が、しゃべんなはれ、になるように、ラ行音が前に付くとその音が撥音化し「ん」となる。助動詞の「とくれ」と合わさって「とく(ん)なはれ」という形でよく使う。河内では「なあれ」、京都や東近畿では「なはい」「ない」とイ音便化している。西日本には「ない」「んさい」「んしゃい」「んちゃい」「られい」などがある。船場や京都では「よし」も使う。
なはんな (u)んじゃないよ 「なさるな」の転。禁止命令敬語だが、目上ではなく対等もしくは目下に対して用いる。これ、店でほたえなはんな。ちょっと、先生の前で変なこと言いなはんな。食べもんに手ぇ付けなはんな。
ない なさい 「なさり(ませ)」の最終形態。「ない」は「なはる」の連用形「なはり」のイ音便「なはい」の転。終止形は「なる」だが使わない。京都を中心に、全国的に使われる。大阪下町では「なはれ」。はよ食べない、怒りないな、こっちおいない、など。東京の「寿司食いねえ」の「ねえ」もこれが転じたもの。
やる 「ある」の転。京都で強い勢力を持つ「はる」に取って代わられつつある、大阪本来の丁寧語。もと女言葉。「はる」と「よる」の中間的な言葉。もともとは目の前の相手にも用いたが、第三者に対して用いられることが多くなった。いけずばかりしやるねん。せっかくあの子来やったのに。こっち見てやるで。先生いやる? 食べとってや(る)、食べとっちゃった、という言い方の敬語は、丹波や神戸の住吉川以西の播磨、山陽地方や、北河内などの言い方。
よる る、ている、
ようとしている、
ている最中
「おる」の転。動詞の連用形に付いて、動作が進行中であること。第三者の行為や状態の表現。三人称の動詞全てにつけることができ、人間以外にも使われる。 雨が降りよる。あの道を先生が行きよるわ。「はる」や「やる」とは異なり、「~てよる」とは使わない。「~てよる」に代用される語は「とる」。過去形は「よった」。東京式の標準語にはないアスペクト状況を伝えることのできる表現。出雲を除く西日本の言葉。播磨や志摩では「よう」、琉球は同系列の「うん」で、「書きよる」が「かちゅん」になる。京阪上方では次項のように転意したため、継続表現は「たある」「とおる」「とる」「てる」が使われる。
よる る、やがる 上項「よる」の転意。軽く卑しめる意味だが、親愛感情を含む場合もある。あいつすかたんしよる。べんちゃらばかり言いよって。またジャイアンツが勝ちよったんか。やっとタイガースが勝ちよったんか。「いきよる」「のみよる」が音便化して「いっきょる」「のんみょる」になるが、北摂や河内では「いっこる」「のんもる」となる。畿内の中心部京阪上方で表現される言葉で、西日本でも神戸以西では使わない。
やがる やがる 「上がる」の転。下品な言い方。相手や第三者の動作を軽蔑したりののしったり憎んだりする気持ちを込めて言い表す。東京にも広まっている語。
ます、ま(っ) ます 終止形「ます」の「す」を発音しない場合がある。「ちゃいま」は「ちがいます」の意味。発音は「まっ」。「ます」なのか「まへん」なのかはっきりせよと学習者に指摘されやすい表現だが、打ち消しの場合は「しまへん」を用いるので、商人が角を立てず曖昧な言い方をするために文末を省略したという説は誤り。過去否定形は、「まへんでした」ではなく「まへなんだ」。三島淀川沿岸や北河内では「まう」と言う。
ました ました 「ます」の過去形。大阪は「高低低」、京都は「低低低」アクセント。河内で「まいさ」。
まひょ ましょう
shall we;
let's do
「ませう」の最終形態。「ます」の勧誘。大阪弁話しまひょ、そないしまひょ、おばちゃんの映画皆で観まひょいな。助詞「か」が付くと疑問文になるが、勧誘の度合いが強く、その勧誘への返答で用いる場合は、その誘いに応じるという意味になる。遅れたらあかんさかい早よ行きまひょか、残すねやったらわたいが食べまひょか、私が家まで送りまひょか。ほな送ってもらいまひょか。朝は7時に起きまひょか、肉ばっかし食べんと野菜も食べまひょか、などの場合は疑問ではなく命令的要素を含んだ指導になる。これもハ行音に転訛している。「ひょ」と「よ」の中間音で発音する。神戸で「まほ」、東播磨で「まは」、西播磨で「まはん」。
やす ます 船場言葉。いま行きやす。よう聞きやした。見てやすねん。京都では、「知っとりやすか」を「知っといやすか」と、さらにイ音便化する。南九州で「もす」。
やす ませ、くださいませ
あそばせ
丁寧な命令。船場言葉。「あそばせ」の「あそ」「あす」の転。「○○やす」「お○○やす」という使い方をする。お食べやす。お行きやす。見ときやす、は、見といやす、とイ音便化する。どうぞお掛けやしとくれやす。「やすや」は「やっしゃ」になる。ちょっとごめんやっしゃ。京言葉から。
やしゃんす なさります 尊敬、丁寧。尊敬の「やしゃる」に「ます」がついた「やしゃります」の転。ようおいでやしゃんした。ちょっと通してくれやしゃんせ。どうぞ通りやしゃんせ。野球すんねやったらこういう具合にしやしゃんせ。今は使われなくなった語。元々西日本ではサ行はシャ行音で発音した。
れる る、れる、られる 五段動詞「書かれる」が「書ける」になったのと同じように、一段動詞も「見られる」「食べられる」が「見れる」「食べれる」と変化し、この「れる」が独立。ラ行以外の五段動詞の可能形について「書けれる」「読めれる」などの二重可能を表す。ラ行五段動詞も「切れれる」「走れれる」と使うこともある。瀬戸内や甲信などでもこの傾向が見られる。“行けて言うた(=行けって言った)”のように、動詞の命令形+助詞「て」が動詞の可能形のように聞こえ同音衝突を避けるためにも“行けれて言うた”と「れる」の形になったものと思われる。レ足す言葉やラ抜き表現といわれるこの言葉も、上方が発祥地で、西日本では広い範囲で早い頃から使われており、上方からの波及はごく自然。既に可能の形をとっている「でける」とは活用しない。次期標準語。
させる せる 使役。謙譲語。一段動詞やカ変動詞の他、五段動詞の未然形につく。ちまたで騒がれているサ入れ表現。後に「て」や「た」などが続くと、「さして」「さした」と発音する。きょうはこれで終わらさしてもらいます、先に飲まさしてもらえますやろか、わてにも食べさしとくんなはれ。「させて」「さして」の形で、より丁寧に表現できる言い方。上方発祥で、近畿一帯で使われる次期標準語。
てる・でる ている・でいる 動作の結果、継続、状態、形状を表す。継続と結果を区別するために、「てもてる」「てしもてる」で結果態を表す場合もある。「ている」の「い」が脱落したものだが、大阪では動詞に「てる」がつく形となる。中立または対等な立場での表現で、京阪の中心地域で使われ、女性の他、男性も使う。「いる」は例外で大阪で「いてる」となり、「おる」や「ある」には活用しない。過去形は「てた」。谷川さんやったら先行ってるさかいな、あんたもあの話聞いてるやろ、今作ってるとこやがな、ちょっとネクタイいがんでるで、メガネ掛けたまま寝てる人は誰や、ここの角がちょっと欠けてるなあ、写真送んのんきんのから忘れてたわ。関東では、忘れつた、と母音が脱落する。
とる・どる ている、てる・
でいる、でる
主に第三者の動作の結果、継続、状態、形状を表す。継続と結果を区別するために、「てもとる」「てしもとる」で結果態を表す場合もある。「て」+「おる」。やや下向きの表現。うちやったら考えるより先行っとるわ、おまえもあの話聞いとってんやろ、今頃なって作っとんかいな、ちょっとネクタイいがんどる、いつまでメガネ掛けたまま寝とんねん、あっこに先生いとる。「いる」とは活用するが、「おる」とは活用しない。西日本の語だが、大阪では主に男性が使う。和泉や周防、長門、九州では「ちょる」、神戸、播磨、志摩、博多では「とう」、土佐で「ちゅう」を使う。
とおる・どおる ている・でいる 主に第三者の動作の結果、継続、状態、形状を表す。「て」+「おる」。「とる」に同じだが、自分自身のことについてはほとんど用いない。誰ぞがわての朝ごはん食べとおる、猫が寝とおる、子供がつまづいてこけとおんねん、あーあ泣いとおるー。主に男性が使う。過去形は「とおった」。
たある・だある てある・である、
ている・でいる
「て」+「ある」。結果の状態。もう用意したある、まだ予備残したある、食べもん置いたある、と自動詞・状態動詞に付いて準備や処置を表す他、テレビ映ったある、扉閉まったある、雨降ったある、屋根が落ちたある、もう祭り終わったある、と格助詞「が」による他動詞や継続動詞・結果動詞・瞬間動詞にも使用して継続や結果の状態を表す。京阪や出雲を除く西日本では、先に行きよってください、お父さん今寝よるとこじゃ、と進行形の「よる」で表すことができるが、「たある」は、先に行っといたあっとくなはれ、や、お父はん今寝たあるとこや、と生物の動きについては使えない。泉南で「ちゃある」、大和国中で「たる」。「てやる」の「たる」と衝突するため、「たる」とは縮まない。過去形は「たあった」。
とく・どく ておく・でおく 準備、持続。行かなあかん、やめとき、寝とく、見とけ、遊んどこ。打消「ん」に「で」が続いた場合は「どく」と濁らず、「~ないでおく」は「~んとく」、「~ないでください」は「~んといてもらえます(か)」になる。「へん」とはつながらないので、「~へんとく」という言い方は誤り。「~よまい」という言い方はしない。
たる・だる てやる・てあげる、
でやる・であげる
「てやる」が変化したもの。水やりしたる、おもちゃ買うたる、なぐさめたる、私が飲んだるさかい。対等もしくは目下への表現なので、「あげる」を使うのは間違い。過去形は「たった」。畿内で使用。和泉や近畿とその外側、中国、九州などでは「ちゃる」。
た・だ てやれ・てあげろ、
でやれ・であげろ
「てやる」「たる」の命令形「たれ」の転。“ちょっと待った”、“さあ買うた買うた”などの使い方をする。
たろ・だろ てやろう・てあげよう、
でやろう・であげよう
「てやろう」が縮まったもの。どついたろか、持ってきたろ、見といたろ、一緒に遊んだろ。
たって・だって てあげて、てやって・
であげて、でやって
「てやって」。「書いてあげて」は「書いたって」。
たった・だった てあげた、てやった・
であげた、でやった
「てやった」。「たる」「だる」の過去形。
とく・どく ておく・でおく 「て」+「おく」。行っとかなあかん、やめとき、寝とく、見とけ、遊んどこ。「~ないでおこう」は「~んとこ」。「~ないでください」は「~んといてもらえますか」。和歌山などでは「ちょく」。
かす せる、す 他動的な動詞に付いて、その語を強調する。笑わせる、は、笑わかす、だます、は、だまかす、となる。
す・さす せる・させる 使役。五段動詞は、行かす、飲ます、遊ばす、減す、載す、一段動詞は、見さす、食べさす、などとなる。東京の「でかす」「いかす」などもこれに同じ。山陰、北陸、東山、東海、関東で「させる」、南奥羽、東関東、越後、伊豆などで「らせる」、近畿、山陽、四国で「さす」、北九州で「らする」、南九州で「さすっ」、奄美で「さすり」、沖縄で「らすん」など。
こます しまう 噛ます。助詞「て」を伴って動作の完了を表す。足冷えたさかい風呂入ってぬくめてこまそ。
まう しまう 「しまう」の「し」が脱落したもの。無意識の動作、動作の完了の他、完了による後悔、残念、を表す。そないされたら死んでまうわ、いつものようについツッコんでもうたわ、宿題早う終わらせてまお、データ保存してへんのにパソコン固まってまいよった、家の前に車停められてもうて困ってんねん、残りもん食べてもうたんかいな、いてまえ、いてもとけ、いてもたれ、など。東京方言の、終わらせちゃう、などという言い方は、標準語に採用されなかった江戸語の「ちまう」から転じているため、中央語とは言えない。抽選で10名様に当たります、で済むところを、当たっちゃいます、と意味もなく活用するのは東京だけで、当たってまいます、などとは言わない。
もうた、もた しまった 「まう」の過去形。忘れてしもうた、忘れてしもた、忘れてもた、忘れてもうた、などいろいろと変化する。猫踏んでもた。でけてもた結婚。
らしい、みたい、そ(う) らしい、みたい、そう、
ぽい、げ
伝聞、推測。○○のようであると他人から聞いた。「みたい(な)」は「見た様(な)」の転。「らしい」が最も新しい言い方で、優先的に使う。きょう先生休みらしいわ。伝聞を表す言い方では、伊勢や伊賀で「げな」、志摩で「てわい」「てわれ」、北牟婁で「ちゃうわい」「ちゃうわれ」、南牟婁で「つあ」。
ない、ぬ 助動詞「ぬ」の転。打ち消し。己の意志で言い切る、意思による否定。「へん」とは同じではないので、「へん」には置き換えられない。いっこもわからん、なんも言わんと始める、寝てる子を起こさんように、誰もおらん、つかんこと聞きますが、けしからん、わてなんも知らん、そんなとこよう行かん、私にかまわんと進めといて、あないなとこもう二度と行かんで、かなんなあ、早よ行かな間に合わん、山へはもう登らんとき、宿題もせんと遊んどる、すまん、など。「ず」や「ね」の活用はなくなった。“きょうは朝から行列が途切れんで”などの「ん」はラ行動詞“途切れるで”の音便化によるものなので、打ち消しを表現したい場合は“途切れへんで”と「へん」を使う。佐渡、下越、甲斐、南信濃、駿河以西の西日本から琉球宮古までの語で、江戸でも話されていた中央語。伊豆、甲斐、北信濃、中越以東の東国では、「なふ」の転じた「のう」が使われており、その「なふ」の連体形「なへ」が転じた「ねー」「ない」が現在の「~ない」で、形容詞「無い」に由来するものではない。「話さなかった」「食べなくて」とは言えても、「話さなし」「食べなき」とは言えないからである。富士山近辺で「なふ」の転じた「の」「のう」、八重山では「ぬ」、八丈島で「んなか」。
んよう(に)(なる/する) なく(なる/する) 断定助動詞「ん」の活用形。開かなくなりました、は、開かんようになりました。わからなくしておいて、は、わからんようにしといて。助詞「に」は省略可。
へん (は)せぬ、
(は)しない
not
don't; isn't
否定。「せん」の転。畿内、丹波、播磨、淡路、阿波などで使用。きんののこと覚えとらへんのんか、いっこもでけへんわい、どこへも行かれしまへんがな、あいつあしたも来よれへんで、と使うが、一人称および二人称に対してや、既に分かっていることを言う場合などには使わないが、一人称でも不確実である場合は用いることもある。そない言われたかてわかれへんのや。五段動詞の場合、前音は同化しエ列音になることが多い。京都では「きいひん」「しいひん」など後音に同化し「ひん」になる。北南河内で「ひん」、中河内で「いん」、和泉で「ひん」「しん」、紀伊や南大和、伊勢では「やん」。中国、四国、西東海などでは「行きゃせん」などの「せん」。単純な「ない」の活用に慣れてしまっていると、「ん」と「へん」の使い分けは難しい。発音は「へん」と「えん」の中間音で発音する。
(a)れへん ない 可能否定。「言える」に対して「言われへん」、「行ける」に対して「行かれへん」。これらを京都のように「言えへん」「行けへん」とした場合、「言わへん」「行かへん」の逆行同化した「言えへん」「行けへん」と同音衝突してしまうので、この「(a)れへん」を保った。通常の可能形は「言われる」「行かれる」とは言わず、「言える」「行ける」または「言えれる」「行けれる」となる。
なんだ なかった 否定過去。「ん」の過去形。過去の動作、作用、状態などの打ち消し。知らなんだ、行けなんだ、あかしまへなんだ、など。上方本来の言葉で、江戸でも話され、西は伯耆、備後、西伊予、東土佐、東は遠江、甲斐、信濃、越中、佐渡まで広がっていた語。大和、伊勢、志摩などで「へんだ」「んだ」、伊勢、大和、紀伊などで「やんだ」、西中国、西四国、東九州で「ざった」、九州で「んじゃった」、八丈島で「んじゃらら」、奄美で「んた」、沖縄で「んたん」、宮古で「たん」、八重山で「なった」、駿河で「ないっけ」「んけ」、伊豆、関東で「なかった」、奥羽で「ねかった」、陸奥で「なくてあった」「ねすた」「ねふた」等、越後で「んかった」。西日本の若者は、東京の形容詞風助動詞「なかった」の影響を受けた、越後方言の「んかった」を使うようになった。
へなんだ はしなかった 否定過去。「へん」の過去形。「へん」+「なんだ」。過去の動作、作用、状態などの打ち消し。そないなこと知らへなんだわ、いやあいつは来やへなんだんだす、えらいすんまへなんだ、わからしまへなんだ、など。きんのの遠足には行かしまへなんだ、と既に分かっていること、自分の過去のことなどについては使わない。「へんだ」とも言う。さらに若者は、「へん」+「んかった」の「へんかった」を使う。
(ん)ならん、
(ん)なん
(ない)といけない、
(なく)てはならない、
(ねば)ならない、
(なければ)ならない
「せんならん」は「しないといけない」「しなくてはならない」の意味。盛り込まんならん、など。近畿圏で幅広く使われている語。縮んで「なん」。若者は「せなあかん」を使う。
(と)ちがう、
(と)ちゃう
(じゃ/では)ない これじゃないの?、は、これとちがうか?、になる。近畿で使う。その外側の地域で「(じゃ)ない」。
き(ぃ) きなさい、
おいで、きておいで
「来る」の命令形。アクセントによって、その程度を調整する。はよ食べてき、行ってきや、見てきぃな。
こう、こ(ぉ) こよう 来う。出してこ、は、出してこようっと、という意味。発音は「こぉ」。
み(ぃ) ごらん 「見る」の命令形。連用形命令。やってみぃや、ちょっと見てみぃ、いろうてみぃな。京都では、頭に丁寧な「お」をつけて、「見ておみ」「見とおみ」とも言う。
みい みなさい、みよ 「見る」の命令形。命令形命令。やってみいや、これ見てみい、いろうてみいな。
な、(ん) なければ、なくては、
ねば、ないと、
なくちゃ、なきゃ
否定助動詞「ぬ」の仮定形「ね」+助詞「ば」、「ねば」「にゃ」の転。ナ行音などの前につくと「ん」になる。せなあかん、行かな怒られる、もう寝な、せんならん。「なくては」の転じた「なくちゃ」や、「なければ」の転じた「なきゃ」は東京を中心とする関東方言。越後で「んば」。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【助詞】
てん、てえ てよ 軽い強要。後に「な」「や」が付く。「てえ」「てえな」の方が大阪的。ほら見てん、こっち来てぇ、あの服買うてきてぇ。
てん たのよ、たんだ(よ) 「たんや」の転。以前の状態、以前の完了を表す。「なにしてんな」は「なにをしたのよ」、「こない言うてんやろ」は「こう言ったのでしょ」。断定の「てん」と同じ。角の立たない言い方。
てん、でん・
とん、どん
ているの 「ているの」「ておるの」の転。「なにしてん」は「なにをしているの」、「なにしとん」は「なにをしておるの」。「なにしとん」という言い方は西日本で多く聞かれる。「る」が脱落するのは語尾での活用のみで、東京では「なにしやがんだよ」「行けんだよな」と語中で「る」が脱落する。
たん・だん たの・だの 過去疑問形。「た」+「ん」。テレビ見たん?、どこで遊んだん?
てんか、てんかい・
でんか、でんかい
ているのか・
でいるのか
朝から何もせんと声もせえへん思たらあんた寝てんか、わがだけで飲んでんかい。怒りを表す場合もある。「て」にアクセント。平坦アクセントの「てんか」は、「て」で終わる依頼命令に反語形式命令の「んか」がついたもので、別物。
(て)んと (て)いないで 「て」+「いん」+「と」。「いる」の否定形の「いん」。テレビばっかし見てんと勉強しいや。「(と)らんと」と同じ。
んと ず、ずに、ないと、ないで 後に続く語によって、打消順接の場合と必要義務の場合に意味が分かれる。必要義務の場合は「な」に置き換えることができる。天気予報見んと海へ行った、雨にも負けんと風にも負けんとそういう人に私はなりたりねん、早よ着替えんと風邪ひくで、もう飲み込んでしまわんとあかんで、など。
んといて ないで 禁止依頼。「んで」+「おいて」。濁音化しない。いけずせんといて、食べんといてな、来んといてもらえまっか。「とく」は「ん」とつながるが、「へん」とはつなぐことができない。
やんで、んで ないで、なくて 「いで」ともいう。他の人なんか見やんでうちだけを見ててや。遠回りしやんで良かったわ。言わんでもええか。言わいでもええがな。
もん もの 理由、などの他に、不平や不満、甘えなどの気持ちを込めての言い切り。あんたも早よ帰ってうちの子お風呂入れささなあかんもんなあ。せやかてあの人も持ってんねんもん。あいつなんかに負けへんもん。せやかて夏は暑いもんやもんなあ。「もん」は鼻音なので、前にくるラ行音は撥音化して「ん」になる。うちかてひとりでおつかい行ってこれんもん。
やも あいつ、何するやわからんさかいな。
やの なの 「なの」の転。名詞や形容動詞に付いて、主張や疑問、詠嘆を表す。落書きしたん誰やの。助詞「に」を続けて「やのに」で残念を表す。その卵焼き私のんやのに。
なん なの 「なの」の転。名詞や形容動詞に付いて、疑問や詠嘆、相づち、説明を表す。「やのに」のように助詞「に」を続けることはできないが、助詞「は」「で」「か」は続けることができる。落書きしたん誰なん、部屋が綺麗なんはいまさっき掃除したさかいやで、男や思てたけどおまえ女なんか。相づちでは、そうなん、そうなんか、とは言うが、そうなんや、とは言わない。そうなんや、と言う場合は、そうやねや、を使う。
(て)から、(て)からに て、たりして 「から」+接続助詞「に」。動詞のテ形に続いて、強調を表す。文末表現。あんたやったらでける子ぉやねやさかい、は、あなたはやったらできる子なんだから、せんど言うといてからに、は、さんざん言っておいて本当にもう、という意味。
「謎」の元である「なんぞ」は「なにか」、「どこぞ」は「どこか」、「なんぞいな」とは「なんやねんな」と同じ意味。なんぞええ話ありますやろか。いつぞやの人やな。お主、何者ぞ! 全国的に「か」だが、中東中国、四国で「ぞ」、畿内では「ぞ」「か」混在、沖縄、南琉球で「がら」など。
>
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【格助詞】
(が)、(の) が、(の) 「が」は主語を表し、後に続く動詞に付随する。聞き手が既に知っている内容の場合に用い、現象や描写、状態の対象を表す。足が四本も付いてる犬飼うてまんねん、あっ穴から汁が出てきよった、大阪弁が方言だす、ドーンいう音がして揺れた思たらあっちゅう間に火事や。語句と語句とを関連づける。大阪人は背が低うて足も短いのに歩くのんだけはえらい速いらしいそうやな。疑問文の場合は、疑問詞の後に置かれ、「が」の疑問文に肯定で答える場合は「が」を用いるが、否定で答える場合は「は」を用いる。あの先生が大阪弁教えてくれるのんか? せやあの先生が教えてくれんねん。あの先生は教えてくれへんわ博多弁の先生やで。どこが日本の首都に名乗り上げんのん? そら京都がやろ。一体何が言いたいねんな? 二人の結婚許してやったらどないやっちゅうのんが言いたかってん。見たことない人、気ぃきかんやっちゃ、というように、「が」に置き換えられる「の」も省略する。「が」は「の」の古い形で、「おらがまち」「剣が峰」「夕陽が丘」「体が伸びる猫」「飯がうまい店」の「が」は「の」に置き換えられる。東京式の標準語以上に、高い確率で省略されるが、丁寧に言う場合や強調して言う場合は省略しない。師匠が毎朝6時に起きやはる、先生が採点をすんねんわかった?先生がやで? わたいの作った料理食べられへん言うのんか。「は」と「が」については英文法の主語の概念とは異なり、主語の重要性は必ずしも絶対的とはいえはない。駿河で「ん」。
(を) 動作の対象や基点、通過する場所を表す。目的語の後につく「を」は省略される。水飲みたいねん、これ取ったって、あほなこと言いな、なにしてんねん、家出たんは五時前やねんけどまだ着いてへんのんかいな、橋渡って交番右曲がってちょっと走った左手の店や。九州や奥羽では「ば」、下野で「ごと」。
(と) と、(っ)て 引用表現において、省略される場合が多い。その人もうでけへん言わはってなあ。前から出していくいうことですのやろ。駐車禁止となっとりましたで。そんなん大阪弁ちゃう!
ん、の 所有者や所属を表す。鼻音の前にくる場合など、「なか」「とこ」などの前で「ん」に変化、または脱落する。わたいは浪花中学校の生徒だす、川ん中の魚、わてとこの犬、書類は社長とこ置いときます、子供時分そない思とりました、など。“きんののきょうやないかい”のように、特定の使い方をする場合は略さない。琉球で「ぬ」。
(へ) へ、に
for
動作や働きかけが向けられる方向や場所、相手などを表す。「経る」に由来。もちろん、「へ」と書いて「エ」と発音するが、「イ」とも。そこの辻で左へ曲がってや、学校へ行く、読み終わったらこっちゃの棚へ置いといて、生き別れの息子へ手紙を書く、など。近畿、山陽、四国、豊前、肥前、北陸、東山、東海、関東などでの言い方だが、さらに省略されることが多い。東九州や南関東などでは「に」、北関東、奥羽では「さ」、八丈島で「しゃん」、九州で「さん」「さい」「さね」など、江戸では上方色の強い「へ」を使っていたが、東京では九州色の強い「に」を使うようになった。琉球では「んかい」「かち」などと言う。
(に)、ん 動作の目的、相手や、存在の場所などを示す。鼻音「な」などの前で、「ん」に変化する。お世話んなります、朝から晩まで大阪弁の勉強ばっかしでいやんなるわ、地下鉄ん乗って行きまっさ、当番あしたから安井さんとこなるわ、この子になんの責任があんのん、犬に大阪弁を教える、など。省略する場合が多い。
「にて」の転。動作の場所、状態、手段、原因や、材料を表す。省略されない格助詞。風呂で寝てまう、うつぶせで寝る、風邪が2日で治った、カッターで指切ってもた、東京一極集中で大阪も地盤沈下、これで一件落着やな、市政は市民の税金で成り立っとりま。千円の買い物をして一万円札を差し出すとき「一万円でたのんます」というところを、「一万円から」と言うのは西九州の言い方。
罵倒に使う捨てゼリフ。「が」以下略。このすかたんが…! あほが。所詮5万石の小大名が。など。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【間投助詞】
のう、の ねえ 「なあ」よりやや古めかしい言い方で、使用頻度は「なあ」より低い。感動や詠嘆の意を表す。あかんのう、つかんのう、すまなんだのう、すまんの、など。西日本や東日本の日本海側で使われる。
感嘆詞の「なあ」から。確認、納得、状況把握。敬語との併用もあり、目上に対して使っても失礼にはあたらない。ほんでな、きついな、食べんといてな、そうだんな、暑うおまんな、など。命令形にも使われ、はよせんかいな、何してんねんな、などはやわらかい命令となる。語尾はのばさない。最近の若い女性は東京メディアの影響で、標準語の「ね」や、標準語でもなんでもない東国方言の「さあ」を使う人が増えており、雅な大阪弁の基礎が崩れてしまっている。ちなみに「ねえ」は九州、琉球、「なあ」は、近畿、「のう」は北陸、東海、中国、四国、奥羽、北関東、「さあ」は、奥羽、関東、東山、東海などの言い方。上京人であふれかえる東京では「ねえ」「なあ」「よう」「さあ」が混在している。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【終助詞】
よ、ぞ、
ぞよ、ぞい、(ぜ)
「ぞ」+「え」の「ぜ」の転。主張、確認。「よ」の転じた「え」は、江戸時代は大坂でも使っていたが、明治になって使わなくなった。行くで、知ってるで、あきまへんで、など。動詞や形容詞などの後には直接ついて活用するが、名詞や形容動詞などは「これで」「綺麗で」などとは活用せず、間に断定助動詞の「や」を伴って「これやで」「綺麗やで」という形をとる。「ぞな」や「ぞなもし」など、中国四国の語がこれに置き換わり、西日本の若者は「で」を使うようになった。成り立ちは同じだが、東京の「ぜ」とは意味合いが異なる。越前で「ざ」、加賀で「じ」、阿波で「じょ」、泉南で「し」、東国では「べ」。
係助詞「は」の転。「で」より弱い主張だが、もっぱら自分自身のことを述べる際に用いる。女言葉ではない。西日本を中心に、全国的に使われている実質的な共通語。東京でも、行ってくらぁ、と同系列の活用をする。「な」、「い」、「いな」などが後に続く。いま行くわ、やっぱしわからしまへんわ、毎日大阪弁の勉強してんねんわ、なんぼやってもあかんわい、そうですわな。標準語となるべき語。
様々な語の後について疑問を表す。おまえの嫁はん別嬪か、あんたもこれ食べるか、おまえか足踏んだんは、あしたも暑いんか、その話ほんまか。意向形の「行こか」「行きまひょか」などの場合は、疑問ではなく、行きましょうよ、行きましょうや、の意味で誘いを表す。「私が行きまひょか」というように話者が主語になる場合は疑問や確認の意味になる。今行くやんか、などの場合は半疑問形での念押し表現。河内、大和、播磨などでは「け」、泉南、能勢、中丹、若狭などでは「こ」。
主に罵倒語での発音。優勝したど、いてもうたるど、しばくど、獲ったど、など。「ぞ」と「ど」の混合による中間音。和歌山ではこれに限らず、すべて「ぞ」が「ど」の発音になっている。
ってば、
よ、や、の
人物名詞のあとについて、人を呼ぶ。橋本さんて、山本て、おかんて。発音は低音で「てぇ」。東京では「ったら」。
って(ば) 動詞、助動詞、形容詞のあとについて、強調、念押し、主張を表す。前の音を高く発音し、「て」は低く発音する。もうええて、今行くて、これやて、など。ただし、名古屋のように「知らんのかてぇ」のようには付かない。
って、と(さ/よ) 上項は断定なのに対し、こちらは伝聞。「て」を高く、または高低で発音する。昔々、おじいさんとおばあさんがおってんて。高橋さんとこのお兄ちゃん、なにわ大学受けるねんて。
って、と(さ/よ) 伝聞。「て」より古めかしい。昔々、おじいさんとおばあさんがおってんと。高橋さんとこのお兄ちゃん、なにわ大学受けるねんと。
-- 人の注意をうながす意を添える。語尾につくことが多い。あとで行くよってに、今見るさかいに、せんど言うといてからに、そんなことはあるまいに、よろしゅうに、よしなに、など。
のん 「の」に同じ。やわらかい調子で疑問などを強め、「か」などが続く。上方での言い方。東京のように疑問に「わけ」を使うことはない。なにしてんのん、景太郎はんがここがええのんか?ここがええのんか?てうちのこと…、なんでデートに親連れてくるのん? どない考えたはりますのんか。千代ちゃんはなんで飛ぶのん。「ねん」と比べてやわらかい表現。主に女性が用いる。筑前で「とな」、筑後で「っか」、豊前で「んか」「そ」など。
上項に同じだが、区別して使う。西日本で広く使われる語。どこ行くん?なんでホタルはすぐに死んでしまうん?九州では「と」。
「よ」の転。自発や質問などの意を強める。詠嘆の気持ちは後に続く「な」に込められる。「よ」のように相手をなじる意味は込められていない。京の女言葉「え」はさらに転じた新しい言い方で、京都では「そうどすえ」「なんえ?」と活用するが、現在の大阪では「そうだすい」「なんい?」とは言えず、「そうだっせ」「なんやねんな?」と言う。多く「かい」「わい」「じゃい」の形をとり、その後に「な」などが続く。東京では「だい」も使うが、断定助動詞の「や」には付かず、「やい」という言い方はせず、東京方言のように尻上がりに疑問文として使うこともない。
「ある」が転じた「やる」の命令形「やれ」の略。言葉の終わりに付けることで、命令敬語や連用形命令語などをやわらげる働きがある。「よ」のように相手をなじる意味は含まれていない。ハンカチ忘れんと行きや、ほかしとくんなはれや、持っておいでや、など。命令形命令語などのあとにつくと乱暴な印象を持つ。持って来いや、はよせんかいや、いてもうたれや、など。
上項と同じだが、動詞の意向形に付いて勧誘を念押しする。早よ行かな店閉まるさかい行きまひょや、いやや言わんと和子ちゃんもあしたの遠足行こうや。伊勢で「に」。
ーや・ーな よ・な 促し。要望を表す、動詞の連用形や、助詞「て」の後などについて、前の語を強調する。はよ行きぃや、ちょっとだまりぃや、もっと食べぇな、ちょっと待ってぇな、なんでぇな。前の音を伸ばして、連用形禁止命令の「食べな」「行きな」などと同音衝突を避ける。伸ばす音の前の音にアクセントを置く。「んかいや」「んかいな」よりはやわらかい言い方。
(i)で (u)んだよ 連用形命令に付く。ごめんは自分から言いで、はよ言いでんか、もう言いでんかいな。今では聞かなくなったが、主に女性が用いた。
が、
ではないか、
じゃないか
文末に付いて、念押し、強調を表す。断定助動詞の未然形「やろ」の後に続くことが多く、さらに「が」の後に、間投助詞「よ」の転じた「い」が付く。ほれ言うた通りでおましたやろが。さっきからそない言うとるやろがい!「がな」はこの「が」に「な」がついたもの。畿内を除く近畿とその周辺では、「やんか」の意味で使われる「が(ぁ)」も同じ系列の語。
がな ではないか、
じゃないか、
(ってば)、(とも)
主張、納得、了解を強要し、相手をたしなめる効果がある。確認、非難、発見、言い訳、励まし、残念。名詞や形容動詞には前に断定助動詞の「や」を伴って活用する。みな寝不足やがな、みな寝てへんがな、わてかて男やがな、わてかて男らしいとこ見せたるがな、おまえが遅れたせいでぼろ負けやがな、おまえが遅れたせいで負けてんがな、今からでもまだ大丈夫やがな、今からでもまだ間に合うがな、これでもう9連敗やがな、これでもう勝ち目のうなったがな。「があ」と訛る。播磨や志摩で「がい」、若狭で「やな」。
かいな(あ) かな、(た)っけ 「か」+「い」+「な」。詠嘆、疑問、推量、確認。「い」は「よ」の転。「やろか」より確認の要素が強い。あの服どこしもたかいなあ、きょうはすき焼きにでもしょうかいな、探してた本はこれかいな。「かい」を低めに「なあ」は高低で発音する。東京の「っけ」は、上方言葉のこの「かい」の訛り。
かい、かいな か、なのか、かね 「か」+「い」。「い」は「よ」の転。相づち、詠嘆、確認。誰でもええんかい、もう行くのんかいな、これもろてもええんかいな、あんたも負け組かいな、ほんまかいなそうかいな…、と使う。疑問の意味は薄い。低音で発音する。
かい、かいな わけない(じゃないか)、ものか 「か」+「い」。「い」は「よ」の転。意外性、驚き。ほんまかいな!そうかいな! そんなん食べれるかいな、は、そんなの食べれるわけないよという意味。アクセントは「か」。河内や和泉では「かれ」。
(ん)かい、(ん)かいな (ない)か 「か」+「い」。「い」は「よ」の転。反語命令や落胆を表す。持って来んかい、行かんかい、はよせんかいな、試合きょうも負けかいな。アクセントは「か」。播磨では「かいや」。
わい、わいな よ、わよ、ってば 「わ」+「い」。「い」は「よ」の転。「がな」に同じ。すぐ帰るわい、今行くわい、わいが運んだるわいな。
んか ないか・
くれませんか、
くれないか、
くださいよ
念押し。打消助動詞「ず」の連体形「ぬ」+助詞「か」の反語形式命令表現から独立した。未然形に付く「早よ言わんか」「野菜も残さんと食べんか」などの反語形式命令表現の他、対比の類推により、洗濯してんか、先行っといてんか、お茶も飲んでんか、言いでんか、等の助詞「て」を伴う依頼表現や、取ったりんか、早よ言いんか、等の連用形命令にも付く他、元々依頼表現の一段動詞「おくれ」、名詞の「ちょうだい」の後にも付いて、依頼や要求を強める。連用形命令の後にはつくが、命令形命令の後にはつかない。さらに語尾には「いや」「いな」がつく。「やんか」もこの「んか」。
やん (じゃないの)、
だよね、でしょ(う)
次々項「やんか」の「か」を除いたもの。名詞や形容動詞などにつく。反語形の確認、非難、発見、励まし、残念の表現で、親しげで軽い呼びかけとして用い、相手を軽くたしなめる。「やがな」に同じ。年寄りはいつも早起きやん、みんながやめよう言うてた理由はそれやん、このお湯温泉やん、今からでもまだ大丈夫やん、これでもう9連敗やん。疑問文の、あれ生駒山やん? は、あれ生駒山だよね? の意味。私て○○やん?という言い方もするのだが、特に相手に質問をしているわけではないので、自分の事なのにこっちに聞かれても知らんわ!と気を害さないように。語尾には「なあ」などがつく。東京での「じゃん」「なくない?」に相当。
やん (じゃないの)、
よね、でしょ(う)
次々項「やんか」の「か」を除いたもの。動詞や形容詞などにつく。「がな」に同じ。反語形の確認、非難、発見、励まし、残念の表現で、相手を軽くたしなめる。すぐしますやん、そんなんあかんやん、もうええやん、おまえさっきでける言うたやん、この温泉いけるやん、今からでもまだ間に合うやん、これでもう勝ち目のうなったやん。尻上がり調による疑問文の、夏はどこ行っても暑いやん? は、夏はどこへ行っても暑いよね? の意味になる。語尾には「なあ」などがつき、あんたもさっきの爆発見たやんなあ、は周知の意味合いも含め、見たよね、の意味になる。東京での「じゃん」「なくない?」に相当。
やんか (じゃないか)、
だよね、でしょ(う)
主張、納得、了解を強要し、相手をたしなめる。確認、非難、発見、言い訳、励まし、残念。断定助動詞「や」に、「はよ言わんか」などの反語形「んか」が付いた。「ではないか」の転じた「やないか」がさらに転じた言い方。年輩話者は「やないか」を使う。名詞や形容動詞などの後につき、「いな」などが続く。「やがな」に同じ。みな寝不足やんか、わてかて男やんか、おまえが遅れたせいでぼろ負けやんか、今からでもまだ大丈夫やんか、これでもう9連敗やんか。丁寧には、「やおまへんか」と言う。大阪発祥、畿内で用いる。東京が三河以東の東海方面から輸入した「じゃん(か)」に語幹が似ていて混同しやすいが、「ではないの(か)」という意味合いではないので注意。
やんか (じゃないか)、
よね、でしょ(う)
主張、納得、了解を強要し、相手をたしなめる。確認、非難、発見、言い訳、励まし、残念。「暑いのです」が「暑いです」になったように、「のや」+「んか」の「の」が脱落した。老年話者は「やないか」を使う。動詞や形容詞などの後につき、「いな」などが続く。「がな」に同じ。みな寝てへんやんか、わてかて男らしいとこ見せたるやんか、おまえが遅れたせいで負けてんやんか、今からでもまだ間に合うやんか、これでもう勝ち目のうなったやんか。大阪発祥、畿内で用いる。北陸、中京、中国、四国などで「が(ぁ)」。また、明日お客さん来るらしいねんやんか、と、本来なら「ねや(のや)」+「んか」となるべき形も、「ねや(ねん)」+「やんか」という扱い方もする。次項参照。
(ん/のん/ねん/てん/たん)やんかぁ (ん)だよ、(な)のよ 動詞、形容詞、形容動詞などの後に「のん」「ねん」「やねん」及び過去形の「てん」「たん」を伴い、状況説明や相手への訴えかけを強める。“聞いてよ”“それでね”と後に続く話をしっかりと聞いてほしい気持ちを念押す。私その犬毎日見るねんやんかぁ、私もその犬見たんやんかぁ、うっとこの犬食べるのん早いねんやんかぁ、きんのは珍しく静かやってんやんかぁ、と、「(た)のややんか」と「や」が重複するが、接尾語として後につく形になった。アクセントは「か」で、拍内降下するため「かぁ」と伸ばし、流暢に聞こえる。「やんか」より新しく、「がな」と同じではない。
(ん/のん/ねん/てん)かぁ (ん)だよ、(な)のよ 上項「やんかぁ」の弱音「やん」が脱落したもの。動詞、形容詞、形容動詞などの後に「ねん」「やねん」「てん」を伴い、状況説明や相手への訴えかけを強める。後に続く話をしっかりと聞いてほしい気持ちを念押す。もともと「たんや」は「てん」と言う言い方があるので、「たん」とは結びつかない。私その犬毎日見るねんかぁ、私もその犬見てんかぁ、うっとこの犬食べるのん早いねんかぁ、きんのは珍しく静かやってんかぁ。アクセントは「か」で、拍内降下するため「かぁ」と伸ばす。「やんか」系統では最新の語。「ねんわ」に近い。
やんけ じゃないか 「やん」+「か」+「い」。「い」は「よ」の転で、「やんか」と使い方は同じだが、「やんか」より少し荒々しく、柄の悪い言い方。羽目を外したとき以外には使わない。河内、播磨、大和国中、北陸などの言葉で、「か」が「け」になる。大阪人が雰囲気を出すために河内の言葉を借りたもの。東海で「じゃんけ」。
な、なや ないのだよ、
んじゃないよ
「な」+「や」。禁止命令の「な」に程度を和らげる「や」がついた。連用形で接続するのがポイント。変なとこ触りな、もうあそこへは行きなや、もう落書きしなや。子供をなだめ叱るときなどに。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【副助詞】
とは とは、(だ)なんて そない思われてたとは思わなんだ。
なんか なんか、(だ)なんて 罰ゲームなんかやりたないわ。温泉なんかどないやろ。
なんか、
なんぞ、なぞ
なんか、など 等、抔。軽く扱ったり、柔らかく述べたりする。「なにと」「なんど」「など」「なぞ」「なんぞ」の順に転じた。庭なんかに咲いてる。御堂筋なんぞが近いで。東京のテレビなんか見るかいな。東京では「とか」が優勢。
か、(だか) 不確か。「やら」の転。なに言うとんのんやら、なんやなあ、なんのことやわかれへんわ。大阪弁とやらを勉強してみた、という場合には「やら」を使う。全国的に「か」だが、北奥羽や西東海、東京などで「だか」、四国、中国、北陸などで「やら」。
ばっかし、ばっか ばかり、ばっかり
only
光、只是、仅仅
許し。中高年は「ばっかし」、若者は「ばっか」を使う。この魚骨ばっか、私ばっかし狙われるねん、など。瀬戸内一帯では「ばー」。
かて、かって だって、でさえも、
でも、も
「かとて」「かてて」の転。接続助詞「かて」より転用。名詞につく。これかて使お思たら使えるがな。わたしだって女の子なのよ、は、うちかて女の子やねんで、あれもそれも駄目だよ、は、あれかてそれかてあかんわ、になる。
ても、でも ても、でも 悲しゅうても苦しゅうても負けへんもん。ちょっとくらい飲んでもわからへんがな。「たって」「だって」は東京の方言。
て、で ても、でも 許可表現において、助詞「も」を省略する。ピーマン残してええか。あしたは5時に起きんでかましまへんで。
くらい くらい、ぐらい 位。これくらい入れといたらええやろ。「ぐらい」と濁るのは、関東色の強まった東京の言葉。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【係助詞】
(は) 提題助詞。「は」は主題や題目を表し、後には何が続いても良い。聞き手が知らない内容の話を初めて話す場合に用い、説明、判断を表す。うちおなごやねん、うっとこの犬は四本足で歩いてまんねん、大阪弁は方言だす。疑問文の場合は、疑問詞の前に置かれ、「は」の疑問文に肯定で答える場合も否定で答える場合も「は」を用いる。これはヒラメだっか? これはヒラメだっせ。これはカレイだっせ。あれ何や? あれは建築中のビルや。ここどこやねん? ここは大阪や。逆接条件などを伴って対比を表す。落語はひとりででけるけど漫才はでけへんな、晩御飯だけはよう食べまんねん。東京式の標準語以上に、高い確率で省略されるが、強調して言う場合は省略しない。おまえはおまえや。師匠は毎朝6時に起きやはる。“大阪は北区の大淀にお住まいの方からのお便りだす”“この豪邸100坪はありそやなあ”“夏はビールや”“部長は東京や”“このプレゼントはお前か”“これで安心は安心やけどな”のように、特定の使い方をする場合は略さない。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【並立助詞】
やら、や とか、だとか、だか、だの 例示列挙。「にやあらむ」の最終形態。いくつかの物事を並べ上げる。あれやらこれやら。何言うとんのやら。誰が誰やわからん、と「ら」を省略することもある。
かどうにか、
かなんとか
「か」以下略。この邪魔なん、どっかやるかせなあかんで。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【準体言助詞】
のん(が/で/に/を) の(が/で/に/を)、
のもの
活用語について名詞の代わりをする。こない重たいのん持たれへんわ、わしは若いのんがええねん。体言について「のもの」を表す。その髪飾り私のん。全国的に「の」「ん」だが、北北陸、土佐で「が」、越後で「がん」、出雲や信濃、東海の一部、南琉球で「もの」「もん」、長門、九州、北琉球で「と」、筑後で「つ」、羽後で「やつ」。
ん(だす) --(です) 活用語について名詞の代わりをし、特に形容詞と断定助動詞とをつなぐ役割を果たす。その場合は、理由を表す。山は高いんだす、昔は若かったんだす。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【接続助詞】
かて、かって (た)って、(だ)って、
ても、でも、も、
といっても、
にしても、としても、
(といったって)
even
连他、不管他、也
「かとて」の転。逆接条件。多く動詞の過去形につくのがポイント。今さら行ったかて間に合わへん、そない心配せんかて戻ってくるがな、雨が降ったかて行きまっさ。「たかて」は「ても」と全く同じではないため、私が先に食べたかてええか? のようには使えない。その場合は「て(も)」を使い 、形容詞では「ても」、名詞や形容動詞の場合は「でも」を用いる。「かて」より「かって」の方が古い形なのだが、東京の「たって」につられて「かって」を使う若者が多い。
でも でも、だって、
であっても
であっても。そんなんいつでもええがな。
よって、よってに から、ので 順接。そうやよってにあない言うたんやで、すぐ行きますよって、など。古くは「よってで」とも言い、「そうやよって」は「そうやによって」とも言った。大阪では「よってに」「さかいに」両方使うが、京都では「よってに」は使わない。
さかい、さかいに から、ので 順接。活用語の連体形を受ける。「けに」の誤れる回帰である「かいに」に、「し」と同系語の「さ」がついて生まれた。「よって」と同様。雨降るさかいきょうはやめとき、あした行くさかいな、せやさかいに、など後に続く言葉を省略することも可能。理由、説明、念押し、言い訳、納得、などの意味が含まれる。古くは「さかいで」とも言った。京都では「さけ」と訛るが、大阪では「はかい」「さかえ」「はかえ」と訛る。南大和で「すかい」、播磨や紀北、近江などで「さけー」、紀伊で「さか」、但馬で「しけー」、北陸や北西奥羽で「さけー」「はけー」、越後で「すけー」が話され、和泉や大和で「よって」、越中呉東で「さからいに」、「から」は関東や南東奥羽、甲斐、伊豆の言葉で、日向で「かり」「かい」、北近畿や伊勢、東海、東山、南九州などでは「で」、信濃で「で」「に」、中国、四国、北九州では「けん」「けー」「きに」「きー」など「けに」系が使われる。奄美、宮古で「ば」、沖縄で「くとぅ」「く」、八重山で「きい」「ば」「ふいりゃあ」など。上方では東京との交流が西日本の他の地域と比べて多かったため、若者だけでなく年輩層でも「から」を使う割合が高くなっている。
んで、のんで ので
because; as;
since; because of;
on account of;
owing to
順接。体の具合が悪かったんで、今日は学校休みます。前に「ん」がくる場合には「ので」「のんで」になる。中の人をびっくりさしたらあかんのんで、扉を叩くのんはやめときまひょ。「さかい」のように後に続く言葉を省略しないため、順序をおった説明に適し、言い訳などには不向き。
し、だから、なんだから 順接。故に。主に終助詞的に活用し、理由、強調を表す。標準語のように並列の要素を含まなくても用いる。嬉しそうな顔してやるしなあ、うち行くのんいややし、おまえなんかもうええしぃ、あいつ逃げるのんだけはめっちゃ早いしな、この指示書わっけわっからんしぃ! 文末につく場合は語尾を伸ばす。通常アクセントは低音だが、嫌味として言い放つ場合は、文末での言い切りに限り高音で発音する。「さかいに」の「さ」と同系列語。京都では、きょうは暑いし行かへん、のように「さかい」と同じようにも活用する。
やから なので、だから 断定助動詞「や」+東京の影響を受けた「から」。これやから困るねん。「やさかい」「やよって」というのが正統な言い方。やから言うたやろ、と文頭で使うのは更なる誤り。
ちゅう という、ていう 「という」の転。なんちゅうこっちゃ。ちゅうこってすねん。はよせえっちゅうてんねん。あっちゅうま。助詞「と」を省略して「いう」と言うこともある。母音の無声化が起こる東京では「いう」が脱落し「て」、関東では「つう」と直音化する。
やな、やんと ないと 「や」は「やる」の連用形「やり」の略、「な」は「ねば」の転。しないといけない、は、しやなあかん、しやんとあかん、早く食べないと、は、はよ食べやな、はよ食べやんと。「や」を省略することもある。
やんと、やずに ないで、ずに 「や」は「やり」の略。寝ずに聞いてくれた、は、寝やずに聞いてくれた、となる。「やんと」のほうが新しい。「や」を省略することもある。
や、やと、やて だと、だって 断定助動詞の「や」。文中の「と」は省略される。わてもこっちが先や思いますわ。せやさかいこれや言うたやろ。なんやとこら。なんやて!?もっぺん言うてみい!
けど が、けど 「けれども」の最新形態。逆接。政治や経済は東京に行っとりまっけどほんまもんの都は東京ちゃいまんねん。文末につく場合は、言い切りを避け、相手に話す猶予を与える効果がある。ゴミの日ぃきんのですけど、ここ置いときまっけど、たしかに安いけどまだ高いなあ。また前後の意味に逆接の要素がなくても用い、前置きとして後の文の気をひかせる役割を持つ。朝から眠たそうに見えまっけどどないしやはりましたん? 毎日面接行ってるらしいけどなかなか採用されへんらしいねんてなあ。近畿、北陸、中国、東海などでの言い方。四国や東九州、関東で「けんど」、南奥羽で「けんども」、中奥羽や越後、出雲、肥前の一部や南九州で「ども」、西九州で「ばってん」「ばって」、北奥羽で「ばって」「ばて」、南奥羽の一部や西東海、石見、安芸、周防、八重山で「が」、奄美で「ばん」、沖縄で「しが」、宮古で「しが」「ままい」という。書き言葉の「が」は、「○○まんねやが」など以外には使わない。東京では、丁寧に言う場合「けど」を「けれど」「けれども」に替える傾向があるが、大阪では「だす」「ます」を付け足して「だっけど」「まっけど」になる。
(たは/たんは)ええけど (た/てはみた)ものの 家買うたんはええけど、失業してもうたんや。
たら、だら、
たぁ、だぁ
(u)と、(e)ば、(i)ゃ、
たのであれば
※次項
「たならば」の転。仮定。順接条件の最新形態で、優先的に「たら」を用いるが、「と」も場合によって併用する。そう言えば、は、そない言うたら、住めば都、は、住んだら都、なぜなら、は、なんでか言うたら。「行かなんだ」は「行かなんだら」になる。「行ったら」「行きゃ(あ)」「行けば」「行くと」の順で新しい。音便化して「言うたぁあかん」「好きなようにやったぁええやん」と言うこともある。近畿や四国、奥羽などで使われる。関東、九州、琉球、などでは「ば」、南奥羽では「と」。江戸、薩長土肥、上方、関東、書き言葉の各色が混在する東京では、“先に窓口へ行くと早く終わります”“先に窓口へ行けば良かった”“時間までに行けなかったらどうしよう”“あなたが行くなら私も行きます”のように、「行くと」「行けば」「行ったら」「行くなら」を使い分けるが、「行けば」を多用する。古い言葉は書き言葉となり、次項はあまり言わない。
きゃあ、きゃ けば 行きゃええねやろ。大阪では使われない言い方。
しゃあ、しゃ せば 出しゃあええねん。大阪では使われない言い方。
ちゃあ、ちゃ てば 打ちゃあ響くねん。大阪では使われない言い方。
りゃあ、りゃ れば やりゃあええねやろ。大阪では使われない言い方。
やあ、や えば ああ言やこう言う、言や言うものの、など特定の言い回しのみで使われる。
と(は) では、じゃ 後に打ち消しの言葉「ちがう」が続く。おなごが相撲とるもんとちゃう、頼んでたんはこれだけとちゃう。
では では、じゃ 「で」+「は」。後に可能の打ち消しを伴う。工場もこのままではあかんわ、月収5万円ではやっていかれへんわ、仕送りなんかもしてたらなおさらやっていけるわけあれへんやろ。次項の「や」と使い分ける。
では、じゃ 東京の標準語と同じように用いる「○○じゃない」の「じゃ」から転じた。後に存在の打ち消しを伴う。探してたんそれやおまへんか、そない言うもんやあらへん、遅いやないかい、など。「では」「とちがう」と使い分ける。
やったら だったら、じゃ、
では、なら
であったらならば。見てるだけやったらあかんやろ。大阪やったら左を空ける。そんなことでは高校行かれへんで、と「では」も使うが、「じゃ」「や」は使わない。
「は」の転。あとに必ず打ち消しの言葉が続く。行きやへん、死にやへん。
って(ば)、と、とは、は 「って」とはならない。今あほて言うたな。なんでやねんてなんでやねん。おまえマウクヮリマクヮてわかるか?
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【接続詞】
せやかて だって、でも、
そうだけど
「せや」+「かて」。年輩者は「しゃあかて」。もっぱらサ行がハ行になる大阪弁だが、「せや」だけはサ行のまま。子供は東京の影響を受けた「だって」で言い訳をする。
せやけど だけど、そうだけど、
しかし、それにしても
I know but; though
逆接。そうであるけれども。「せやねんけど」も同じ意味。前の話の内容に対して逆のことを言う場合の前置きとして使うが、前の話から間が開いていたり、話と話の間に別の話題が入った後に話し始めた際の、クッション的な役割としても用いることがある。わては和子はんが好きだす、せやけど晶子はんとは離れられしまへん。せやけど今年の冬はえらい雪降る言うてますがな。しゃあけど大阪弁ちゅうもんはええもんやなあ…。年輩者は「しゃあけど」とも言う。
せやさかい(に) だから、そうだから 順接。「せやから」は東京の標準語の影響を受けた語で、「せやさかい」が正統な言い方。また、年輩者は「しゃあさかい」と言う。
せやのに なのに、そうなのに、
(だのに)
そうであるのに。逆接。残念。年輩者は「しゃあのに」。
せやったら それなら、だったら、
それじゃあ、じゃあ
そうであったならば。仮定。
ほな、ほなら、
ほんなら
それでは、そしたら、
それなら、
それじゃあ、じゃあ、
すると
「それなら」の転。仮定。使用頻度の高い語。「ほんだら」「んなら」という場合もある。
ほしたら、ほいたら、ほたら それでは、そしたら、
それなら、
それじゃあ、じゃあ、
すると
「そうしたら」の転。仮定。「なら」より「たら」の方が新しい言い方。
ほなあれか じゃあなに 前の話を理解した上での意見を述べる前置き。ほなあれですか、私が道に迷うたんはこの地図が悪かったんやのうて私が単に方向音痴やっただけやっちゅうことでしてんな、あっはっは。ほなあれか、この日本が悪うなったんはみな大阪のせいや言うんか?
それが、それがやな ところが 前の事柄に対して、予想や期待とは逆の内容を述べはじめようとするときに用いる。あしたは同窓会や、先生も来んねやろ? それがやな、先生来えへんらしいのや。
ほんで それで
and; and so; well; in that case;
I'm all ears; do tell
因为、所以
そして。「ほいで」「ほえで」、鼻から息が抜けて「んで」ともいう。ほんでどないしてん。んでな、そこで落語聞いてたらやな、入れ歯飛んできてんで。ほんで?
ほんでも それでも
but; anyway; though
「ほいでも」「ほえでも」ともいう。ほんでも値段の高っかいのんにはびっくりしましたわ。ほんでもなあ。
へてから それから、そして 「そしてから」の転。「ほてから」「ほんでから」なども同じ。
しかし それにしても、
まったく
but; though
逆接。文頭に来る場合は「それにしても」、文末に来る場合は「まったく」の意。しかしあれやな。頼むでしかし。怒るでしかし。「せやけど」に同じ。
へたしたら 最悪の場合 へたなことをしたら。起きてほしくないことが起こった場合。10分で行けるとこ、へたしたら20分かかるかもわからんな。へたしたら姉ちゃん来てるかもわからんしな。予定日はあさってやけど、あっちゃこっちゃ動いとるさかい、へたしたらきょう産まれるで。
しかも四つ足 しかも
and
接続詞の「しかも」と「鹿も」をかけてあり、後に続く「四つ足」に意味はない。“なすがまま、きゅうりがパパ”などと同じような語呂合わせで、急な方向転換で笑いをとる。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【一般形容詞】
形容詞の終止形、連体形の活用尾。はやい、おもろい、うつくしい。九州では平安時代の「き」の転じた「か」、八丈島で「け」、北琉球と八重山、与那国で「さ」+「あり」の「さり」「さん」、宮古で「き」+「あり」の「かり」。
形容詞の連用形の活用尾。はよう行く、きつう結ぶ、うつくしゅう見える。西日本での活用で、東は越後、飛騨、西三河まで広がっている言い方。畿内では伸ばさず「はよ」「きつ」「うつくし」と縮めて発音する。あいさつの「おはよう」「ありがとう」などもこの活用から。関東、奥羽では平安時代の「く」。
かったら ければ 形容詞の仮定形の活用。「き」+「あったらば」。東京では、「ければ」と「かったら」が混在しているが、上方では「かったら」のみ。高かったら買えへん、要は安かったらええねやろ、早かったら来週中にでも届く思いまっけど。越後では「いば」。
かって くて 形容詞の連用形の活用。「き」+「あって」。東京式では、過去形の「た」のときのみ「はやかった」「やすかった」と「かっ」でつなぎ、「て」の場合は「はやくて」「やすくて」でつなぐが、上方では「はやかった」「はやかって」「やすかった」「やすかって」と両者とも「かっ」でつなげることが可能。「はやくて」「やすくて」の場合は「はようて」「やすうて」になる。
(o)ない、
(い)ことあれへん
くない 無い。事有れへん。形容詞の否定形。京都、大阪、大和での言い方で、「高い」の否定は「たこない」、もしくは連体形で「高いことあれへん」となる。「たかない」とも言う。奥羽、関東、信濃、東海で「高くない」、東海から武蔵、常陸にかけて「たかかない」、越中、伊勢、山陰で「たかない」、越後で「たあこうない」、近畿、北陸で「たこない」、中京、中国、四国で「たこうない」、東南九州で「たこうはない」、西九州で「たこうなか」、奄美で「たあさあねん」、沖縄で「たかこうねーらん」「たかこうねん」、宮古で「たかあはねーん」、八重山で「たかさーねーぬ」など。
(い)こと、(い)とこ 事。所。形容詞の連体形。京都、大阪、大和での言い方で、上項の否定表現に限らず、形式名詞を伴う活用をする。「うまくしゃべれない」「早く言ってくれたらいいのに」「遠くまで見えるよ」などの場合も、「うまいことしゃべられへん」「早いこと言うてくれたらええのに」「遠いとこまで見えるわ」のように使う。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【属性形容詞・性質形容詞】
ええ よい、いい
nice; good
好、好的、棒、讃、很好
良え、好え、善え。「よい」は「えし」の転で、連母音の融合でさらに「ええ」と変化した。東京や東日本の「いい」はさらに訛ったもの。標準語はあくまでも「よい」。これでええですか?、うちはそれでええですよ、もうええですわ、と単純に置き換えるだけでは成り立たず、こんでよろしい?、うちはそんでかましまへんで、やっぱしうちはよろしいわ、と言い、「ええです」とは言わない。東京の賞賛返答「いいねえ」のような使い方はしない。東日本では「い」が語幹となって「いかった」「いくなる」、西日本では「え」が語幹となって「えかった」などと活用しているが、畿内では「よい」の場合のみ「ええ」に変わる。「よかった」「ようなる」「ええ」「ええとき」「(よければ)」の特別活用。「いい」は北奥羽、関東、東九州、沖縄の言い方で、「よい」は北近畿と北陸の言い方、九州で「よか」、「ええ」はそれ以外の西日本での言い方。
よろしい よろしい、
よい、いい(です)、
結構、構わない
may; O.K.; all right;
good; fine; very well;
No, thanks
宜しい。「寄らし」が語源。もともとは「まあだいたい良い」という意味で「良い」より良さの度合いが低かったが、現在は「ええ」よりも丁寧な言い方として用いられ、丁寧な言い方を好む大阪では普段から頻繁に用いる。船の旅ちゅうもんはえらいよろしいもんだんな。小学校の授業でテストや宿題の答え合わせをする際には、発表する子の解答が正しければ、クラス全員で「よろしい」と言って答え合わせをする。許可を求めたり与える表現でも用いられ、お皿下げてよろしおまっか、へえよろしおま、などと使う。活用形の「よろしく」が転じた「よろしゅう」は、「まあだいたい良い方向性へ」という意味から挨拶語となった。初めまして田中と申しますよろしゅうおたの申します、ほな師匠によろしゅう言うといて。
ごつい、ごっつい すごい、
ごつごつした
big; extremely; really
不錯、了不起、好棒、非常
「ごつい」が変化したもの。ごっついおっさん、昔は体ごつかってん、ごっつぅ早かった、なんかごつみがあるな。東京メディアの影響で、もはや「すごい」とも発音できない「すげー」を話す若者も現れている。
ものごっつい ものすごい 「もの」+「ごっつい」。「ごつい」の強調。今年から税率変わったやろ、ものごっつ引かれてんねん。
こまい 小さい、(こまかい) 細い。播磨、山陽や四国、九州で優勢だが、もともとは近畿以西で使われいていた。網目などがこまいことは「こまこい(細かい)」と言って区別するようになった。けつのあなのこまいやっちゃ。なんや狭いとこにこまごましとんなあ。
ちいこい、ちっこい 小さい 小こい。接尾語の「こい」がついたもの。「ちんこい」とも言う。京都で優勢。甲斐や北信濃で「ちっくい」。
ちさい 小さい 「ちいさい」の実際の発音。長母音の短呼化。あんたのちさかった時分はコンピュータなぞあれへなんでんで。
ちいちゃい、
ちっちゃい
小さい 小ちゃい。子音の破裂が強まり「ちっしゃい」からさらに転じた。ちいさい、ほそい、こまかい、を区別する三語体系。ちっちょうなってしまわはった。実は、「ちいさい」や「ちっちゃい」は東日本に多かった発音。大阪中心部では特に「ちっちゃい」が優勢。
ちまい、ちんまい 小さい 「ちま」「ちまちま(する)」の形容詞化。「ちいさい」の「ち」に、「こまい」の「まい」がついた語か。
でまい、でんまい でかい 本来の上方語「ど」+「いかい」が関東で訛り生じたのが「でかい」。その「で」に「こまい」などの「まい」を付けた語か。
いかい 大きい 厳い、大い。規模、程度などが大きい。「いっかい」と言う。近畿各地で使われていたが、今ではほとんど使われないが、特に京都や近江、南北陸、東海、東関東で用いる。北北陸、東山、西関東の「でかい」の元になった語。西四国や九州では大きいことを「ふとい」と言う。
おっきい おおきい
big
大きい。「おっけえ」と訛る。おおきい、ふとい、あらい、を区別する三語体系。全国共通の語で、近畿の他、奥羽でもこの発音。大阪では「いっかい」よりも使う頻度が高い。淡路、阿波、讃岐では「おっきょい」、伊予、土佐、東九州では「ふとい」、西九州では「ふとか」、山陰や長門では「おおきな」、磐城、岩代で「ずない」、琉球では大きいことも太いことも区別せず、奄美で「うふぃさん」「うふぃはん」「ふいさん」「ふいはん」、沖縄で「まぎさん」、宮古で「うぷ」、八重山で「まいさん」という。
ぶっとい ふとい 太い。ぶっとい木ぃやなあ。西四国や九州では、太いことも粗いことも区別せず「ふとい」と言い、山陰や長門では、大きいことも太いことも区別せず「おおきな」と言う。
いかつい -- 厳つい。人や物の形がごつごつしていて、柔らかみがないこと。いかついおっさん、いかついツッコミ。
のそい おそい 「のっそり」と「遅い」の混交語。のそのそと遅いこと。使用頻度はきわめて低い。
あかい あかるい
亮、開郎
明い。平安時代には「あかし」と言っていた。「赤い」と同語源。若狭、近江、大和以西で使う。まだ空あかいわ。動詞の「あかる」に形容詞の「い」をつけたのが「あかるい」。
ねばい、ねばこい ねばっこい 粘い。粘こい。ねばるの形容詞化。ねばねばしている様。
すじこい -- 筋こい。抜け目がなく一筋縄ではいかない様。
しるい ぬかっている 汁い。水気が多い、水っぽい、ぬかっている意。「じるい」「じゅるい」とも。雨で道もしるうなっとるし気ぃつけなはれや。甲斐以西の西日本で広く使われる語。「ぬかる」は関東方言。
水くさい (塩味が)薄い、
よそよそしい
cold; indifferent;
unconcerned; distant
汁物などの塩加減が薄いこと。近畿や中京、阿波での言い方で、最も新しい。関東や土佐で「うすい」、北陸で「しょうむない」、その他の東日本や中国、北四国で「あまい」、九州で「あまか」、琉球で「あまさん」「あまさり」、宮古で「あまーん」などと言う。東京の「水ぽい」と同じ。気の抜けたおいしくない料理についてもいう。人間関係がよそよそしい、他人行儀な、という使い方もここから派生した。
ばっつい 分厚い 一部の年輩層で使われる。
しょぼい、しょぼこい へぼい 貧相な様。不出来なものを指していう言葉。しょぼくれている。
べたこい 平べったい、平たい、
薄っぺらい
薄くて平らなこと。「へべたい」とも言う。「ひらべったい」と言うときは、「ひらべっちゃい」と発音する。
さくい 裂けやすい、
壊れやすい、もろい
裂くい。裂けやすいの他、脆弱な、の意味でも使う。やや古めの言葉。
やにこい もろい 脆弱で壊れやすいこと。
ちゃちい、ちゃっちい もろい、やわい ちゃちであること。すぐに壊れてしまいそうなこと。「ちゃっちい」ともいう。
弱っちい 弱々しい 弱々しい様。弱っちいやつ。
ぐずい -- 愚図い。「ぐず」の形容詞化。駄々をこねる様。ぐずいこと言うてんと行くで!
げすい -- 下衆い。「げす」の形容詞化。下品な、下劣な、の意。人の性質や動作について用いる。
げさくい -- 下作い。「げさく」の形容詞化。下等な、粗末な作品、の意。物について用いる。
さんかくい -- 三角い。「三角」の形容詞化。このおにぎり、さんかくいなあ。一部の人のみが使う。
じょうぶい -- 丈夫い。「丈夫」の形容詞化。この竹、じょうぶいわ。
はよ、はよう 早く
quickly; soon
早よ、早う。覚えておきたいウ音便語。はよしいや、はよ食べな、はようおいで。
きれ(く) きれいに 綺麗く。「綺麗」の形容詞的活用。きれして、きれなる、きれかった。「きれくする」のウ音便形である「きれゅうする」は存在せず、「きれする」または「きれぇする」と言う。掃除をすることを「きれいにする」と言うが、近畿、北陸、中京、九州などでの元々の言い方は「うつくしゅうする」だった。讃岐、遠江で「結構に」「結構く」、筑前、肥前、日向で「立派に」「立派う」、陸前で「さっぱり(と)」、北琉球で「ちゅらく」「きゅらく」「きょらさ」、南琉球で「かいしゃ」という。「きれい」を形容詞風に見立てるのは、「みたい(に)」を形容詞に見立てて活用する、磐城岩代方言の「みたく」と同じ。
ちがう(く) ちがう(ように) 東京の影響を受けた「ちがう」の形容詞的活用。状況説明の動詞だが、形容詞に非常に近いため、このような活用がされるようになった。ちがうくしてや。語幹は「ちがう」。もと磐城岩代方言。
ちがう(かった)、
ちゃう(かった)
ちがっていた 違うかった。「ちがう」の過去形。動詞だが、形容詞に非常に近いことから、形容詞風の過去形になった。本来は「ちごてた」「ちごとった」と言う。若者言葉。もともと磐城岩代方言で東京が北関東経由で持ち込んだ「ちがかった」は、「ちが」が語幹になっている。
濃いい 濃い
語幹が1音であると発音しにくいためか、「濃い」が語幹となった。濃いくなる、濃いなる、濃いぃなる、濃いそう、濃いすぎる、濃いめ、濃い口。終止形の発音は「こい」。ウ音便の「濃うなる」は使わない。西日本で多い。
多いい 多い これも同じく、「多い」が語幹で、発音は「おい」。多いくなる、多いなる、多いぃなる、多いそう、多いすぎる、多いめ。終止形の発音は「おい」「おおい」。西日本で多い。羽前で「うがい」。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【感情形容詞】
おもろい おもしろい、
楽しい、愉快(な)
great; fun;
entertaining;
exciting;
interesting;
charming
有意思、有趣
面白い。「おもしろい」の転。目の前がパッと明るくなる様子から。興味深い、おもむきがある、という意味。「おもしろくない」は「おもんない」。遊園地どうやった? に対する返答は、楽しかった、ではなく、おもしろかった、と言う。楽しんできぃやとは言うが、楽しかったと言うと現実味が薄く感じられる。「○○と愉快な仲間たち」や「おもしろ○○大集合」のような使い方もしない。大阪人は、格好悪い、ださい、と言われるよりも、おもんないんじゃ、と言われた方が精神的ダメージが大きい。この「おもんない」は、人を笑わせることが得意でないおとなしい人に対してというより、むしろすぐにカッとなって怒り出す人やうじうじねちねちしてばかりいる人、頭の堅い人など、良い雰囲気を作ることのできない人に対して使う場合が多い。和泉や和歌山や羽前などでは「おもしょい」「おもしゃい」を使う。
えらい 立派な 偉い。「えらい」のうち、東京にまで伝わった語。ひとりでできるようになったんか、えらいやっちゃ。
えらい すごい、大変な 主に副詞的に用いる。えらい人やな、えらい目におうたわ、えらい顔になってもうて。
えらい 疲れている、疲れた、
だるい、骨が折れる、
つらい、くたびれる
累了
苛い。畿内を除く西日本の語で、東は甲斐まで広がっていた。「しんどい」の前の語で、畿内の中心京阪では「しんどい」が主流。北関東、奥羽、北海道などでは「こわい」、東東海や西関東などで「かいだるい」「かったるい」(体怠い)など、九州で「きつか」、東九州で「よだきい」。
しんどい 疲れている、疲れた、
だるい、骨が折れる、
つらい、くたびれる、
苦しい
累了、全身無力
「心労」「辛労」が転じた「しんど」の形容詞化。疲労を表す。畿内京阪の最新の語で、中国、四国、中京で「えらい」、伊勢、東東海、西関東で「かいだるい」「かったるい」、関東で「つかれる」、中国、西関東、信越、西奥羽で「くたびれる」、東関東、東奥羽、北海道で「こわい」、西九州「きつか」、土佐、東南九州で「だれる」で、上方から遠いほど古くなる。しんどいの用法は数多い。
いじましい じれったい、
はがゆい、
いまいましい
くやしい、
むかつく
思う通りにならなくてくやしい様。思うようにならなくて気が滅入ってしまう様。してやられて、ああいじましい!「ちましい」とも言う。
かいい かゆい
痒痒、癢
痒い。「かいい」と言う場合は「かい」と発音する。蚊ぁに噛まれてかいかいかい!
すけない すくない
很少、少
少ない。
さぶい さむい
cold; chilly; chill;
freezing
寒い。笑わせるのに失敗して場の雰囲気が冷めてしまったときも、この「さぶい」を使う。
うそ寒い 薄ら寒い、肌寒い 少し寒いこと。「うそ」は不確定の意味。
むつかしい むずかしい
difficult
又隹、困難
難しい。伝統的な本来の発音。江戸でも「むつかしい」と言っていたが、関東訛りが強まって、「むづかしい」と濁った。「私ってかわいい?」「微妙…」という東京の若者言葉も、「どない?かえらしなったやろ?」「むつかしな…」と言い換えられます。
むずい 難しい
difficult
又隹、困難
「むずかしい」の短縮形。東京の影響を受けた若者言葉。中高年は「むつかしい」を使う。
きぶい きびしい 厳い。「きびし」の転。あの時間までにこれ届けんのんはきぶいな。わてのお師匠はんはきぶいお人だした。あまり聞かれなくなった。
さびしい さびしい、さみしい
寂寛
lonely; lonesome;
desolate; deserted;
dreary; solitary
寂しい、淋しい。語源は「さぶし」で、「さびしい」から「さみしい」が派生した。奥羽、西南九州で「とぜんない」、北北陸で「あいそもない」など。
ねぶたい ねむい、ねむたい
眠たい。ねぶた目なんかしてへんわ。風呂入らなあかんさかいもう帰る?ほんで仕事間に合いません?なにねぶたいこと言うてんねん!
けぶたい けむい、けむたい 煙たい。上方では千年以上も前から「けぶ」と発音していた。
おとろしい おそろしい 怖ろしい、恐ろしい。「おそろしい」の転で、恐怖感を表す。和泉や南近畿、淡路、四国、北陸などで使う。大和の奥吉野では、恐怖という意味の他に、面倒くさい、疲れた、うるさい、という意味でも使われる。
こわい こわい、おそろしい
可怕
恐い。怖い。「おとろしい」よりも新しい言い方で、近畿、特に京阪の中心部で使用する。で使う。南近畿、淡路、四国、北陸では「おとろしい」、遠江、信濃、越後以東の東日本で「おっかない」、飛騨、美濃、尾張、三河で「おそがい」、東中国で「きょうとい」、西中国で「いびせい」「いぶせい」、東九州で「おぞい」、西九州で「おとろしか」、北九州で「えずか」と言い、北琉球でも「うとぅらさん」「うとぅるしゃん」と、「おとろしい」系を使っている。もともと標準語と同じ「おそろしい」と発音していたのは長門周辺。「こわい」を疲労の意味で使うのは、南近畿、東関東、越後、奥羽、北海道、西中国、東南九州、奄美など。
きょうとい けうとい、
こわい、おそろしい
気疎い。あまり言わなくなった。
んまい うまい
good; nice; delicious
好吃、好呷、好食
上手い。旨い。美味い。その他にも「う」で始まり次にマ行がくるものは「ん」に変化することが多い。食べ物などがうまい場合、女性は「いし」の女房言葉である「おいしい」を使う。
もみない、もむない (味が)うまくない、
まずい、
おいしくない、
味がない
taste bad;boring gloomy
不好吃、难吃
「うまみない(旨味無い)」「うもうもない(旨くもない)」の意味。相当古くから使われている語で、近畿で同様の言い方をする。和泉で「ももない」。「まずい」は関東、南奥羽、信濃、東東海の言い方。
あじない (味が)うまくない、
まずい、
おいしくない、
味がない
tasteless; doesn't taste good;
not in teresting
不好吃、难吃、枯燥无味
味無い。良い味がしないという意味。京阪、播磨、伊勢、中京、北陸での言い方。「うまない」とも言う。「うまくない」「おいしくない」系の言い方はは、近畿、北陸、中国、四国、九州、琉球、越後、房総、奥羽で言う。
からい 塩からい、しょっぱい、
(味が)濃い
咸、鹹
辛い。味が濃いこと。ピリからいことや、塩からいというときにも使うので、両者を区別するときは「しおからい」と言うようになった。三河以西の西日本の言い方。九州で「からか」、北陸で「くどい」、北琉球で「からさん」「からさり」、南琉球で「さくらさん」など。「からい」の古語「しははゆし」「しおはゆい(鹹い)」の転である「しょっぱい」は東日本の方言。東京では「しょっぱい」「しおからい」「からい」が混在し、東西日本の狭間の富山では「しょっからい」と言う。北琉球でも「からさん」「からさり」「からさ」と「からい」系が使われている。
すい すっぱい
酸い。近畿、北陸、西東海、東山、南九州の言い方で、中国四国、東九州では「すいい」、九州では「すいか」と言う。「すっぱい」は関東での言い方で、越後、奥羽で「すっかい」、沖縄で「しーさん」と言う。東京でも、書き言葉として「すい」も使っていたが、近年は関東訛りが強くなって「すっぱい」を用いるようになった。酸いも甘いも。
ぬくい あたたかい
暖和
暖い、温い。気温についても、水温についても、区別しない。今日はぬくいな、ぬくいうちに食べや、お湯でぬくめてくるわなど。西日本の語だが、関東や奥羽も含め全国で使われている。京都では早くから江戸との交流があったせいか、「あたたかい」が上品な言葉としている。信濃や東東海では「ぬくとい」だが、上方でも「~たい」の付いた「ぬくたい」「ぬくとい」を使っていた。動詞形は自動詞「ぬくもる」、他動詞「ぬくめる」、名詞形は「ぬくもり」。西九州と北奥羽では「暑い」も「暖かい」も「ぬくい」と言い区別しない。「ぬくめる」を、北陸、東山などでは「ぬくためる」と言う。
あつい あつい 暑い。熱い。気温についても、水温についても、区別しない。今日はあっついな、あついうちに食べや、お湯をあつうしてくるわなど。西九州と北奥羽では「ぬくい」「あつい」と言って区別する。阿波と南九州では「あつい」「いたい」。
ひやこい、
ひやっこい、
ひゃっこい
つめたい 冷やこい。「ひやい」に「こい」がついたもの。温度が低い様。「ひやす」は動詞。関東や奥羽、北海道など東日本では「しゃっこい」という。
ちべたい つめたい
cold
冷漠、冷、冰冷
冷たい。「つめい」に「たい」がついたものの転。北陸では「ちびたい」「ちみたい」、関東で「つめたい」などと言う。
やかましい うるさい
noisy; nagging; sharp-tongued;
fault-finding; censorious;
strict; severe
喧しい。騒がしい様。細かいことに厳しい意味でも使う他、感嘆的に、口を挟まないでほしい、放っておいてほしい、などの意味でも使う。うっとこの嫁はん、お金のことになったらやかましいねん。西日本での言い方。関東で「うるさい」、磐城、岩代で「うっつぁし」。
じゃかあしい やかましい
noisy;
Be quiet!; Slience!
「やかましい」の強調語。怒鳴って静かにさせるときなど、感嘆的に使う。「じゃかあしいわ」は「じゃかあしゃあ」とも言う。
やらしい いやらしい、えっち 嫌らしい。卑猥であること。東京では「変態(HENTAI)」の頭文字を取った「えっち(H)」と言うが、「やらしい」は変態ではない。
やらしい いやらしい、けち(な)、
いや(な)、意地悪(な)
dirty; nasty
可憎、讨厌
嫌らしい。嫌であること。小さな欲目当てや意地悪であることをいうが、極悪ではないもの、笑って許せるものについて使うが、笑って許せないものにも使う。例えば、デート中に別の異性の話を持ちかけて相手を試すことや、麻雀で上がり牌を字牌や端牌で待ったりすること、サッカーでディフェンスに戻らずにわざとオフサイドにしようとすること、テレビゲームなどにおいて特殊攻撃をしてくる敵のこと、無料と聞いてもらえるものなら何でももらおうとすること、お客さんのアイデアということを知っておきながらそれを隠してあたかも自分のアイデアであるかのように振る舞うこと、など。景品目当てなんかやらしいで。こんなやらしいことせんでもええのにな。本番前に化粧品隠すなんかやらしいなあ。本採用しといて後から2日でクビ?なんちゅうやらしい会社や。西日本で使われる。
ちゃらしい いやらしい 「やらしい」の強調。
エロい いやらしい エロスの「エロ」の形容詞化。使用頻度は「やらしい」のほうが高い。
ややこしい、
ややこい
ややこしい 稚児しい。複雑な、込み入った、扱いにくい意味。「ややこ」は赤子のことで、稚児を扱うのと同じ様であること。「やあこしい」「やあこい」とも言う。なんやややこしい話になっとんちゃうか。ややこしいなるさかい後にしてえや。あの子と部屋の奥でややこしいことでもしとったんか。ややこしい店やしもうじきつぶれるのとちがうか。対義語は「おとなしい」。
やらかい やわらかい
柔かい。「やわら」に「こい」のついた「やわらかい」の「わ」が脱落した。「やわい」より新しい。
かいらしい、
かえらしい
かわいい、
かわいらしい
cute; charming
可爱、讨人喜欢、小巧玲珑
可愛らしい。語源は「かおはゆし(顔映ゆし)」で、「かわゆい」より新しい形で、「らしい」が付いたもの。東京の「いい(良い)」を京阪で「ええ」と発音するという現象につられて、「かわいい」を「かわええ」と勘違いして言う若者が増えているが、「かわいい」は東京での言い方で、大阪では「らしい」をつけて「かわいらしい」と言うので、間違い。
おいくろしい 若年寄り(な) 老い苦しい。老成している、年齢は若いのに老人のような振る舞いをする様。越中で「ひねくらしい」。
えずくろしい 気持ち悪い 吐き気をもよおすような。
じじむさい 不潔な、汚らしい 見た目も映えず汚らしい様。人に対して使う。髭も剃らんとじじむさい格好してんねんな。
むさくろしい 不潔な、汚らしい 人に限らず、汚らしい様。なんやむさくろしい所やな。
かじくろしい 窮屈(な) かじくろしい場所や。あまり聞かれなくなった言い方。「せせこましい」とも言う。
くだくだしい くどい、くどくどしい 諄々しい。顔がくだくだしい、というより、くだくだしい話、と使うことのほうが多い。
おとましい うとましい 疎ましい。
ざんない 見苦しい 慙無い。無慙、貧相で見るに忍びない意。えらいざんないもんだっけど、受け取っておくなはれ。プレハブ小屋だけやったらざんないし、なんか考えなあきまへんな。年寄りだけの宴会いうのんもざんないなあ。「無残」は元仏教語。
ひもじい ひもじい、空腹 饑文字い。「ひだるし」の文字言葉。空腹の様子を表す。女房言葉から。
うたてい 情けない、
うっとうしい
転い。「うたて」の形容詞化。「うたて」は「うつりて」の転。嫌な様。嘆かわしい様。相当古くから話されている系統の語だが、若者は使わなくなっている。うたていことでおますわいな。
きしょい 気色悪い
give a person the creeps
気色い。「きしょくい」の短縮形。なんやおまえプリンにマイネーズかけて食べんのか、きしょいやっちゃな。なんちゅう顔してんねんな、きしょいって。大阪発祥。
きもい 気持ち悪い 気持い。「きもわるい」の短縮形。気分が悪いのではなくグロテスクの意味。見えるもの他に、感触、感覚、話すことなどに違和感がある。こないきもい虫の死骸いらえるかいな。おまえのきもい顔は生まれつきか。上項の「きしょい」と「きもい」は、使い分けが難しい。大阪発祥。
うっとい、うっとうしい うっとうしい 鬱陶い。わずらわしく嫌で気になること、嫌で払いのけたいこと。目にかかる髪の毛、天候の雨、しつこく嫌な人などに対して用いる。「うっとい」は「うっとうしい」の短縮形で、主に若者が人に対して用いる。そのうっとうしい前髪切らんか。うっとうしい天気が続いてますなあ。あいつうっといねん。
はずい はずかしい
不好意思
恥ずい。若者が使用。形容詞の型「~い」を保ったまま短縮化した。中老年者は「はずかし」を使う。中京で「やらしい」、備前で「ふうがわるい」、東日本では「しょうしい(笑止い)」など。
まぶい まぶしい、まばゆい 眩い。省略形。中国、四国で「まばいい」、東海で「ひずるしい」、奥羽で「まつぽい」など。
こそばい くすぐったい
ticklish
痒痒的、痒得要命
「こそばゆい」の転。「こしょばい」「こちょばい」とも言う。擬態語の「こちょこちょ」もここから。「くすぐる」は「こそばす」。
しゃあない しかたがない、
しようがない
have I got a choice;
it can't be helped;
there you are
没亦法、没辛力辛法
仕様ない。しゃあないな、みんなで片付けよか。しゃあない、誰かて失敗はつきもんや。もともとは「しょうない」と言い、丁寧に言う場合は「しょうおまへん」と言う。越後などで「だっちもない」、備前などで「やっちもない」。
しょうことなし 仕方がない、
是非がない、
やむを得ない
没亦法、没辛力辛法
仕様事無し。現在は「しゃあない」が主流。
しょうもない、
しょうむない
つまらない、
くだらない
nonsense!; rubbish!;
foolish; silly; stupid;
senseless; useless; worthless;
trifling; trivial
微不足道的、没有价値的、无谓的
仕様もない。価値のない、愚かな、面白みがない、という意味。「も」は母音を発音せず、「む」になる。なにしょうむないこと言うてんねん。ああしょうむな。北海道で「はんかくさい(半可くさい)」。
じゃまくさい 面倒くさい
bothersome
麻煩
邪魔臭い。手間がかかること。面倒であること。煩わしいこと。初めっからやっていかんなんのか、邪魔くさいなあ。「じゃあくさい」とも言う。近畿、北陸などで使う。
めんどい 面倒くさい 煩わしい意。動くのが嫌である様。「面倒」の形容詞化は江戸時代からの用法だが、「面倒くさい」の省略形として用いられるようになったのが若者言葉。近畿、四国、中国、などで使う。
しんきくさい じれったい、
もどかしい、
まどろっこしい
pokey; slow
太慢了
辛気臭い。思うようにならなくて、気がめいってしまいそうな様。ある目的のために邪魔があってじれったい。じれているわけではなく、効率の悪い行動や動作を指して言う。ちまちましてんと、もうしんきくさいやっちゃなあ。最近は、なにしんきくさい顔してんねん、いつまでしんきくさいことしてんねん、と、暗い、しけた顔、作業に手間取りぐずぐずしている、の意味で用いられるようになっている。意味は微妙に異なるが、西日本で使われる言い回し。
うさんくさい 疑わしい、怪しい 胡散臭い。見た様子がなんとなく怪しくて油断できない。「うさん」は唐床音読み。
かんこくさい きなくさい 紙子臭い。布や紙が焦げるにおいのこと。ご飯の焦げるにおいは「こげくさい」と言い、区別する。近畿を中心とした言い方。その周辺に「きなくさい」が分布する。韓国祭ではありません。
理屈くさい 理屈っぽい 理屈くさいこと言いなや。
くさい あやしい 単体で活用する。あの店くさいな、とは、あの店があやしいな、という意味。事件のにおいがするなどの「におう」もこれに同じ。うさんくさい。
あほくさい、
あほらしい
ばかばかしい、
やっていられない
阿呆くさい、阿呆らしい。やっていることが無意味であったり、見た目に恥ずかしく、一般的に価値が認められない行い。働いて稼いだ金より出ていく金の方が多いねんで、あほらしいてやってられるかいな。今まで営業やってた者にただのお遣いやれっちゅうんか、誰がそないなあほらしいことすんねんな。「しょうもない」に同じ。あほくさ! あほらし! と感嘆詞的にも用いる。「あほらしもない」といえば、さらに強調した言い方となる。
どんくさい 不器用な、
おっちょこちょい(な)
spastic; clumsy; pokey
迟钝、不伶悧、麿蹭
鈍臭い。何をやってもにぶくてとろく、失敗ばかりする様。親愛でも軽蔑でも用いる。
みみちい けちくさい
小气、小氣
しみったれている。けち臭い。「みみっちい」と発音することが多い。
けったくそわるい 縁起が悪い、
気分が悪い、
いまいましい、
むしゃくしゃする
it's bad luck
卦体糞悪い。「卦体」とは易占いに現れた結果のこと。「卦体」の「卦」は、「当たらぬも八卦」の「卦」で、「くそ」は接頭語。つまり、占いの結果が悪くて、むしゃくしゃする、ああ気分悪い、ということ。犬の糞を踏んで「けったくそわる」。乗り物酔いで、「けったくそわる」とは言わない。「げんくそわるい」とも言う。
ぐつ悪い 都合が悪い 具合の都合が悪い。西日本で使う。
ずつない つらい、苦しい、
しかたがない、
しようがない
「術無い」の転。なすすべ、手だてがないこと。満腹の意味でも使う。ああずつないわ、もう食べられへん。熱出してんのんか、ずつないねんな、薬でも飲もか。畿内で使う。
きずつない 心苦しい、せつない、
申し訳ない
「気術無い」の転訛。気が引ける。親切にされたことに対して敬意・遠慮を表す古い言葉。そこまでしてもろてきずつないなあ、えらいきずつのうて堪忍だっせ。近畿での言い方。
だんない 大丈夫、平気、
差し支えない、
かまわない
okay; all right
没問題、無問題、問題不大、没事儿
「大事ない」の転。差し支えないという意味。上がってもろてもだんないのに、ちょっとこけたくらいでだんないだんない。丁寧に言うときは「だいじおまへん」という。近畿で使用。
べっちょない 大丈夫、平気
okay; all right
没問題、無問題、問題不大、没事儿
「別状ない」の転。大丈夫だという意味。丁寧には「べっちょおまへん」。胸3箇所、腹2箇所刺されとりまんが、命にはべっちょおまへんわ。べっちょないか? 若者はあまり言わなくなったが、播磨は今でも優勢。播磨や吉備で「らく」。
おいといない 差し障りのない、
差し支えない
これだけ多いめに入れといたらおいといないやろ。
きづかいない 大丈夫、心配無用
all right
気遣い無い。丁寧には「きづかいおまへん」。
気やすい 仲が良い 気安い。私、天野さんと気安いねん。「心やすい」ともいう。“気安ぅなる”で“仲良くなる”という意味。対義語は「気まずい」「気むずかしい」。
よくどしい よくばりな、欲深い 欲どしい。欲張っている。
ちゃんちゃらおかしい 笑止千万、片腹痛い 滑稽でおかしいのではなく、有りもしないことやできもしないことに対しておかしいということ。へそで茶を沸かす。わしに歯向かおうとはちゃんちゃらおかしいわ。
かしこい (お)利口
聡明
賢い。計算が速かったり暗記力に優れていたりということよりも、理解力が優れていることや、話の筋道や道理が通っていることをさすことが多い。聞き分けの良い子。子供をなだめたり誉めたりするときは「かしこいな」と言う。近畿、北陸、中京で使われる最新の語で、「えらい」、「さとい」「おぞい」「はしかい」、「りこう」、「めごい」、「さかしい」の順に中央から遠く、古くなる。
うまい、んまい じょうず
good; nice
上手い。“じょうずだね”は“うまなったな”になる。
ちょろい、ちょろこい たやすい、
簡単な、容易な
「ちょろまかす」の「ちょろ」と同じ、「ちょろ舟」から。こんなんちょろいちょろい。
しらこい しらじらしい 白こい。なにしらこいこと言うてんねん。
にやこい にやけている、
にやにやしている
女たらし(の)
「にや」は「若気(にゃけ)」の「にやける」から。転じて、女性に甘い意味にも用いられる。
がめつい 抜け目ない、欲深い 金銭面などにおいて抜け目がなく、欲深い。麻雀用語の「がめる(無理に大役を作る)」と「がみつい(抜け目ない)」の合成造語。「がめ」はスッポン、「つい」は付いているの意。もともと大阪の言葉ではないが、戯曲から全国に広まった。
えぐい むごい、むごたらしい
risky
セロリ類の植物「えぐ」から。エグのようなまずい味。露骨でいやらしいことや、思いやりや人情味がないこと。こんなえぐいもん食えるかいな、生きたまんま調理してからにえぐいことしやるわ。
えげつない むごい、むごたらしい
brutally frank;
nasty; vicious
「いげちなし」の転。露骨でいやらしい。思いやりや人情味がない。ずうずうしく無遠慮。近畿、中国、四国、北陸などで使う。そないえげつない言い方しやんでもええのになあ、あの人の着てる服えげつない色やな、あんなえげつない値段で誰が買うねん、こないなえげつないもん食べさす気ぃか、など、いろいろな場面で使う
いとしぼい むごい、むごたらしい 哀れな、可哀想な、いたわしい、という意味。
むごい むごい 酷い、惨い。可哀想な、の意味。「むごたらしい」とも使う。「むぞい」「めぐい」「めんこい」などと同語源の語。
好かんたらしい 好かない、嫌いな 「たらしい」は、強調の接尾語で、むごたらしい、にくたらしい、などと同じ活用。
せからしい いそがしい
很忙
急からしい。せかせかといそがしい。「いそぐ」が「いそがしい」なら、「せく」は「せからしい」になる。なんやあいつ、せからしいやっちゃなあ。
きちゃない きたない
月庄
汚い。「きちゃならしい」と「らしい」とも活用する。音の破裂が弱く、東京のように直音化はしない。
けなりい、けなるい、
うらやましい
うらやましい 異成りい。羨ましい。他人を見て、そうなりたいと思う気持ち。「けなり」の形容詞化。「けなりげ」から「けなげ」が生じた。「けなるい」「けなりい」は、全国的に用いられている。
ばっちい きたない 「ばばちい」の転。幼児語。「ばば」とはうんちのこと。「ばばっちい」とも言う。
ひつこい しつこい
persistent; insistent;
importunate; inquisitive;
heavy
執拗な様、何度もつきまとう様。もう勉強せい勉強せいてひつこいなあ、今からやるとこやがな。なんでもひつこい人は嫌われんで。今年の風邪はひつこいわ。胃にもたれる意味でも使う。この肉、味がひつこいな。
すうしい すずしい 涼しい。これから秋やしすうしなるわ。扉閉めてるけど、なんや足下だけすうしわ。
ねちこい ねちねちしている、
しつこい、
粘着質な
この茎の汁なんやねちこいなあ。あの人ねちこいさかいなあ。
やばい まずい、あぶない
risky
盗人などの隠語である「やば」の形容詞化。「あやぶむ」が語源。最近は、小さな事でも「やばい」を多用するようになっている。強調表現や感嘆表現風に使用したり、のめり込んで抜け出せなくなるくらいにやばいという、プラス表現で使うのは東京での転意。
こすい ずるい、卑怯、姑息、
sly; sneaky
小气、狡猾、滑头
狡い。狡猾な。考え方がずるい。けち。
せこい ずるい、卑怯、姑息、
けちけちしている
sly; sneaky
小气、精、狡猾、滑头
「こすい」の転倒「すこい」の転。歩ぅだけで攻めるようなせこい手ぇ使いよってからに。せこをする、とは言わない。
ずっこい ずるい、卑怯、姑息、
sly; sneaky
精、狡猾、滑头
「こすい」の転倒「すこい」が濁って「ずこい」、さらに大阪流の音の変化で「ずっこい」となった。「ずるっこい」ともいう。
ぼろい (儲けることが)たやすい 「ぼろ儲け」の「ぼろ」。元手や労力をかけずに得になりそうなこと。次のレースぼろいわ。ぼろい口おまへんか?
おぼこい 幼い、子供っぽい 「おぼこ」は「うぶこ(産子)」の転で、処女の意味。未成熟な女の子。おぼこい顔、あの子おぼこいなぁ。首里で「あてぃってーんそーる」という。
けばい けばけばしい 派手で品がない。どぎついほどきらびやか。主に女性の厚い化粧に対して使う。
もさい 野暮ったい、不粋な
很土
ださい、映えない、意味。「目腐り」が語源の「もっさり」の形容詞化。
なまい なまっぽい 生い。なまのようである。「なま」の形容詞化。若者が使用。この魚なまいなあ、ちゃんと火ぃ通しとんのん?
世話ない 苦労しない、
困らない、
手間がかからない
世話がかからない。散髪や言うても、お父ちゃん毛ぇ勝手に抜けんねんから世話ないがな。
せわしない いそがしい、
おちつきのない
忙しない。忙しく落ち着きのない様。「ない」は「甚い」で、はなはだしいの意味。せわしないやっちゃ。
とろい にぶい、のろい 「とろくさい」ともいう。とろい動作のことを「とろとろする」ともいう。
あらくたい、
あらけない
荒っぽい 荒くたい。荒気ない。粗暴なの意味。「あらけない」はやややわらかい表現。わりと広がっていた昔の言葉。
ざつい 雑な 雑い。「雑」の形容詞化。あの人の掃除ざついやろ。
ぶさい、ぶっさい ぶさいくな、
見栄えの悪い
「不細工」の形容詞化。その人いうたらこれがまたぶっさいねん。あないにぶっさい顔してたら結婚でけへんわいなあ。比較的新しい言い方。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【補助形容詞】
なし(に) なく 無しに。助詞を入れて活用する。「間もなく」は「間もなしに」、「なんとなく」は「なんとなしに」。「間ものう」「なんとのう」という活用は間違いではないが、あまりしない。
しゃあない しようがない、しかたがない、
たまらない
仕様がない、仕方がない。形容詞+助詞「て」に続いて活用する。大阪の夏は暑うてしゃあない。犬が吠えよって、朝から晩までやかましゅうてしゃあないねん。ここの店は儲かってしゃあないねやろなあ。蚊ぁにかまれてもうて、かいいてしゃあないわ。「ったらありゃしない」や、名古屋の「かん」「いかん」に相当する語。
ほしい ほしい 前に、動詞と助詞「て」を伴って、願望、要望を表す。あさって車貸してほしいねんけど、そこをなんとかしてほしい思とりまんねんわ。「要る(いる)」とも言う。お前の車なんか貸していらんわい。東京で「もらいたい」。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【連体詞】
こない このよう(に・な)、
こう、
こん(な)、
こんな(に)
こんなふう(に・な)
such; this
此様。「このよう」の転。こない弱ってたらどんならんな、では副詞的活用。こないな感じでどうでっか、では連体形、こないにしてんか、では連用形。畿内で使用、近畿周辺から「こねん」の他、西日本一帯にかけて「こがい」系列の「こが」「こげん」「こぎゃん」などが使われる。「が」は「の」の古い形で、「おらがまち」「剣が峰」「夕陽が丘」「体が伸びる猫」「飯がうまい店」の「が」は「の」に置き換えられる。「どない」を含め、次三項も同様。
そない そのよう(に・な)、
そう、
そん(な)、
そんな(に)
そんなふう(に・な)
such; like that; that(sort);
so(much); that much; that many
其様。「そのよう」の転。そないに大きかったら入らんやろ。そないな人とよう行かんわ。「んない」ともいう。
あない あのよう(に・な)、
ああ、
あん(な)、
あんな(に)
あんなふう(に・な)
such; like that; so
彼様。「あのよう」の転。あないなことしたないわ。あないに大きせんでも。
どない どのよう(に・な)、
どう、
どん(な)、
どんな(に)
どんなふう(に・な)
what; what kind of;
what sort of;
any; every;
how; however; no matter how
何様。「どのよう」の転。どないなとなる、は、どうにでもなる、そないなとこどないして行くねん、は、どのようにして行くのか、の意味。主語を省略して単に「どない?」と言えば、仕事や人生の調子はどうですか、何か面白いことでもありましたか、という挨拶になるが、阪外人には「何がどないなのか」と返答に苦しむことが多い。「どねん」と訛る。
んな そんな 文頭に限ってサ行音「そ」がハ行音に転じた「ほ」が鼻母音となり、鼻から音が抜ける。んなあほな、んなことしたないわ、んなけったいなもんあるかいな。抑揚をつけて発音する。東京では「なわけねーだろ」と「ん」も脱落している。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【状態副詞】
ぼちぼち そろそろ、ゆっくり、
まあまあ、ぼつぼつ
so so; not bad;
it's about time
あいまいで、融通性の高い便利な言葉。ぼちぼち行こか、ぼちぼちでんな、まあぼちぼちやらしてもうてます。きのうから習い始めたけどどうや覚えられてるか?、に対する答えは、皿洗いと片付けと接客と…ではなく、まあぼちぼちです、と答えればそれで良い。
やいやい 口うるさく 「やいのやいの」の転。あれこれとうるさく騒ぎ立てる様。そないやいやい言わいでもやるがな。越後では「これはどうも…」の意味になる。
はんなり -- 華なり。上品で華やかな様。はんなりとしたお味。舞妓はんはいつ見てもはんなりしてように見えるな。もとは京言葉からだが、京都では、すっきりと、すかっと、の意味でも使う。
しゃなりしゃなり -- 体をくねらせ気取って動く様。しゃなりしゃなりと舞妓さんが歩く。もと京言葉。
もっさり 不粋、野暮、
ぱっとしない、
映えない
old-fashioned; dull
土里土气、迟钝
「目腐り」が語源。洗練されていない様子のこと。「もっちゃり」ともいう。あの人もっさりしてはんなあ。
ほっこり ほっと 一息つくこと。安堵の状態。ここらでほっこりしょうか。ほくほくとぬくもることではないので、ほっこりと炊き上げました、という使い方は間違い。もと京言葉。
まったり とろんと、
落ち着いた、
穏やかな、
深みのある
全り。「またい(全い)」から。完全な味。こくがあってまろやかで口当たりの良い様。味のことについて使う。まったりとしてうまいですな。もと京言葉。京都では、深みがあって落ち着きのある人柄の意味で「まったりとした人」という使い方もする。温泉でまったりしようか、と「ほっこり」のような意味では使わない。
おっとり 落ち着いた、
穏やかな
落ち着きのある様。あの女の子ぉおっとりしてはるわ。副詞の「ちょっと」という意味もある。
ぶいぶい -- 「ぶいぶいいわす」で「幅をきかせる」の意味。昔はこのへんでぶいぶいいわせててんで。
がたがた つべこべ、
ごちゃごちゃ
不平がましく言い立てる様。がたがたぬかすな。
うだうだ ぐだぐだ 無意味なことを言う様。「うじゃうじゃ」とも言う。なにうだうだ言うてんねん。
ごてごて -- 駄々をこねる様。まだごてごて言うてんのかいな。
ちょぼちょぼ ぽつぽつ、てんてん、
少しずつ
「ちょぼ」は小さい意。こうやってちょぼちょぼ点打っていきますねん。そないちょぼちょぼ出さんでも、一気に出したらよろしいがな。
ちょいちょい 少しずつ 頻繁に少しずつ。あの郵便屋さんは、ちょいちょい顔出してはくれるけど、何か置き忘れていかはるなあ。
ちょこちょこ ちょくちょく 頻繁に。ほな、これからもちょこちょこ顔出さしてもらいまっさかい。
ちょかちょか ちょろちょろ 落ち着きがなく、ちょこちょこと騒いだり走り回ったりする様。あんたはモグラたたきのモグラかいな、ちょかちょかしな!
わちゃわちゃ ぺちゃくちゃ 数人でやかましくしゃべる様。わちゃわちゃ言うとらんと、静かにでけしまへんのんか。
うざうざ -- 浮薄な様。苦労して作ったのにうざうざした感じにしかならんなあ。
あいさ(に) 時々、時折、
しばしば、たま(に)
間さ。時間的な間。あいさに会う。空間的な間は「あわいさ」と区別した。
なんやかんや なんやかや、
なんだかんだ
何や彼や。なにやらこれやら、あれやこれや。なんやかんや言うてもなあ。
なんもかんも、
なんもかも
なにもかも 何も彼も。あれもこれも。すべて。なんもかんも失うておしまいやがな。
なんかかんか なにか 何か彼か。あれかこれか。よう探してみぃなんかかんかあるやろ。なんかかんかやってるうちに治ってもうたわ。
なんたらかんたら なんとかかんとか 何たら彼たら。なんとやらかんとやら。なんたらかんたら言うとったのう。
あっちゃこっちゃ あちこち、
あちらこちら
「あちらこちら」の転。あっちゃこっちゃ行く。右と左をあっちゃこっちゃ履いとる。あべこべの意味でも使われる。
とろとろ ぐずぐず、もたもた 遅い様。なにとろとろしてんねん。前の車とろとろ走りすぎや。
うずうず ぐずぐず 遅い様。身体がかゆい様「むずむず」や、気持ちがおさえられない様にももちろん使う。
ぐじぐじ ぐずぐず 遅い様。ぐじぐじしとらんと早よやり!
いじいじ もじもじ はっきりとした態度がとれず、思い切りの悪い様。いじけた様。何いじいじしてんのん、言いたいことあったら言わんかいな。
うじうじ もじもじ
龜毛
ためらう様。あいつはうじうじしてばっかしで、ラブレター渡すのんに何時間かかっとおんねん。
おがおが -- わけの分からないことを言う様。何をおがおが言うてんねん。
おねおね -- 言いごもる様。おねおね言うとらんと、はっきり言わんかい。
いちゃいちゃ -- 仲良く戯れる様。大阪発祥で、全国に広まった語。
しばしば ちかちか、
しょぼしょぼ
目の疲労。顕微鏡覗きすぎで目がしばしばするわ。
ぽんぽん -- 間を空けず次から次へと繰り出す様。そないぽんぽん言わんでも。
べらべら ぺらぺら、べらべら 軽薄によくしゃべる様。外国語などを詰まらずに流暢にしゃべる様。よく考えずによくしゃべる様。紙や布などが薄い様。また、形容動詞としても用いる。リーさんの大阪弁はべらべらやねん。
あっけらかん 呆然、平然 「あけらかん」の転。ぼんやりしている様。「あけ」は「あんけ」、口をぽかんと開けている様から。あっけらかんなやつ。あっけらかんとしとる。
しゅっと(した) 今風(の)、あか抜けた、
研ぎ澄まされている、
洗練された、スマートな、
すっきりとした、
締まっている、かっこいい、
涼しげな、嫌らしさのない
先が締まっていて、細く無駄のない形。若竹、新幹線、鼻筋の通った鼻などがそのイメージ。「しゅっとした○○」「○○はしゅっとしてる」の形で用いる。喜代美さんはしゅっとした顔してはるな、せやなあ前髪はしゅっとした感じにしてもらえますか、あの男の人しゅっとしてへん?、あの会社はしゅっとした制服やったわ。褒め言葉として使うことが多い。京都では使わない。
えんばん(と) あいにく、折悪しく きょうはえんばんと雨で花火大会も中止やな。最近は聞かれなくなった。近畿、北陸、中国で使う。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【程度副詞】
えろう、えらい とても、すごく、
非常に、随分と、
かなり、やけに
very
挺、特別、非常、很
苛う。苛い。「いらし」の転。動詞や形容詞、陳述副詞などの前に付く。「めっちゃ」「ごっつ」よりも古くから使われていた語。元々形容詞であったので、活用がある。えろう大きなりましたな、きょうは起きるのんえらい早いな、えろう前の方に行くねんな、えらい詳しいなあ。西日本で使う。強調語は「どえらい」。岡山、岐阜の「でーれー」、広島、名古屋の「どえれゃあ」、名古屋の「でら」もこの系列の語。
ごっつ とても、すごく、
非常に、随分と、
かなり、大変
very
挺、特別、非常、很
「ごっつい」の活用形「ごっつう」の縮まったもの。動詞や形容詞、陳述副詞などの前に付く。元々形容詞だが、「ごっつい」とは言わない。「めっちゃ」の1つ前の語で、「すごく」に相当する。ごっつ嬉しそやな、ごっつええ加減やわ、ごっつええもん食べさしたろか、実画像貼り込んだらごっつ重たなりまっけど。中年層では男性が主に使用。京都では使わない。播磨や阪神で「ごっさ」。
ものごっつ ものすごく
very
挺、特別、非常、很
「ごっつ」の強調。
めちゃ、めっちゃ とても、すごく、
非常に
very
挺、特別、非常、很
滅茶。「めちゃくちゃ」の下略形。動詞や形容詞、陳述副詞などの前に付く。大阪特有の言い方で、めちゃくちゃになるほどの意。程度副詞なので、めっちゃ嬉しいねん、めちゃはや、めちゃうまやがなこれ、と形容詞につく他、めっちゃ別嬪、と形容動詞、食べ残しめっちゃあるやん、めっちゃ日ぃに焼けてるやん、私もめっちゃ思うわ、と動詞にも付く。めっちゃホリデー、と名詞につくのは誤り。若者の他、中年女性が使用。「むっちゃ」や「めちゃめちゃ」はあまり使わない。「めっさ」とも言うが、話者はわずか。播磨や阪神で「がっさ」、北海道や越後で「なまら」、名古屋で「でら」、東京では「超」、西山陽で「ぶち」、西九州で「ちかっぱ」「ちかっぱい」、豊後で「しんけん」、日向で「てげ」、肥後で「むしゃんごつ」、鹿児島で「わっぜ」、沖縄で「しに」を使う。
めちゃくそ、めっちゃくそ、
めったくそ
大変、非常に、とても 滅茶糞。「めちゃくちゃ」に「くそ」が付いた言い方。「めちゃくちゃ」より品が下がる。めったくっそ重たいやんけこの荷物。
ばり とても、すごく、
非常に
very
挺、特別、非常、很
もと博多弁。動詞や形容詞などの前に付く。ばり早かった、ばりむかつく、など。学生を中心に若者で使用されるが、大人になると使わなくなる。北九州、中国、畿内、中京と陸伝いに広がっている。
たいそ、たいそう 大変、非常に、とても 大層。程度がはなはだしい様。規模などが大がかりである様。大げさな様。大層お困りのようで。
ぎょうさん、ようさん たくさん 仰山。こないぎょうさんの人に来てもらえて嬉しいわ。西日本で使われる語。「ようさん」ともいう。こんなしんどいこともうぎょうさんや!という使い方はしない。越後で「しかも」、陸中で「ずっぱり」、など。
ようけ たくさん 「余慶」「余計」の転。量などが多い。もっとようけ入れたって。
ちょう ちょっと、少し
有一点、有一點
少しの意味。助詞「と」は省略される。ちょう待って。「ちょっと」に同じ。「いっとき」も使う。
ちょい ちょっと、少し
有一点、有一點
「ちょいと」の助詞「と」の省略。もうちょい右、出来上がるのんもうちょいですねん、と使う。
ちょびっと、ちょぼっと、ちびっと ちょっぴり(と)
有一点、有一點、一点点
程度や数量が少ないこと。「ちょっと」に同じ。
気持ち ほんの少し、若干
有一点、有一點
「気持ち大きしといて」と言われれば、気持ちを大きく膨らませるのではなく、若干大きくしたかしないか程度に今より大きくしてください、という意味になる。
おもっくそ、おもくそ 思いっきり、思いきり 思っ糞。「思いっきし」が転じたものか。いらん言うてんのにあいつおもっくそ入れてきよんねん。男言葉。
あほほど ばかみたいに、
くさるほど、
掃き捨てるほど、
めちゃくちゃ
非常に多く、非常にたくさん、持て余すほどたくさん、めちゃくちゃなほど、あきれるほど、の意。着られへん服があほほどあるねん、あほほど食べたわ、この航空券あほほど高かったわ、と使う。量について使う場合は「うさるほど」に同じ。
いやほど いやというほど 嫌程。程度の強調。あの人も長生きしてはるし、いやほど歳いってはるもんなあ。
たんと たくさん、たっぷり、
うんと、たんまり
たんと食べなはれ。けったいな人は大阪にたんといたはります。和泉では使用しない。
せいだい せいぜい、しっかりと 精々。精を出して。せいだいお気張りやす。
まあ とりあえず、
どうかわからないけど
感嘆詞的に活用し、あとにくる語をやわらげる働きを持つ。人との対立を避けるのに有効。まああかんやろ。まあやめとこか。まあ座り。まあ落ち着いて、まあそない言わんと、の意味の、相手をなだめる「まあまあ」も使う。
とうない 途方もなく 「途方もなく」の縮まったもの。とうない遅かったやないか。とうないご無沙汰しております。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【陳述副詞】
よう よく
well; fully; thoroughly;
skillfully; skilfully
程度の強調。非常に、十分に、うまく。動詞が後に続く。使い方によっては、驚きや非難ともなる。こらよう回るコマや、あない遠いとっからよう来はりましたな、おまえみたいな者がそんな悪知恵よう考えついたな、よう言うわ。東京では「とてもよく似ている」と言うことができるが、単純に置き換えた「えらいよう似てる」「ごっつよう似てる」「めっちゃよう似てる」では二重強調となるため、大阪ではあまり用いない表現。
よう よく
often; frequently
頻度表現。たびたび、しばしば、頻繁に。お母はんやったら買い物によう来てやるで。頻度の高い順に、「いつも」「しょっちゅう」「あいのときは」「よう」「ときどき」「たまに」「なんべんか」「いっぺんも」などとなっている。
よう よくも、
とても(じゃないけど)
well
怎么也不能
能う。古語の「得(え)」に同じ。「よう何々せん」で能力不可能を表す。そんなんようせんわ、わてほんまによう言わんわ、東京なぞよう行かんし、と否定を伴う場合は「高高」で発音するが、あんなとこよう行くなあ、わての一張羅よう汚してくれたなあ、と肯定文の場合は「高低」で発音する。近畿、四国、中国などで使う。自己の能力を否定するので「私よう行かへんわ」などと「へん」を使うのは誤り。「とてもできない」の場合は、「ようできん」ではなく、「ようせん」となる。東京の「とても」ももともとは後に打ち消しの語を伴って同じ活用をしていたが、程度の大きさを表す意味に転じている。
なに -- 「なにを」の「を」を省略した語。もともとは「なにをしてくれるねん」と名詞の使い方だったのが、「なにしてくれるねん」の他に「なにメンチきっとんねん」のように副詞として使われるようになった。東京風に言えば「にらんでるんじゃないよ」「にらまないでくださいよ」といったところか。決して「なにを?」と質問しているわけではない。後にナ行音など鼻音が続く場合は、「なん」となることもある。なんぬかっさらしてけっかんねん。
いっち 最も、一番 一。「いち」を強調した語。西日本を始め、広く使われていた。いっち安いのんおくれ。うっとこのいっち上の姉だす。年輩者が使用。若者は「いっちゃん」。
いっちゃん 最も、一番 この中でいっちゃん速い車、いっちゃん若い人を選ぶ、と使う。マラソンでいっちゃんになった、とは使わない。
いっとき(に) 一度(に) 一時に。いっときに言うたらよろしいねん。最近は「いっぺん(に)」を使う。
いっぺん 一度 一遍。いっぺん行てみたろ。いっぺんに運ぶ。「いっぺんに」は、「いっときに」と言っていた。
もっぺん もう一度 もう一遍。「ふたたび」の意。もっぺん言うてみい!
もっかい もう一回 もう一回。
いっこも 全然、ちっとも
not ... at all; not ... in the least ;
not ... a bit
一点也没有
一個も。後に必ず打ち消しの言葉が続く。おまえいっこも食べてへんやないか。私の分いっこも残ってへんやないか。「いっこも」以下を省略して、「にこもさんこも」と付け足す言い方もある。前田のやつなんか掃除せんと帰りよったわ!いっこも?そうやいっこもにこもさんこも…や! 「ひとっつも」ということもある。
なんも 全然
not ... at all; not ... in the least ;
not ... a bit
何も。なんもできてへんやないかい。なんもそないなこと言うてへんがな。
さっぱり 全然
not ... at all; not ... in the least ;
not ... a bit;
no sale
不行
あとに否定を伴う。さっぱりあかんわ、さっぱりわやや、さっぱり思い出せん。「さっぱりあきまへん」の下略形で「さっぱりだす」という言い方もする。もちろん、癖のない味や風呂上がりの爽快感などについて、良い意味でも用いる。
かいもく まったく、全然
not ... at all; not ... in the least ;
not ... a bit
皆目。否定。特に「わかる」の否定に対して用いる。かいもくわからしません。下略で、「かいもく…」と言う。
たまたま 偶然 偶々。たまたまそうなったんちゃうん。ホームラン打てたんも、たまたまやな。
ころっと すっかり、うっかり 「忘れる」の冠詞。ころっと忘れとったわ。ころっとしてた、とは言わない。
ひょこっと 予期せずに 横からひょこっと頭出しよりますのがおもしろおまんなあ。OSエラーのため、アプリケーションはひょこっと終了しました。
とうに・とうの とっくに・とっくの これもウ音便化している。あんなことはとうに忘れたわ。とうの昔のことやろが。名古屋で「いっつか」。
やっとこさ やっとのことで、
やっとの思いで
渋滞の中を走ってやっとこさ家に着いたわ。リハビリしてやっとこさ歩けるようになってん。
せんど さんざん、長時間、
たびたび、何度も
千度。せんど言うといてからに、そんなんせんど見たわ、おっそいなあせんど待ったで。「せんぞ」とも言う。
つらって 一緒に 「連れ合って」の転。つらって行こか。和歌山では「つれも(っ)て」。
なんなと 何でも 「なんなりと」の転。わがの好きなようになんなとやったらええがな。なんなと言わな会話にならんがな。商店街にはなんなと置いてあるやろが。同様に、「誰なりと」は「誰なと」になる。
なるたけ なるべく、
できるだけ
成る丈。極力。全国的に使われている語。声出さんとなるたけ身振りだけで表現してもらえますやろか。なるたけ前の方から詰めていっとくれ。
どないなと どうにでも どないなと好きなようにしたらよろしいがな。
ちゃっちゃと さっさと 手際よく。ちゃっちゃとやらんかいな。
たーっと -- 即座に走り出す様子。小便?たーっと行ってきぃ、10時までには戻ってきぃや。
ぼけっと、ぼけーっと ぼさっと なにやっとんねん、ぼけーっとしとらんと仕事せんかい。「け」は「け」と「げ」の中間音。
しゃんと しゃきっと 背筋を伸ばして姿勢を正すこと。曲がったり折れたりしせずにしっかりとしていること。しゃんとしいや、しゃんと。しゃんとしてる竹やなあ。常陸では「みしみし」。
ばっちし ばっちり 大阪弁も発音ばっちし!
ちょっきし ちょっきり 丁度ぴったりの意。9時ちょっきしに出社するのは遅刻やで。
やっぱし、やっぱ やはり、やっぱり
after all;
in the final analysis;
on second thouhgt;
yet
「やっぱし」などの「り」が「し」になるのは江戸発祥の語だが、「さっぱし」「がっぽし」「きっかし」などとは言わない。中高年は「やっぱし」、若者は「やっぱ」を使う。下野で「まさか」、など。
あんまし、あんま あんまり、あまり
not much
不太
余り。否定表現。そないなことあんましたないわ。若者は「あんま」を使う。
ろくすっぽ 十分には、ろくに 陸すっぽ、碌すっぽ。あとに打ち消しの語を伴う。ろくすっぽ確認もせんと判断しとる。家ではろくすっぽ話もせえへん。うちの子ぉはろくすっぽ漢字も書かれしまへんのや。
どっちみち どっちにしても、
どのみち
いずれにしても。どっちみち明日は行かれへんさかい。西日本の言葉。
とどのつまり 結局のところ 出世魚ボラの最終呼び名から。「はた」→「おぼこ」→「いな」→「ぼら」→「とど」。
あんじょう、あんじよう うまく、ちゃんと、
ほどよく、具合よく、よしなに
get along;
to be kind; to take care of
好好地、认真地、非常仔细地
「味良く」の音便形「味良う」が語源。あんじょうやりや、あんじょうたのんまっせ。
あんばいよう 加減よく、上手に、
都合よく
get along
「あんばい」は「あわい(間)」の意味から。「あんばい」は健康や天候の間についていう。「塩梅」は語源こじつけの当て字、「按配」「按排」とも書く。「あんじょう」と同義。「あんばよう」ともいう。
ちゃんと きちんと 使い終わったらちゃんとなおしや。ちゃんとし!
きちきち(と) きっちりと、きちんと、
しっかりと
帳簿はきちきちつけときや。「ちゃんと」に同じ。
どうこう とやかく、ああだこうだ、
どうとかこうとか
どうのこうの。どうこう言われたないわ。
どたらこたら とやかく、ああだこうだ、
どうとかこうとか
どうたらこうたら。どたらこたら言うてんと、早よ終わらしたらどないだんねんな。
ようよう ようやく 漸う。これもウ音便化している。ようよううちも水洗便所ですわ。「ようやっと」は、「ようよう」と「やっと」の合成語。
まるまる まるごと 丸丸。すべて。丸まるのではありません。
まるまま まるごとそのまま 丸まま。「まるまるそのまま」。一部で使われる新しい言葉。
とことん 徹底的に しまいまでとことん付き合うたろやないか。
要は (話を)要するに 要するところは。要は取ってきたらええねやろ。
早い話(が) (話を)要するに 話をまとめると。早い話が取ってきたらええねやろ。
なんや なにやら、なんだか
まるで
「なにやら」の転。なんや知らんけど。なんやカエルみたいやな。
いっちょ、いっちょう ひとつ
just
一丁。ひと勝負、ひと仕事。いっちょやったろかいな。
いまさっき つい先ほど、今し方 「今」+「さっき」。大阪ではこれをセットで扱う。今なのかさっきなのかはっきりしない、あいまいで使い勝手の良い文句。
なんとなしに なんとなく 何となしに。古い書き言葉を避け、助詞を入れた活用をする。「どことなしに」「これとなしに」なども同じ。なんとなしにそない思うねんけど。
なんしか 何か、とにかく、なにせ、
どうしてか、なぜか
何しか。理由などが不明であること。「しか」は、「いつしか」「誰しか」とやや古めかしい表現。詠嘆にも使う。なんしか…。なんしか先生が言わはったんや。「なんし」とも言う。
いやがうえに 更に良いことが重なって 弥が上に。口頭では言わなくなった。
もしか もしかしたら、
もしかすると
下略形。もしか食べられるかもわからんで。もしかな。
おりに たまに 折りに。文語となってしまった言い方。現在は「たまに」が優勢。
じき(に) すぐ(に) 直。短い時間の意。「そのうち」のニュアンスが強い。お湯じきに沸くで、あいつはじき来るやろ、過ごしやすなるのももうじきやで、など。すぐに持ってこい、など、「じき」に置き換えられないものは「すぐ」を使う。
じか(に) 直(ちょく)、直接 直。床の上にじかに座る、下着を付けんとじかに着る、肌の上からじかに触る。
知って わざと 意図的に。それを承知の上で。悪意が含まれていることが多い。お母さんからは産まれていませんて?じぶん知って言うてるやろ。あの餓鬼、知ってこないなことやりくさってからに!
ちょっこと こざかしくも、小生意気に こいつちょっこと一丁前のこと言いよって。
あるきあるき 歩きながら 歩き歩き。重ね言葉。その話は歩き歩きしょうか。
いくいく ゆくゆく 行く行く。重ね言葉。行く先、行く末の意味。その話はいくいく考えるわ。子ぉもいくいくは巣立って行くのやろ。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【疑問詞】
なん(や) なに、なん(だ) 何や。代名詞。興味や疑問を表す「なになに?」は、「なんやなんや?」、物を見たり試したりする前に用いる「どれどれ」と同じ意味で使う「なになに」も「なんやなんや」を使う。縮まって「なやなや」。「なあに」も「なんや」になる。何から何まで、などと名詞扱いで言う場合は「なに」、なーんにもあれへん、と強調する場合は「なんに(も)」と言う。数や大きさなどを尋ねる場合も、「なにカップ?」ではなく「なんカップ?」になる。関東では「なにガップ?」と濁る。
なや なに、なんだ 何や。上項「なんや」の縮まった言い方で、気付きにくい大阪弁の1つ。二度重ねて用いる場合が多い。なやなや?私で良かったら聞いたるで? なやなや、そういうことかいな…。
どない どうです、
どうですか、
どう、どのよう
how;
How're you doing;
How are you;
How's it going;
How are things going
怎幺、怎麼、怎麼様
何様。形容動詞。もう一杯どないだっか、どないもこないもあるか、この世ん中どないなっとんねん!「どない?」「どないや?」「どないだす?」と、挨拶のひとつとして「最近の調子はどうですか」「最近何かおもしろいことでもありましたか」「仕事のはかどり具合はどうですか」等の意味で用いる場合が多い。返す挨拶は、「まあぼちぼちだんな」「さっぱりあきまへんわ」と詳細は述べず答える。西日本でや奥羽などでは「どない」「どねん」「どげん」「どがん」「どがあ」「どぎゃん」と同系列の語がある。京都では「どう」が優勢。
なんぼ いくつ、いくら
多少(銭)、多大(年紀)、
几个、幾歳
何程。副詞。「なにほど」の転。数量や金額、度合い、程度などを尋ねる、または不定数を表す語。いずれも区別しない。紀伊、伊勢を除く近畿、中国、四国、東九州を始め、奥羽、北海道でも使われている語。紀伊、伊勢から東海、北陸、東山、越後、佐渡、関東、西九州の「いく(幾)」は古い言葉で、「いくつ/ら」が日常語の地域では、改まった席で中央語にあたる上方の「なんぼ」を使用する所もある。日向で「なんぶ」、南九州で「いくっ」「どしこ」、北琉球で「いくち」「いかさ」、宮古で「いふつ」「なうぬぷさ」、八重山で「いこーび」「うび」「ぎゅーさ」。名詞としても用い、「安うてなんぼ」は、安いことに価値がある、「芸人は笑かしてなんぼ」は、笑わせることに意義や価値がある、「これくらいの怪我がなんぼのもんやねん」は、だからどうしたというのか、「東京がなんぼのもんじゃい」は、東京?それがどうしたの、「その服千なんぼしてたな」は、千円以上二千円未満、という意味。
なんで どうして、なぜ
Why
为什幺、為什麼
何故。陳述副詞。「なぜ」の転「なで」から。理由を尋ねる。なんでそんなに遅いのん、うちだけ貧しいのはなんで、なんでなんで、など。アクセントは「で」。「どうして」のように過程を白黒はっきりさせよと追及するものではない。北海道、奥羽、山陰、山陽、九州などでは「なして」を使う。
どちらはん、
どなたはん、
だれさん
どちらさま、どなた、だれ 何方様、誰方様。不定称の人代名詞。初めて知る人を「だれ?」といっては失礼なので、さん付けをする。丁寧に「どちらはん」、さらに丁寧に「どなたはん」と言う。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【形容動詞】
ぎょうさん、ようさん たくさん
lots; loads; heaps
很多、有的是、非常、许多
仰山。分量などが多いこと。主に副詞的に用いる。賽銭ぎょうさん入れたってや。ようさん残ってるがな食べてしまいや。
ようけ たくさん
too much; a lot
很多、许多
「余計」の転で、意味も転じた。「ぎょうさん」と同じく、分量などが多いこと。主に副詞的に用いる。こんだけようけ頼んどんねんさかいええ返事聞かしたりいな。
たんと たっぷりと 足んと。「たりぬと」の転。数量が多い「たくさん」の意味ではなく、数量が充分足りていること。ほれお母ちゃんのお乳やでたんと飲みなはれや。
うっつかっつ おっつかっつ 乙甲。「おっつかっつ」の転。甲乙つけがたい意。互角。どうやらこうやら。主に副詞的に用いる。
ぼとぼと びしょびしょ ぼとぼととしたたり落ちるほどぬれている様。雨にぬれてぼとぼとや。
ずくずく だくだく、
びしょびしょ
したたり落ちないほどにぬれている状態。汗でずくずくになってもた。
べちょべちょ べとべと 水分と粘り気を帯びている様。汗で服がもうべちょべちょや。
べちゃべちゃ べたべた よだれとあめちゃんでもうべちゃべちゃや。
びちびち びちゃびちゃ 液状ではあるが、全体量や粘り気が少なく張り詰めている状態。水気が多くなると「びちゃびちゃ」。下痢のことを指すことが多い。うちおなかびちびちやねん。朝からびちぐそこいてんのか。
だぼだぼ ぶかぶか この服だぼだぼや。あほあほと言っているのではない。
ぐすぐす、ごそごそ ぐさぐさ 物が空間しっかりとはまっておらず、ゆるい様。この釘ぐすぐすやな。
ちんちくりん -- 人や服などが小さいこと、縮んだ状態のこと。セーター洗うたらちんちくりんになってもうたわ。横にいてるちんちくりんのおっさん誰や?
わや めちゃくちゃ
a screw up; a mess
不行、失败、乱七八槽
めちゃくちゃであること。こんなに散らかしてわややがな! 何やってもさっぱりわやや。もうわやになる。わや言うな。「わやくちゃ」「わやくそ」ともいう。近畿の他、四国、西東海、西奥羽、中国、北九州などでも言う。
しっちゃかめっちゃか めちゃくちゃ 混乱した様をくだけていう語。東京の「ひっちゃかめっちゃか」は「シ」と「ヒ」の混同現象によるもの。
気の毒 気の毒、可哀想 相手を哀れに思い、人に同情する言葉。元々自分の心の苦しみに対して用いたものが転用された。国の言うこと聞いたばっかりに家失うてもうたんか、気の毒にな。
こうと 地味 公道。「派手」の反対語。上品で質素。落ち着きのある。このべべ、あてにはちょっとこうとやろか。あの人、ここの会長やのに、えらいこうとな人やわ。古老が使う。
やたけた むやみ、やたら、
投げやり、やぶれかぶれ、
自暴自棄、無謀、無思慮、
やけくそ
弥猛た。無考えのこと、またその人。やたけたに大きい声を出す、親がやたけたでも子は育つ、こんなやたけた奴でもつとまるのんか、よう考えもせんとやたけたに動いたらこっちがやられるねんで。
もひとつ いまいち 出来などが、もうひとつ良くないの意。このみそ汁もひとつやな。西日本ではよく使う。
ちょっと できない、
好きではない、
わからない
「ちょっとできない」「ちょっと好きではない」「ちょっとわからない」などの下略形。拒否や能力不可能をやんわりと伝える。逆上がりはちょっと…。校長先生はちょっと…。明日来れるかどうかはちょっと…。
ちょっと 来てください 「ちょっと来てもらえんか」「ちょっと来てくれんか」の下略形。天野はん、ちょっと。
どっこいどっこい 五分五分、とんとん 「どっこい」は「何処へ」から。互いに優劣のない様。どっこいどっこいやな。
ごっちゃ ごちゃごちゃ 「ごちゃごちゃ」の「ごちゃ」。入り乱れて両者の区別がわからなくなること。おまえ東京弁と標準語とごっちゃなやいか。
たいそ、たいそう 立派、大げさ 大層。程度がはなはだしく、規模などが大がかりである様。大げさな様。なんちゅうたいそなおばはんや。
あこぎ あくどい 阿漕。しつこくずうずうしい様。あこぎな商売やなあ。三重県津市の「阿漕」という地名から。
よう(に) ふう(に) 様に。こないなようになりますねん。じぶんのええようにしい。
いちころ 容易、たやすい 一ころ。一度にコロリとの意味から。全国に広まった大阪言葉。
つつんこ つつぬけ 筒抜こ。木造アパートやさかい隣何話しとるかつつんこやがな。
ままこ、ねこ だま 継粉。小麦粉などが水と混ざらずに粉のまま残っている状態。転じて、仲間外れのことにもいう。ままこしたらいかん、仲良うしなはれや。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【名詞的形容動詞】
ほんま 本当、誠、真実、
(まったく)、(実(は))
truth; right; right;
true; veritable;
I'm all ears; do tell
眞的
本真。ほんまに好きやねんなあ大阪弁。さっき言うとった話ほんまか。ちゃいまんねんてほんまに。ほんまにほんまにほんまのほんま? まったくあきれた人だねえ、の「まったく」は「ほんま」に置き換えられる。「ほんまは○○やねん」という場合は、実は…、という意味合いになる。共感し、相づちを打つ際にも「ほんまぁ」「ああほんまぁ」「ほんまだっか」と用いるが、本当か?と質問しているわけではないので注意。東京には「そう…」「あっそう」「そうなの」「だよねぇ」「まじで?」など共感表現は多くあるが、大阪では「ほんまぁ」くらいしかない。信じがたい内容の話に対しては「ほんま?」と言って驚きを表し、東京に多い「うそ!?」や「信じられない」「有り得ない」など否定的な言い方はしない。西日本に広がった大阪の言葉。陸中で「ほにほに」、「ほんのこと」は九州、「まじ(で)」は東京方言。
ほんま(に)、んま(に) 本当に、まったく 主に感嘆詞的に用いる。「ほんまに腹が立つ」「ほんまにもう」「ほんまに駄目な奴だ」「ほんまにしょうがない奴だ」などの下略で、憤怒や落胆を表す。人がいっしょけんめ仕事してんのに、ほんま…! ちゃんとやらんかいな、んまにぃ。「ほ」が脱落して「んまに」とも言い、口を閉じて発声を始めるので、鼻から息が漏れる。「ん」の長さで気持ちを表現する。東京の「(ま)ったく」に相当。
ほん ほんの、ほんとうに 助詞の「の」「に」を省略した言い方。「ほん(の)」は、わずか、少量の意で、「ほん(に)」は「ほんま」と同じで、本当に、誠に、の意を表す。ほん、寒なってきましたな。ほん、こんの前だす。ほん、箱だけでおまっけど。老年層が使用。京都や近江、若狭でも使う。
あほ ばか
stupid; idiot; dumb; fool;
crazy; dope; moron
愚笨、笨蛋、呆子、愚蠢、俊瓜
阿呆。愚かな様や人の意。大阪ではただのツッコミ言葉で、しばしば親愛の念も込められることもあり、その使い道は広い。「あほちゃう?」は「あっちゃーぁ?」に近い発音。「あーほ!」や「あほあほあほあほ!」「あんたなんか…もうあほー!」のような使い方はしない。近畿一帯で使用。「阿呆」が中国の江南から持ち込まれる100年ほど前には「馬鹿」が京で話されていた。「馬鹿」は当て字だが、古語の「おこ」に由来し、江戸から再伝播した関東、奥羽、信越、東東海、西中国、西四国、九州の方言。丹後、但馬、四国で「あほう」、中京では「たわけ(田分け・戯け)」、播磨や神戸では「だぼ」、紀伊で「うとい」、伊瀬、志摩や吉備で「あんごう(暗向)」、四国、西東海で「とろい」、畿内、北信濃、周防で「ぼけ」、北関東や伊予で「こけ」、山陰で「だら」、西九州で「ほうけ」、奥羽や南九州で「ほんじなし(本地無し)」、沖縄で「ふりむん」など。
あほだら、
あほんだら
ばかやろう 阿呆陀羅。「あんだら」とも言う。大阪では使用しない、河内言葉。
けったい おかしい、変、妙
weird
古怪
卦体。“奇怪”と書いて“きっかい”と読むのと同じ。あの人けったいやな、けったいな格好してはるわ。
しゅうたん みすぼらしい、貧相、落胆 愁嘆。涙物の場面のことを愁嘆場という。そんな愁嘆なこと言うな、愁嘆な格好に見えるで、こら愁嘆であかんわ。
変な(なる) 変に(なる) 「変なのに」の転。ナ行音の連続で短縮された。そんなことしてたら変ななるわ。比較的新しい言い方。
そんなり それなり 其ん成り。安い言うても元が元だけにそんなりのもんやろ。鼻音の前の拍は撥音になりやすい。
はみご 仲間はずれ、のけ者 仲間からはみ出した子。子供のうちで使われる。ナニワクエスト持ってへんし、学校でも家帰ってもうちだけはみごやねん。
ごまめ ハンディキャップのある子、
大目に見られる子
一人前ではないが仲間に混じること、その人。義理で遊びに加わる子供。子供が遊ぶとき、必ず兄弟の上の子は下の子をお守りする時代背景があり、幼い子は遊びのルールはあってない扱いに。鬼ごっこではタッチされてもオニにならなくてもよく、大目に見るといった具合。大きな魚同士が争っている側で泳いでいる小魚にたとえたもの。ごまめのとと交じり。ごまめの歯ぎしり。大阪でも下町の地区でしか使われていない。この子はごまめやでえ。ごまめにしてたらあかん。東京の「みそっかす」ほど見下してはいない。
しぶちん けち、けちんぼ、
吝嗇家(りんしょくか)
a tightwad; stingy
小气、吝啬、节俭
何かとしぶる人のこと。腰の重い人のこと。ええしの人ほど銭に細こうてしぶちんや。
こましゃくれ おませ
be mature for one's age;
sound like an adult
大人びていている、ませた、生意気を言う子供のこと。この子こましゃくれやねん。動詞形は「こましゃくれる」。ほんまにこまっしゃくれた子ぉや。
やんちゃ、
やんちゃくれ
いたずらっ子、
わんぱく小僧
mischievous child; a little stinker
淘气、调皮
「悪さ」の意味でも使う。もうほんまにやんちゃやねんから。やんちゃしたらあかんで。わてはなにわのやんちゃくれや。
ごんた、ごんたくれ いたずらぼうず、
悪ガキ、
わんぱく小僧、
いたずらっ子
a mischievous child
淘气、调皮、任性
権太。ある芝居の登場人物名から。「やんちゃ」よりたちが悪い。このごんたくれが! 淡路島で「ごんたくそ」。
あまえた、あまたれ 甘えん坊、甘ったれ
spoiled child;
kid oneself
甘えた。「た」は「たれ」。「あまいた」ともいう。甘いた生姜板、というはやし言葉もある。
あまちゃん 甘い考え
kid oneself
甘ちゃん。甘い考え、またその人。そんなんではまだまだ甘ちゃんやで。考えの甘いことを「あまち」とも言う。
はっさい おてんば 発才。男の子に負けないくらい元気の良い娘。利口から転じて、おてんばの意味に。
げす -- 下衆。素性のいやしい者、身分の下の者。品性が下劣なこと。また、そのような人や様。下衆の勘繰り。
ずぼら ものぐさ、ぐうたら、
面倒くさがり屋、
なまけ者、横着(者)
lazy
懒汉、吊儿郎当
「ずべら」の転。不精をする様、しなければならないことをしないでなまけている様、またその人。わいずぼらやさかい手ぇの届くとこになんでも置いてまんねん。ずぼらしてたらあかんで。
げら 笑い上戸 よく笑う人のこと。「げらげら笑う」の「げら」から。おまえげらやなあ。
ちょけ ふざけ、おどけ なにかと落ち着かず、行動が軽率な人や様。ちょかちょかする人。おちょけはやめなはれ。おまえはちょけか。動詞は「ちょける」。
すかんたこ 嫌な人 好かんたこ。嫌なお人というニュアンス。
がんまち 自分勝手 自分勝手に物事を行うこと。欲張って出しゃばること。がんまちな人。
がい わがまま
任性
我意。我意な子ぉやな。我意で甘えたでしかもかんてきばっかし。「我意を張る」で、意地を張る、わがままを通す、という意味になる。
ざぶねこ -- 座布猫。座布団の上から動かないこと。何をやっても座布団の上から動こうとしない猫にたとえて言う。
うちわ 身内、家庭内、内緒 内輪。内部の意味。そういう話は内輪でやってんか。内輪もめ。内輪だけの話の意味で、内緒という意味でも使う。今の話は内輪にしといてな。
うちわ 控えめ、少なめ 内輪。どない内輪に見積もっても赤字やで。
うちわ 内股 内輪。なぜかオカマは内輪で歩きやる。反対語は「そとわ」。
てれこ 互い違い、あべこべ、
行き違い、代わる代わる
to pass someone
交叉、轮流
「手入れこ」の変化で、「手入れ」は手を加える意、「こ」は交互にする意。物事を互い違いにすること。交互にすること。また、食い違いになっていること。もと歌舞伎用語。靴てれこや。段取りが行き違いでてれこてれこになってしもた。
いびつ ゆがんでいる 歪。形がゆがんでいたり曲がっていたりすること。この壺いびつな形してんなあ。
ぐいち 食い違い、ちぐはぐ 五一。博打で、いかさまサイコロの五の目と一の目が向かい合っていないことに由来する。
だんち 段違い ボタン、だんちになってんで。
ぎっちょ 左利き 何事も右手で物事を行う人が多い中、反対に左手を主に使って物事を行う人のこと、またその左利きのこと。そらなんぼぎっちょや言うたかてツッコむ時くらいは右手やわいな。
びっこ -- 肛。片方の足が不自由で、歩き方が不自然であること。「びっこ(を)引く」と使う。
かたちんば -- 片瘋。一対の物の片方が欠けているもの。略して「かたちん」。片足の不自由な状態であることについても言う。かたちんばでびっこ引いてんのか。標準語では「ちんば」は差別用語に指定された。
がんち 片目 片目の不自由な状態、その人。「眼」+「ちんば」か。
ちかめ・とおめ 近視、近眼・遠視 近目。遠目。近くしか見えない、遠くしか見えない人や状態。
パー 台無し 防虫剤を入れ忘れて服がパーになった。
ぴーぴー 下痢
拉肚子
おなかを下すこと。おなかを壊すこと。またその状態。おなかぴーぴーやねん。「ぴっぴ」ともいう。
ぶた でぶ
豚。太った人に対する罵倒語。このぶたがぁ。百貫豚。略称は「ぶう」、愛称は「ぶうちゃん」。
ぶう、ぶうちゃん おでぶちゃん
ブウちゃん。太っている様、またその人の愛称。太井さん知らんか?ほれいつものあのブウちゃんやがな。わたいもおなかブーやさかいな、こないな服しか着られへんねん。豚肉のこともブウちゃんという。焼きそばしょう思うとったら、ぶうちゃんあれへんやないか。
いちびり お調子者、出しゃばり
a cut up; a wise guy;
to down around
做怪相、疯闹、闹玩
「いちびる」の名詞形。調子に乗っている人。リーダーシップ性を持つ意味も含まれている。大阪特有の語。先輩が腰低うしとったらええ気になりよりくさってからに、おまえいちびりか。こない儲かりもせえへんけったいなことしてんのんはわてだけだっせ、いちびりやさかいな。
いきり かっこつけ、きざ 粋がって、自分を格好良く見せようとする様、その人。「粋」の動詞化「いきる」の連用形「いきり」から。
いらち せっかち
nervous; jittery; jumpy
急性子、心急焦躁
苛ち。「いらつ」の連用形。落ち着きのない人のこと。ただ単にいそいそとしているのではなく、時間の損得を意識する大阪人の人間性が表れている。小心者で気が小さくそわそわしている場合には当てはまらない。
すかたん まぬけ
a failure; a screw up
失败、落空
「すか」は「はずれ」、「たん」は「たれ」。つまり、ミスや失敗ばかりすること。また、その人。「まぬけ」にとってかわった語。なんやあんたなんかすかたんのくせに!
あんぽんたん ばかたれ 「あほ」をあざ笑っていう言葉。「あほたれ」から派生。
へんこ 偏屈、頑固、
へそまがり
意地っ張り、堅物
偏固。「へんくつ」「へんこつ」の転。性質が素直でなく、ねじけていること。「変(な)子」ではない。
こんじょわる 意地が悪い、
根性が悪い
根性悪。性格の悪い人、素直でない人のこと。「やらしい」より悪質。会費が高かったら同窓会行けへんわと本気で言ったり、交際を申し込んでおきながら本人のわがままにより破局へ追い込む人のこと。略して「こんじょ」、さらに強めて「どこんじょ」とも言う。ド根性ガエルは根性の悪いカエル。
根性ばば、
根性ばば色
意地が悪い、
根性が悪い、
心の根が腐っている
意地悪な。根性がうんち。つまり、心が汚いこと。略して「こんばば」ともいう。おまえ根性ばばやのう。
いっちょかみ 口出し
interference
一丁噛み。何にでも口をはさむ人、何にでも首を突っ込んでくる人、またその行為。あいついっちょかみや。いっちょかみしてきよった。
ちゃらんぽらん いい加減、適当 「ちゃらほら」の転。ぞんざい、適当で、無責任なこと。行政がちゃらんぽらんでどないする、あいつはちゃらんぽらんやしな。
むさんこ めちゃくちゃ もうあんたはむさんこなことをして、むさんこにお金使うばっかしで、頭がむさんこやよってにや。
すけべえ、すけべ エッチ、変態、
いやらしい(人)
助平。「好き兵衛」の転。卑猥な行いをする人や、そうすること。メカイチ。男はみなすけべえやねん。このどすけべ! ちなみにアルファベットの「H」は「エイチ」と発音する。
おとこまえ おとこまえ
handsome
リ巾
男前。美しい顔立ちの男、またその顔。きょうのゲストはえらいおっとこまえやな。散髪し終えたばかりの男の子や、風呂上がりの男性に対しても使う。はい、終わったで、男前なったなあ。サウナでも入って男前なってきぃや。「ええ男」とも言う。女の場合は「女前」とは言わず、「べっぴん」を使う。東京の「かっこいい男」「いけめん」などに相当。
べっぴん 美人
beauty;
beautiful woman;
beautiful girl
漂亮
別嬪。「別品」から。別格に美しい女性のこと。「べっぴんさん」ともいう。えらいべっぴんになりはって。いや、どこのべっぴんさんか思たわ。散髪し終えたばかりの女の子や、風呂上がりの女性、泣いている女の子をなだめる場合に対しても使う。はい、終わったで、べっぴんさんなったなあ。おっ、べっぴんさんが出てきよったで。もう泣きなて、べっぴんさんが台無しやがな。名古屋発祥。
へちゃ 不美人、不器量 鼻が低いこと、また不器量なこと。女の子に対して使用する。対義語は「べっぴん」。おへちゃな娘。価値のない人のことは「へちゃむくれ」という。「鼻が高い」の反語が「鼻べちゃ」で、面目丸つぶれ、の意味になる。
かんしょやみ 神経質 燗症病み。神経質、潔癖症などのこと。小さな事でも気になってしまう気質や体質。
当たりき 当たり前
always;
of course
昔の子供のはやし言葉。そんなん当たりきやで。当たりきしゃりきケツの穴ブリキ。今では言わなくなった。
おけんたい 当たり前、当然
always;
of course
それをあたかも当然のように振る舞うこと。税金は庶民のぜぜやのに、それをまるでおけんたいにもらえるもんや思てんのが今の役人や政治家や。西日本各地で使われていた。
たいぎ 面倒 大儀。この歳にもなるとものを動かすのんも大儀やわ。一世代古い語。
必死のパッチ 必死 「必死」の強調。「ひっし」は「七」、「ぱっち」は「八」。「なすがまま、きゅうりがパパ」「書いてちょんまげ」のような語呂合わせで、「パッチ」そのものには意味はない。手ぇ抜いとったんちゃうわ、必死のパッチで走ったわい。今は大阪弁探すのんより、仕事探すのんに必死のパッチやねん!
ぶきっちょ 不器用 不器用である様やそうである人。なんちゅう持ち方してんのや、ぶきっちょなやっちゃのう。北関東方言か。
気さく 気さく 気避く。「さく」は「さくっと」「さくさく」の形容詞化「さくい」から。気さくに話しかけてくれる人は付き合いやすいな。形容詞としても用いる。気さくい人ほど付き合いやすい人はおれへんやろ。
きさんじ 明朗、気さく 気散じ。明朗快活でさっぱりしている。人見知りせず人なつこい。くよくよしたりこだわったりしない。きさんじな子ぉほど育てやすいもんはないな。反対語は「きうつ(気鬱)」。
きがいしょ -- 気甲斐性。気がしっかりしている、精神的にしっかりしていること。ここの会長はんは身体は弱いけど気がいしょやし大丈夫やろ。
かいしょなし 頼りない人 甲斐性無し。甲斐性のない人や様。
じゅんさい でたらめ、
いいかげん
meaningless; bull; a tall story
荒唐、胡说八道、马马虎虎、胡乱
蓴菜。どっちつかずであること。スイレン科の食用の多年生水草でぬめりをもつことから、それにたとえていわれる。じゅんさいはん。
しょうみ 正直なところ、
正直言って
bottom line
正味。本当の、の意味。正味の話。正味こんなもんかいな。正味量1kg。若者は「ぶっちゃけ」も使う。
ぼろくそ、ぼろかす、
くそかす
ぼろくそ 襤褸糞、襤褸滓、糞滓。汚い物、不要な物の二重表現。めちゃくちゃ、ひどく。なんもしてへんのにぼろかすに言われてんで。そない尻から出た虫のようにぼろかすに言うもんやおまへんで。「ぼろんちょん」とも言う。
ぶさいく ブス、
かっこわるい、
見栄えが悪い
又隹看
不細工。人や物などに対して、出来の悪いものに使う。ぶっさいくな顔やなあ。主人の顔がぶさいくやったら飼うてる犬も建てた家もぶさいくやな。房総や中国、四国、津軽などでは「ふうが悪い」。
まっさら 真新しい 真新、真更。新しい物を「さら」という。まっさらな布。まっさらの帳面。
ハイカラ 天カス入り 目新しく、しゃれていること。もともとは「ハイ」は高い、「カラー」はえりのことで、洋服のえりのことを言った。「ハイカラうどん」で「天カス入りうどん」のこと。
どつぼ 最悪、雪隠詰め 野壺。「どつぼ」は「のつぼ」の転で、「肥溜め」のこと。「どつぼにはまる」で最悪の状態になること。略して「どつぼ」。どつぼや。
遠慮のかたまり ひとつ残し 大きなお皿に盛った料理などをみんなで食べていると最後にひとつ残り、「私はよいので食べてください」と誰もが遠慮して手を出さなくなること。また、その残された物。
まぜこぜ ごちゃまぜ いろいろなものを無秩序に混じり合わせること。
め、めんめ だめ、こら 幼い子に注意を促したり、叱ったりする際に用いる。
やくたい 無益、無謀、駄目 益体。「益体もない」の下略。何の役にも立たない。つまらない。また、とんでもない。駄目であること。
せちべん けち、狭量 世智弁。仏教語の「世智弁慧」「世智弁聰」「世智弁聡」の下略。世才にたけている様。こざかしい様。また勘定高くけちな様。せちべんなやつ。
ちゃら ご破算 「さら(更・新)」の転。差し引きゼロにすること。貸し借りなし。借金をちゃらにする。11レースとってこれでちゃらやな。あの話ちゃらになったわ。「へっちゃら(平更)」もこの「ちゃら」。
しんど 苦労、骨折り 「心労」「辛労」が転じた語。疲れて苦しいこと。「しんどい」の語源。
すい いき 粋。上方では音読みになる。すいな人やな。
おんと 温順 穏当。性格がいたって穏やかである。おんとな子ぉやなあ。
ぎこつ 無骨 堅苦しく融通の利かない意。動きも考え方も固うてぎこつな人やなあ。無愛想で荒っぽい。無骨である。形容詞形は「ぎこつない」。
どくしょう むごたらしい、ひどい 毒性。残忍でひどい。えらい毒性なことされよった。蜂に刺されただけやのに毒性に腫れてもた。近畿、北陸などで言う。
あけすけ 露骨 明け透け。隠すことなく、遠慮をせずにはっきりとあらわす。明け透けにもの言う。
にんにゃか にぎやか 賑やか。にんにゃかな町やなあ。「にんにゃかし」は、賑やかにすること、賑やかにする人のこと。観客席に芸能人ぎょうさん入れてんのんはな、ただのにんにゃかしや。内容もわからんと騒いでるだけや。
いけいけ、いねいね 相殺(状態) お互いに打ち消す状態のこと。小切手もろて権利書渡してこれでいけいけやな。せっかくの儲けも借金でいねいねやわ。この罫とトンボが重なってていけいけやで。ディスコで踊っているような若い女性のことではない。
いけいけ 通通(つうつう)、相互貫通 行け行け。空間的、情報的に互いに通じる状態のこと。こんだけ大きい穴空いたら隣の部屋と行け行けやないか。
べた べたべたのギャグ、
べたべたのネタ
下手のことではなく、ありふれた内容のこと。興産?もうお手上げ!そら降参や。べたやな。
ばればれ -- 「ばれる」の名詞形容動詞化。隠していることを知られてしまった状態であること。新聞にも載ったし、もうばればれや。
どろどろ (どろどろ) 水気を帯びた土、液体と固体の中間的な状態。特に、服などが汚れる場合についていう。砂が付着しても、ペンキが付着してもこのように言う。あんたこけてんやろ、体操服どろどろやがな。
おそおそ -- 遅々。「遅い」の名詞形容動詞化。帰ってくるのおそおそやさかいな。
さぶさぶ -- 寒々。寒い状態であること。熱い状態を「あつあつ」と言うのと同じ。
すってんてん 一文なし、極貧
be gone; have gone
金や財産を全部失った状態。
すっからかん からっぽ
be gone; have gone
素っ空空。「すっかりから」の転。「すっかり」は仏教語の「悉皆(しっかい)」から。全くからっぽである様。中に何も残っていない様。あと21円使たらわての財布すっからかんやで。
あんけらそ 呆然 ぽかんとしている様、またその人。「あんけ」はぽかんと口を開けている様。あんけらその顔しとる。どこ行っとってん、このあんけらそ。どこ見て歩いとんねん、このあんけらそが。
ずんべらぼん のっぺらぼう 「ずべら坊」の転。ずぼらをする人の意から、何もない、起伏や凹凸などが何もついてないこと。山も谷もあれへんずんべらぼんな場所やなあ。財布の中身ものうなって、ずんべらぼんや。おまえのどこがグラマーやねん、ずんべらぼんやないか。
くちまめ 口忠実 口が達者、話が巧み、の意味。よくしゃべる様。口数の多い様。また、その人。良い意味では、お礼や報告などができる人、悪い意味では、単におしゃべりの人。
言い無し 他言無用 他人に言わないでおくこと。今の話は言い無しやで。
いれかけ 中止 入れ掛け。途中で止めること。雨で相撲や芝居を中止したことから。きょうは雨やさかい、花火はいれかけにしとこか。新幹線まで使うて来たのにオフ会いれかけてなんやねん。あまり聞かれなくなった。
おんなじ、おんなし おなじ、おんなじ 同し。区別がない意。濁りがなくなった。あれもこれもおんなしやな。「一緒」も使う。
いっしょ -- 一緒。お母ちゃんと一緒におる、あれもこれも一緒にしてまう、という使い方の他、「同じ」という意味で、うちの子ぉはみな一緒んとっから産まれてきてんで、のようにも使う。
げんぎん 現金
現銭、現金
現銀。銭、お金のこと。また、損得によって態度を変える様。上方ではもともと銀本位制で、東京の金本位制に統一されるまで、銀こそが価値のある金属であったため、この言い方が残っている。払うてくれるのは現銀か、小切手か、手形か、カードか、為替か。おまえも現銀なやっちゃな。
やっかい やっかい 家居。「やかい」に上方流に促音「っ」が入った。家に居る人の意味から転じて、同居人、世話になる、面倒を見る、さらには大変で困るという意味になった。「厄介」は当て字。
およそ ぞんざい、不注意 大凡、凡そ。「おおよそ」の縮まった言い方で、「約」という意味の他に、万事に不注意であることを表す。アクセントは「高低低」。およそなさかいそないな間違い起こすねや、(私が)およそなことはわかっとります。
まっすぐ まっすぐ 真っ直ぐ。2点を結ぶ線の距離が最短である状態。寄り道をしないこと。近畿、東四国、山陽、北陸、東海、南関東、奥羽での言い方。信越、北関東、奥羽では「まっつぐ」と子音が強くなる。奥吉野、山陽、西四国、九州では「すぐい」「まっすぐい」と形容詞的活用をする。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【名詞的形容動詞(~する)】
せっしょう かわいそう、酷、
ひどい、あんまり(だ)
殺生。生き物の命を奪うこと。元仏教用語。解雇?んな殺生な。小さな命でも殺生したらあかんで。
なんぎ 困った(人、物、事)
impossible
難儀。困ること。苦しむこと。また、難しくて大変なこと。難儀する、は苦しむこと、難儀やなぁ、は困ったことだなあという意味。「なぎ」とも言う。
てんご いたずら、悪ふざけ、
余計なこと
to make mischief
淘气、恶作剧
転合。「ちょっかい」よりも悪意が強い。「悪さ」ともいう。落書きのことを「転合書き」という。あの子てんごしやはるし。てんごしな! てんご言うたりなや、と、いらんこと言うたりなやと同じ意味でも使う。
ちんちんかもかも 熱々、ラブラブ 略して「ちんかも」。男女の仲の極めて睦まじいこと。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【指示代名詞】
せ(やなし)、
それ(とちがう)
そう(ではない、じゃない) 文脈上の指示代名詞。そうではない何々、という言い方に限り、それとちがう、とも言う。せやなしに。それとちごて。
あれ なに 彼。不確かな物事を扱う際に便利な言葉。指示代名詞だが、空間的、時間的なある物事を指すのではなく、あからさまに口に出して周囲の人に察せられては困ることなど、本人が単に言いたい言葉を思い出せなかったりする際に発する言葉。話の前後で内容を理解する。あいまいな表現。長い説明の代わりに前もって一呼吸おく場合や、直接表現を避けるためにも使われる。ほれあれやがな、思い出せんけど。最近の若い者はあれやな。これはあれですわ、子供を守る法律ですわ。経験あれへんわたいが言うのんもあれだっけど。あれのあれはあれやな。
あこ、あっこ あそこ
那儿、那裡
傘ならあっこに置いたあるで。「ここ」「そこ」「あこ」「どこ」と覚えやすい。
どっちゃ どっち、どちら 「どちら」の転。どっちゃでもええ。
こいつ これ、この男、このやろう 此奴。「こやつ」の転。「やつ」は、男を指す場合が多い。どこで引っかけてんなこないなかいらし子ぉ、こいつぅ。大阪をめちゃくちゃにしよってからに、こいつだけは許しとかれへん…!「この」「このー」「このこの」などという言い方はしない。ちょっと待たんかこいつ! 物に対しても使う。持っていくのんこいつかいな。
そいつ それ、その男 其奴。「そやつ」の転。物に対しても使う。そいつ取ってこっちほってんか。
あいつ あれ、あの男、あのやろう 彼奴。「あやつ」の転。物に対しても使う。あいつ持ってきてえな。
どいつ どれ、どの男 何奴。「どやつ」の転。物に対しても使う。欲しいのんどいつやねん。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【人代名詞】
わて わたくし、わたし
I; me
「私」の最終形態。大阪を代表する一人称。主に女性が使うが、船場では男性も使用した。複数形は「わてら」。わてほんまによう言わんわ。奥羽では「わ」。
あて あたくし、あたし
I; me
同じく「私」。「わがつま」が「あがつま」「あづま」に転じたように、古来から、一人称の「わ」は、「あ」に頻繁に転じていた。主に女性が用いる。今はほとんど聞かない。複数形は「あてら」。
わい わし、おれ、ぼく
I; me
主に男性が使用する一人称。くだけた言い方で、幼い子供でも使う。複数形は「わいら」。中国や九州でも使う。和歌山では「わえ」。
わし わし、おれ、ぼく
I; me
儂。男性一人称。和泉では女性も使う。男女問わず、「おれ」「おら」「おいら」などは東日本に多く、「わたし」「わし」「わい」などは西日本に多い。奥羽では「わ」、九州では「おい」も使う。しもべの意味を持つ音読みの「僕(ぼく)」は使わない。複数形は「わしら」。
わたい わたくし、わたし
I; me
私。「わたし」の少しくだけた語。主に女性の一人称だが、男性も使う。「わて」の前身。複数形は「わたいら」。
あたい あたくし、あたし
I; me
私。主に女性が用いる。複数形は「あたいら」。
うち わたし、あたし
I; me
内。女性が自分のことを指して言う言葉。複数形は「うちら」。アクセントは「う」。西日本で広く使われている語。和泉では「わし」。近年東京の若者が男女に関係なく言い始めている。
うち こちら、私ども、
弊社
we; me
一人称複数形、または話者に所属する集団。うちの者に行かせますよって、うちの父親は寺川さんとこのお父はんより不細工だす。
さきさん、むこさん 先方 先様。向様。「さきさん」のほうが丁寧。
ひとさん ひとさま 人様。他人の敬称。ひとさんの前でそないなことしな。
わい おまえ 男性が使用する二人称。また、亭主から見た妻に対する呼称で、「じぶん」の一世代古い言い方。現在は聞かなくなった。九州でも相手のことを指して使う。わい、どないや。
じぶん あなた、おまえ、きみ 自分。二人称。通常仮名書き。主に、中若年の男性が使用。幼児に「ぼく」「わたし」と言うのと同じ。相手の立場に立ってものを言う思いやりのある言い方だが、初対面では使わない。東京のように面と向かって「きみ」と言われると、キザで見下されているという印象を受けてしまう。「きみ」は1500年以上前の非常に古い言い方で、詩や短歌の他には使わない。「あなた」と言われると、ストレートすぎできつく、他人行儀で不自然に感じられる。私のことを「自分」というのは元軍隊用語で間違い。
われ おまえ、自分、
きさま、(この)やろう
威嚇などに使用する二人称。古代は一人称として用いていた。指示器出さんかわれ。「われ!」のように感嘆詞的に使う場合もある。河内や和泉では親しい相手に用い、よう来たのうわーれー、と威嚇に関係なく使う。複数形は「われら」ではなく、「わいら」。和泉で「わえ」「わら」「うら」、山陽で「わりゃ」。
わが 自分、おのれ 我が。自分自身のこと。わがばかりええ思いして、わがのことはわがでやるわ、というふうに使う。二人称および一人称。
おどれ、おんどれ おのれ 己。二人称。河内言葉。やれ言うたんはおんどれやないかい。「われ」と同様、威嚇語としても使う。西日本では「おどれ」「おどりゃあ」「おんどりゃあ」が多い。おどれ! と言われて踊ってしまうと笑われる。
あんた あなた
you; may dear
貴方。二人称。妻が夫を呼ぶときに限らず、親近呼称として使う。主に中年若年の女性が使用。あんたもやったらできる子ぉやねんさかい。あんたが起こして言うたんちゃうのん。「あなた」と言われると、かなりきつく感じられる。
あんさん、あんたはん あなた様 貴方様。「あなた」の丁寧な言い方。妻から夫を呼ぶ際にも使う。「あんたはん」はさらに丁寧な言い方で、目上に用いる。
おまはん おまえ様 「おまえ」の丁寧な言い方。さらに縮まって「おまん」とも言う。「あんさん」の方が丁寧。播磨から摂津、河内、和泉などでも使う。船場言葉。土佐や中京で「おんし(御主)」。
おうち おたく 御内、御家。二人称敬称で、人や家に対して用いる。相手の家のことを敬って「おうち」という意から。これおうちさんのんと違いますか。パソコンおうち、アニメおうち、のような使い方はしない。
この/その/あの(男の)人・
この/その/あの(女の)人
彼・彼女
他・女也・那个人、那位
「かれ」「かの」は古典に登場するくらい古い言い方。英語の和訳でも、“この人が後はやってくれますので”“その男はそこに立っていました”“あの女の人はナンシーさんです”としたほうが自然。東京では人に声を掛けるときでも「彼氏」や「彼女」を使うらしい。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【一般名詞】
めぇ・ちぃ・はぁ 目/芽/眼・血/地・歯/葉/刃 1;500年前から上方では一音節の単語を2拍で発音した。近畿、北陸、四国では音が伸びる。
きぃ・せぇ・ひぃ・すぅ・しぃ・こぉ・かぁ 木/気・背/瀬・日/火/碑/比・酢/洲/巣・市/詞/詩/・子/弧/粉・蚊/課 同上。母音の長音化。このあとに続く助詞は省略される。
えぇ・ねぇ・みぃ・りぃ・わぁ・かぁ・さぁ・ゆぅ・もぉ・てぇ・とぉ・やぁ・けぇ・いぃ・うぅ・おぉ・たぁ・へぇ・ほぉ・まぁ・ろぉ 柄/絵・根/値・身・理・輪・蚊・差・湯・藻・手・戸・矢・毛・胃・鵜・尾・田・屁・帆・間・炉 上に同じ。理ぃにかなう。輪ぁに入る。差ぁなんぼ。屁ぇ出た。胃ぃ痛い。
がぁ・ぶぅ・じぃ・ずぅ・ぢぃ・ぐぅ・ごぉ・ばぁ・ちゃぁ 我/蛾・部/分・図・痔・具・碁・場・茶 同上。我ぁ強い。分ぅ悪い。痔ぃ悪いねん。茶ぁ飲もか。
ねぇ・うし・とら・うぅ・たつ・みぃ・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・いぃ 子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥 十二支での数え方でも一音節なら伸ばして発音する。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【一般名詞(人物)】
お人 お方 「人」の丁寧な言い方。「かた」よりも「ひと」を多く使う。
おかあはん おかあさん お母はん。身内でも使用する。「さん」は使わない。京都でもこの言い方。
おとうはん おとうさん お父はん。身内でも使用する。「さん」は使わない。京都でもこの言い方。
おかあちゃん おかあさん お母ちゃん。親しみを込めた表現。「さん」づけではよそよそしくなる。おかあちゃんに相談してみ。堺以北での言い方。北摂、南河内、和泉で「おかちゃん」、和泉や能勢で「おか(ぁ)」など。
おとうちゃん おとうさん お父ちゃん。親しみを込めた表現。「さん」づけではよそよそしくなる。じぶん、おとうちゃん何やってはんのん。堺以北での言い方。北河内では「おとったん」、河内や和泉、能勢で「おと(っ)つぁん」、和泉で「ちゃん」など。
おかん おかあさん、おふくろ
mother
母亲、妈妈
お母ん。上方でもともと「おかあはん」と言っていたものが縮まったもの。大阪ならではの味わいのある呼び方。男の子も「おかあはん」と言っていたのが中学生になると「おかん」と言うようになる。東京のように「パパ」「ママ」とは絶対に言わず、これはみなマンガやテレビの中の出来事と思っている。「おかかん」や「おっかさん」などを押さえ、全国標準語となった系列の最新形態の語。
おとん おとうさん、おやじ お父ん。「おとん」は「おかん」につられて発生した語か。大阪ならではの呼び方。
かか 妻、女房、家内 嚊、嬶。もとは他人の妻の敬称「おかたさま」と言っていたのが、夫が自分の妻のことを言うよりになり、さらにその子供が「おかかさま」と言うようになった。「おかあさん」や「おかあちゃん」のもとになった語で、今では聞かれなくなった。江戸では「かかあ」と言った。
てておや ちちおや
father
父親。「ちち」が最も古い言い方で、「てて」「とと」の順で新しくなる。うっとこのてておやだす。
おっちゃん おじちゃん
uncle; middle aged man
叔叔、大叔、小老头
叔父や伯父など親類や身近な中年男性に対して言う言葉。普通は街行く中年男性も親愛の意を込めて皆「おっちゃん」と呼ぶ。東京では「おじさん」より「おじちゃん」と呼ぶほうが失礼にあたるらしい。和歌山では「おいやん」。
おっさん おじさん
uncle; middle aged man
叔叔、大叔、小老头
ややくだけた中年男性の呼び方。敬意の度合いも低く、あまり良いイメージはない。道歩いてるいやなおっさん、30歳?おまえもおっさんやんけ、など。「おっはん」とは言わない。
おじやん おじさん
uncle; middle aged man
叔叔、大叔、小老头
中年男性の呼び方。イ列音の後に続く「さん」は「はん」にはならず「やん」になる。平坦アクセント。
おばはん おばさん
ant; middle aged woman
阿姨、大娘、大姉
「さん」づけではよそよそしくなる。おばはんが割り込んでくんねん、化粧濃いおばはんおった、など。通常、親愛の意を込める場合は「おばちゃん」。河内では「おばちゃん」が「おあちゃん」になる。「おばちゃま」などとは言わない。
おじやん、おっじゃん おじいさん 老年男性の呼び方。長音が短呼化し、イ列音の後に続く「さん」は「はん」にはならず「やん」になる。「じ」を高く発音する。
おじん・おばん じじい・ばばあ 御爺、御婆。「おじいさん」「おばあさん」の最終形態。「おばあはん」とは言えても、「おじいはん」とは言えず、「おじいやん」「おじやん」「おっじゃん」と言う。身内に対しては使わず、第三者の前で使うくだけた言い方。おじい、おばあ。良い意味では使わない。おまえナニジンやねん。オジンやわい。あんたもあっという間におばんやで。首里で「たんめー」「んめー」という。
じぃじ・ばぁば おじいちゃん・
おばあちゃん
爺爺、外公・女及女及、婆婆、外婆
爺。婆。祖父、祖母の幼児語。あしたはじぃじとばぁばに会いに行くで。じぃじとばぁば、どっちが好き?
いとはん、いとさん、
いと
娘、お嬢さん
女儿、女兒
愛様。幼様。嬢様。語源は「いとしい人」「いとけない人」。両親から見ていとしい人。商家で使われていた言葉。「いとさん」の方が上品な言い方で、「いとはん」はくだけた言い方。「いとやん」はさらにくだけた言い方。敬称略したものが「いと」。もともとは、男女関係なく子供のことをいった。近畿以外でも使われていた語。近年では「娘」「女の子ぉ」とは言うが、東京のように「お嬢さん」「ギャル」などとは言わない。
とうさん 娘、お嬢さん
女儿、女兒
「いとさん」の「い」が脱落した語。「とうやん」「とうちゃん」とも言う。「とうはん」とは言わない。
あねいとはん、
あねいとさん
娘(長女)
older sister
長女の敬称。姉のお嬢さん。
なかいとはん、
なかいとさん、
なかあんちゃん、
なかんちゃん
娘(次女)
sister
「なか」+「あね」+「いとはん」。中姉ちゃん。次女の敬称。真ん中のお嬢さん。
こいさん、
こいちゃん、
こいとはん、
こいとさん
末娘
little sister
「こ」+「いとはん」。末のお嬢さん。小さないとはんの意。
こいこいさん、
こいこいちゃん
末娘 「こいとはん」の妹。四姉妹の末娘。末のお嬢さん。「こいこいはん」とは言わない。
ぼん、ぼんさん 息子
儿子、兒子
坊さん。商家の息子。ご令息。男児の敬称。敬称略の場合は「ぼん」。この写真の男の子、誰だっか?うちのぼんだっさ。
あにぼんさん 息子(長男)
older brother
兄坊さん。長男の敬称。
なかぼんさん 息子(次男)
brother
中坊さん。次男の敬称。
なかて 次男
brother
中兄、中手。3人兄弟の次男。
こぼんさん、
こぼんちゃん
末息子
little brother
小坊さん。末の息子のこと。
おとんぼ 末っ子 乙ん坊。京阪、紀伊、中国、北四国での言い方。
おとご 末っ子 末子。北陸、東山、東海、南四国、山陽、北九州、琉球での言い方。略して「おと」。三島、京都、越後、磐城などでは「つるたくり」。関東、東奥羽、京都、近江、大和、南九州などで「すえっこ」、奥羽、北関東などで「ばっし」「ばっち」、北九州で「すそ」「すそご」、琉球で「なしきら」、上総、武蔵、東東海などで「しまいっこ」、上総、陸中、日向、山陰などで「しり」。
だんさん・だんはん だんなさま
husband; head of household
丈夫
旦那様、檀那様。主人、お布施をしてくれる人、お金をくれる人。基本的に「ん」の後に「はん」は付かないが、「だんなはん」が縮まって「だんはん」となった。「旦那」は仏教用語から。だんさん、ちょっと来とくれやす。船場言葉。
わかだんさん わかだんなさま 若旦那様。「だんさん」の跡取り息子。長男。船場言葉。
おやだんさん 大旦那様
father of the household head
丈夫的父亲
親旦那様。若だんさんの父親。
ごりょんさん
ごりょさん、
ごりょはん
妻、奥さん、
おかみさん
wife
太太、愛人
御料人様、御寮人様。良家の主人の妻、娘や若い妻。昔商家で使われていた。もとは中流家庭の子供を敬って呼ぶ語で、配偶など御料(御寮)になるべき人の意。アクセントは「ご」。船場言葉。
よめはん 奥様、奥さん、
妻、家内、女房、
かみさん
wife
妻子
嫁様。男の側から「妻」を指していう言葉。お嫁さんの意味ではないので注意。嫁になるべき人の意味で、新婚の状態でなく、結婚前や、結婚してから何年も経っていてもこう呼ぶ。うちの嫁はん寝てばっかし。わしもはよ嫁はんもらわななあ。「よめ」は、息子の妻のことで意味が異なる。嫁と姑。
おえはん、おえさん
おいえはん、
おいえさん、
上様、姑、女主人、
大奥様
mother
御家様。上様の意。庭先などから奉公人や使用人が家の中の主人を呼ぶ言い方。主に、既婚の妻女、主人の母親のこと。
おいにょ 老い女房 老い女。歳の差のある年上の妻。
やもめ 未亡人 寡、寡婦。夫を亡くした女。反対に妻を亡くした男の場合は「おとこやもめ(男鰥)」「やもお(鰥)」という。部屋散らかしっぱなしで、あんたはおとこやもめか。
うちかた 妻女、細君、内儀 内方。
おんばはん 乳母 御乳母はん。「おうば」の転。あの子は“おんば日傘”で育てられた箱入り娘や。
にいちゃん・
ねえちゃん
おにいさん・
おねえさん
先生・子姐
兄ちゃん。姉ちゃん。「あにちゃん」「あねちゃん」の転。全国的に、兄、姉とも「あんちゃん」「あーちゃん」と転じている地域が多いが、上方では1音目を省略し、母音を伸ばした。標準語になった語で、アクセントは1拍目につく。身内や親戚以外の、街を歩く若い男性や女性などをもこう呼ぶが、40歳くらいでも、独身であったり見た目に若ければこのように呼ばれる。ちょっとあのにいちゃんに聞いてみよか。ねえちゃん、のぼり倒れとるで。
おやっさん おやじさん 親父さん。うちのおやっさんももうすぐ定年ですねやわ。
ぼん、
ぼんさん、ぼんちゃん、
ぼんぼん、ぼんこ、ぼんち
坊っちゃん
儿子
坊。坊坊。坊稚。良家の息子。ご令息。「ぼんち」は「ぼんちゃん」のこと。「ぼんぼん」「ぼんこ」はやや丁寧な言い方だが、育ちが良くて世間知らずだというニュアンスが込められていることもある。商家の丁稚のことも「ぼんさん」と呼ぶこともある。
あほぼん ばか息子 阿呆坊。うちのあほぼんがなんかやらかしたみたいで…。
ぼんさん お坊さん お寺の住職。男児の「ぼんさん」とは発音で区別する。
おじゅっさん ご住職 お住さん。寺の住職。
おっさん おしょうさん 和尚様。お坊さんのこと。おじさんの「おっさん」とはアクセントで区別する。「和尚」は仏教用語から。
うちのひと 夫、旦那、主人、亭主 妻から夫のことをいう言い方。人前で使う。古くは「こちのひと」。
おてかけさん おめかけさん 御手掛けさん。二号さん、愛人、妻以外で関係のある女のこと。上方では手を掛け、江戸・東京では目を掛ける。
つれ 友、友達、友人、
仲間
朋友
連れ。一緒に連れ合っている人の意。その場に同行していない場合でも使い、友人知人・仲間という意味合いが強い。わいのつれのつれから聞いた話やけどな。恋人や配偶者の意味でもないので注意。テレビの前のおつれ元気?、という使い方はしない。
お子たち お子様、お子様達、
お子さんら
御子達。「子供」の丁寧な言い方。「たち」は「らぁ」よりも丁寧な言い方。単数形でも複数形でも使用可。吉田はんとこのお子達はどないしてはりますのん。
あの子 あの女の子 あの子、あの娘。子供の遠称ではなく、女の子の遠称。同世代か年下に対して使い、年上には使わない。主に女性同士が使う。男性同士の場合は「あいつ」を使う。
ややこ あかご、あかんぼう
baby
稚児。赤ちゃんのこと。「やあこ」「やや」ともいう。「ややこしい」の語源。
おなご おんな、女子(じょし) 女子。「おんなご」の転。もともとは若い女性や幼女の意味であったが、一般女性を指すようになった。近畿、山陽、四国、九州、奥羽、下越、佐渡で使われる。奄美の「うなぐ」、沖縄の「いなぐ」も、「おなご」と同系列。南琉球では「みどぅむ(女供)」、出雲周辺、隠岐、飛騨、北能登などでは「女房」、北陸で「女郎」、関東の一部で「尼」、「女」は関東、東海、美濃、信越での言い方。「おなご」と「おんな」の境界の名古屋では「おんなご」。
ひまご ひこ
great-grandchildren
曾孫。孫の子。近畿、中国四国の東部、九州の北南部でこう呼ぶ。中国四国の西部および九州の中部では「ひゅうまご」、飛騨、信濃、上野、武蔵、房総、羽後、陸中では「ひこまご」、それ以外の近江湖東以東の東日本で「ひこ」、北琉球で「またまが」、南琉球で「またまー」と言う。
つる(の)まご やしゃご(玄孫)
great-great-grandchildren
鶴の孫。孫の孫。畿内や長門、筑前での言い方。「ひぃひぃまご」とも言う。「やしゃご」は「やしはご」の転で、東日本に多いが、西日本には「やしはまご」の転じた「やしゃらまご」や「しゃしゃらまご」などが多く分布する。琉球では「ひきまが」。全国にはこの言い方のない地域もある。
ええし 金持ち、財産家、
上流階級
良え衆。上流家庭で育った人。ええしの子やさかいなあ。近畿の外側の地域では、「(ぶ)げんしゃ」などと言う。
おとこし (住み込みの)男の人、
召し使い、下男
nired hand
男佣人、勤杂工
男衆。男の奉公人。役者・芸者などの身の回りの世話をする男。「おとこっさん」と発音する。
おなごし (住み込みの)女の人、
女中、下婢、家政婦、
メイド、お手伝い
maid
女佣人、女仆、保佣
女衆。掃除・炊事など家庭内の雑用をするために雇われている女性。「おなごっさん」と発音する。
やとな 仲居 雇い仲居。仲居さんのこと。京阪の料亭や茶屋に臨時に雇われて、配膳やお酌をしたり唄や舞を披露した。派遣芸者。
お松どん・
お梅どん・
お竹どん
上女中・
中女中・
下女中
「どん」は「殿」。呼び名が、分担する仕事の役名になっている。
おちょぼ、
おちょぼはん、
おちょやん
-- 「ちょぼ」は小さいという意味。揚屋や茶屋などで使い走りなど、娼妓の手伝いをする子供以上大人未満の少女。
でっち 小僧
apprentice; servant boy
学徒、徒工、徒弟
丁稚。職人や商人などの家に奉公する少年。船場商人社会の最低位で、主人、番頭、手代、の下に位置する。雑役などに従事した。全国各地から大阪にやってきているため、方言でしゃべるたびに注意・指導され、何も言わなくなった「物言わずでっち」が多かった。年少者を卑しめていう語。軽い敬称で「でっちどん」。童衆(わらしゅ)。
芸子、芸妓 芸者 芸をして客を楽しませる人。
舞子、舞妓 踊り子 舞を舞う人。踊りを踊る人。仕込みさん、見習いさん、舞妓さん、芸妓さん、の順で位が上がる。
ごて、ごてさん きかん坊 ごてごて文句を言うことから、幼い子に対して、言うことを聞かない子の意味。ごてさんやなあ。「ごてこ」「ごてさく」とも言う。
あっぽ、あっぽちん、
あっぽちゃん
いけない子、
おばかさん
「あほちん」の転。「あっぽ」は「あほ」の幼児語で、幼い子に対しての愛情のこもった表現。あーあ、こんなに汚してもうてあっぽちんやな。
おっしょはん 師匠
老師
御師匠様。芸などを教えてくれる人、先生のこと。うちのおっしょはん人間国宝ですねやわ。
あいかた 相棒 相方。コンビの相手。パートナー。
えらいさん 偉い人、
地位の高い人
偉いさん。その業界である程度位の高い人。ただし最高位を除く。偉業を成した人のことでもないので注意。あの人、町内会のえらいさんなんやろ?「おえらいさん」ともいう。
いたばさん 板前 板場さん。料理屋の調理場や菓子屋で働く人。料理人や菓子職人。
どかた -- 土方。土に携わる職のこと。道路工事など重労働だが稼ぎは良い。
好きやん 好きな人、好きな者 好きな人のこと。好きやん同士仲良うしたいねやろ?
男・女 彼(氏)・彼女 連れ合いの異性。わし女と付き合うとるねん。あんた男でもおるんか? 人代名詞の場合も「彼」「彼女」とは言わず、「あの(男/女の)人」を使う。
かいしょもん 頼りになる人、頼れる人、
頼りがいのある人、しっかり者
甲斐性者。甲斐性のある人。「甲斐性」は、東京では、健気な、の意味になる。
たいしょ、たいしょう 社長、マスター、一番の男 大将。「征夷大将軍」の略。もともとは、織田信長も豊臣秀吉も成ることができなかった、朝廷から任命され幕府を開くことのできる位のことで、店の主人や年上目上の男性を親しげに呼びかけるときに使われる他、年下であっても男を立てる場合はこの呼称を使う場合がある。お、大将!どないだっか?かえらし子、ぎょうさんおりますでぇ。何言うてんねんな、ほれ大将、行くで。何言うてんねんな、あんたが大将やっ!
やーさん やくざ 暴力団。“ヤ”のつく自由業。「やあこ」とも言う。上下関係が厳しく、脱退する際に手の小指を切り落とさなければならない。平成不況で収入源が減り、組員離れや若者確保が難しくなり、衰退傾向にある。「やっさん」は「やすしさん」などのこと。間違わないように。
ちんぺら ちんぴら 小片。こっそり小悪事をはたらく不良少年。スリ仲間。やーさんの子分。
ヤンキー 不良少年、つっぱり 不良少年。ミナミのアメリカ村でアメリカ人の真似をする人の意味から。剃り込みを入れ、眉毛を剃り、大便をする格好でしゃがみ、群をなす。歩くときはガニ股。「ヤンキー」とは「ヤンク」という人の名の変化形で、もともとニューイングランドに入植したオランダ人をイギリス人がからかって呼んだ名、後にアメリカ北部の人を指す言い方になり、それがアメリカ人全体の意味になったが、大阪では髪の毛を茶髪や金髪に染めているところからこう呼ばれるようになった。単に「わる(悪)」とも言う。女性の場合は「ヤンキーのねえちゃん」という。東京で「つっぱり」。
うんちゃん 運転手
運將
運ちゃん。運転手にも親しみを込める。トラックの運ちゃん。タクシーの運ちゃん。
ポリさん 警察官、警官 「ポリスの人」なので「ポリさん」。「巡査」のことは「おまわりさん」と言う。
あかんたれ 弱虫、ダメ人間 明かん垂れ。弱音を言う人。大勢の人の前ではしゃべれるのにお母ちゃんの前ではようしゃべられへんのんか、もうあかんたれやなあ。「よわむし」は「よわみそ」という。よわみそこみそ、挟んで放るで。
へたれ 根性なし 屁垂れ。「へたる」の活用形から。実力がない、力量がない、の意味。またその人。「へとへとになる」「へたばる」などと元は同じ。屁のタレントではない。
へげたれ 意気地なし、
だらしない人
「へげる」は折れたりつぶれたりする意味で、力弱くへなへなとしているニュアンスを含んでいる。
がしんたれ 能なし、意気地なし 餓死垂れ。餓死するほかに存在価値がない人という意味。「たれ」は人をののしる意。成長の悪い植物の種や芽のことなどについてもいう。貧相なニュアンスを含む罵倒語。ヤクザをさすこともある。
骨なし 弱虫、意気地なし あんたもうちょっと骨のある人や思とったけど、骨なしやなあ。
いかれぽんち -- 頭のおかしくなった男。「ぽんち」は男児を意味する「ぼんち」から。
まねし -- 真似衆。ひとの真似ばかりする人。語尾は伸ばさない。
言い出しべ 言い出しっぺ 言い出し兵衛。先に言い出した人のこと。すかしべ(すかしっ屁)をしたのに、わいとちがうでと言い出した人のことから。「っぺ」「べ」が「屁」というのは誤説。
いかずごけ・いけずごけ 独身女性、オールドミス、
売れ残り
an old maid;
lose out the marriage market
行かず後家。行けず後家。結婚していない歳のいった女性、娘とは呼べない歳の女性。もらい手はいるのに婚期を逃して嫁に行っていない娘が「いかずごけ」、もらい手がなく結婚できない娘が「いけずごけ」。あの子ぉ、見てみぃ、ええ歳してんのに独りやねんて、あの顔であの気性やさかいなあ、いけずごけやろ多分。うちはなあ、30歳過ぎてるけどなあ、いけずごけとちゃうねん、いかずごけやねん!
おたやん おたふく お多やん。おかめ。滑稽な女人の顔、またその人。あまり良い意味では使わない。
おやま 遊女、女郎 小山。売女のこと。「小山」は人形遣いの人の名で、美しい女性を指して小山人形のようであるといったことに由来。畿内での言い方。江戸では歌舞伎の女形のことを言った。
めろ あま 女郎。女性の卑称。このめろが! 最近は聞かない。
あるき、あるきさん 使い走り 歩き。使い走りをする人。「あるきさん」ともいう。東京では「ぱしり」。
ぱくり 盗人 パクる人のこと。
ちくり 密告者 チクる人のこと。
びびり 小心者、臆病者
胆小
小さなことですぐに気後れする人のこと。度胸がなく、肝が小さい人。金銭面についてもいう。客人との応対能力にも自信がなく不安をひとりで膨らませ家族に当たり散らす、選択肢のない背に腹は代えられない状況であっても高い所での仕事を嫌がる、などが具体的な例で、遺伝体質の人は年齢の成長に関わらず身体が震える症状を伴う。びびりの人ほど社会不安型人格障害になりやすうて怒りだすねんけど、びびりやさかいその矛先はわがより弱い者へ向けられんねん。上方語は動詞の連用形で名詞化することが多い。
いってつもん 頑固者 一徹者。ひとつのことに考えが固定し動かない人。短気で思いを押し通す人。頭のかたい人。わがの思とることを人に押し付けて曲げんと押し通すことがこの世にとってええことやて?どこがやな、他の人の意思を取り入れへん偏った考えのどこがええ言うねん、この一徹者が。
いっこくもん 頑固者 一刻者。「一刻」は頑固の意味。頑固でわがままで意地っ張りな人。短気で思いを押し通す人。江戸でも使っていた言葉。
いっときもん -- 一時者。流行に熱しやすく冷めやすい人。流行に飛びついたと思ったらもう飽きてしまっている人。東京にいっときもんが多いのは、メディアの情報操作によるもんらしいで。
いたらんもん ふつつか者 至らん者。一人前に至っていない意。いたらんもんだっけど、よろしゅうたのんます。
いらんことしい おせっかい 余計なことばかりする人。ちょっかいばかりかける人。
ええかっこしい 見栄っ張り、
かっこつけ、
気取り屋
見かけだけ良く見せようと振る舞う人。「かっこええ」よりも「ええかっこ」という言い方をすることが多い。東京の人はな、頼んだもん残すねん、ええかっこしいやろ? お金払ってるんだから文句ないだろ!って…。
ようすしい 気取り屋 様子しい。
えらそしい -- 自らを立派に偉いように見せたがる人。上の立場からものを言って気持ちが晴れる、本心が臆病な人。謙虚さがなく腰が高い。テレビやラジオを聴きながら放送内容に対してわかったかのように「そうや」「ちがう」とうなずき、聞いてもいないのに周りの人に聞こえるように「○○やろ?」と講釈を垂れる人。ほんまに偉い人さんはえらそしいなことしはらしまへん。
言いぐさ言い 文句たれ 言い草言い。しつこく文句を言う人。
気にしい 心配性、神経質 何かと気にしすぎる人。A型の人はなにかと気にしぃらしいで。
うれしがり -- しょうもないことで嬉しがる人。小さな話題でも、嬉しそうな顔をして人に話そうとする人。誰も聞いていないのに知っていることを一方的に永遠としゃべるなど、度が過ぎる場合は嫌われる。うれしがりかおまえは。「うれし」とも言う。
言いたいこと言い -- 何の遠慮もなしにものを言う人のこと。
やから 族、(柄の悪い)連中、
やつ、やつら
輩。族。仲間のこと。理不尽なことを言ってくるような、たちの悪い人。ヤクザを指すこともある。
あまんじゃこ あまのじゃく 天ん邪鬼。
たにまち (相撲での)ひいき客 谷町。大阪の谷町の医者が力士の面倒を見たことから。あたいあんたの谷町やねんでぇ。
あんこ 日雇い労働者 鮟鱇。普段はじっとしており、目の前にエサ(仕事)が現れると飛びつくことから、魚のアンコウにたとえたもの。釜ヶ崎用語。
あめかぜ -- 雨風。甘いものも辛いものも好む人。酒も甘いものも好む人。強調した言い方では「雨風嵐」。酒と菓子を扱っている店を「雨風食堂」という。
あきんど 商人(しょうにん)、
商売人
商人。「あきびと」「あきうど」の転。江戸時代の大坂の商人は、士農工商の身分の中では最も低い身分であったが、実質的には武士にお金を貸すなどして最高位に立っていた。沖縄首里の「あちょーどぅ」も「あきんど」に同じ。
ぬすっと、ぬすと 盗人(とうにん)、
泥棒
thief
小偸
盗人。「ぬすびと」の転。
ことり 人さらい、誘拐犯 子盗り。遅うまで遊んどったら子盗りが来るで。
同級、同級生 同学、同学年 学校や学級が違っても、同じ学年であること。本来は同じ学級であることを表していたが、転意した。4月2日生まれから翌年4月1日生まれの人のことをいうので、同い年とは厳密には異なる。
まんまんちゃん、
まんまんさん
仏様 幼児語。「まんまん」とは、お経の「なんまいだ」つまり「南無阿弥陀仏」のこと。「なむあみだぶつ」と唱えるだけで、死後、極楽へ導いてくれる阿弥陀如来。転じて仏様の意。近畿などでの言い方。まんまんちゃんにあんしてき。まんまんさんが見てるで。中国、四国などでは「のんのんさん」の他、「にょにょさん」「なんなんさん」「なむなむさん」等の南無系、「かんかさん」「がんがんさま」「おかみさま」等の神系、「とうとうさま」「あっとうさま」「とうでさま」「あったえさん」「あなたさま」等のあな尊し系が全国で言われる。
大阪弁
日本語・English・中文
解説
【一般名詞(食物)】
ねぎ・白ねぎ 青ねぎ・白ねぎ
西日本で「ねぎ」というと青ねぎを指す。細く緑色の部分を食べるねぎは薬味として、太く白い部分を食べる白ねぎは具として使われる。女房言葉で「ひともじ」。
ねぶか ねぎ
長ネギのこと。近畿、中京、北陸、越後、羽後、中国四国、豊前、筑前での言い方。東国と九州では「ねぎ」、沖縄で「びらー」、宮古で「しぅむな」など。「ねぶか節」とは、ネギに節が無いことから、ラップなど音程の無い歌のことや、音程どおりに歌えていない様のことをいう。
なすび なす
茄子
茄子。「なす」より古い言い方。女房言葉で「おなす」。佐渡、越中、飛騨、美濃、尾張以西の言い方。
かぶら かぶ 蕪。蕪菁。主に関西で用いられる。
こうこ、おこうこ たくあん 香々。香の物。大根の漬け物。沢庵漬け。東京では「おしんこう」。
しろうり、あさうり しろうり 白瓜、浅瓜。色の薄い瓜のこと。
たけ きのこ 茸。「きのこ」の総称。近畿から東中国での言い方。「まつたけ」は「まったけ」と言う。「きのこ」は、信濃以東の東日本での言い方で、北陸から越後、美濃、飛騨では「こけ」、西中国、土佐、九州では「なば」と言う。
きくな 春菊 菊菜。鍋物などに入れる青野菜。火の通りが早いので、鍋には最後に入れる。
なんきん かぼちゃ
南京
南京。近畿、瀬戸内での言い方。「なんきんぼうぶら」の下略形。「ぼうぶら」はポルトガル語で、瓜の意味。北北陸、九州で「ぼうぶら」、因幡、安芸、土佐で「どふら」、東日本で「かぼちゃ」、関東、備前、備中で「とうなす」、讃岐、土佐の西端で「ちょうせん」、越中、沖縄で「なんくゎん」、奄美で「とうちぶる」と言う。京都ももともとは「かぼちゃ」だったが、大阪から「なんきん」が流入した。
おだい だいこん
菜頭
お大。おだい炊いとくれやす。船場言葉。
きんときにんじん 和人参
胡夢卜
金時人参。西洋人参より赤く細長いニンジン。和泉で栽培が盛ん。「にんじん」は「ねんじん」と訛る。
ごんぼ ごぼう 牛蒡。「ごぼう」は中国語から。
とんがらし とうがらし
辣椒
唐辛子、唐芥子。ピリリと辛い香辛料。近畿、山陽、東四国での言い方。緑の細長い実で、秋に赤く熟す。主に乾燥させたものをうどんなどに入れて食す。南蛮胡椒、高麗胡椒、鷹の爪。関東で「とうがらし」、西四国で「からし」、出雲、東海、東山、北陸、奥羽、北海道で「なんば」「なんばん」、東山、越後、伯耆、因幡、隠岐、九州、奄美で「こしょー」「こしゅー」、沖縄で「こーれーぐす」、南琉球で「くーす」。
さやまめ えだまめ 莢豆。
おまん まんじゅう お饅。「まんじゅう」の丁寧な言い方。女房言葉。祭で紅白のおまんくれはんねん。
おせん せんべい お煎。「せんべい」は東京のものだが、これも女房言葉風に言われる。
納豆 甘納豆 西日本で、甘納豆のこと。和菓子の一。小豆、斗六豆、金時豆、青豌豆、等の豆が使われ、見た目にも美しい。多く馬を飼っていた関東や肥後の地域では藁が存在したため糸引き納豆に馴染みがあるが、他の地域では糸引き納豆に触れる機会そのものがなく、「納豆巻き寿司」「納豆味のソフトクリーム」「納豆バーガー」など料理食材の話題にすら出ない。
さんど豆、いんげん豆 いんげん豆、藤豆 三度豆、隠元豆。近畿などでの言い方。1年に3度収穫できる。隠元禅師に由来。
なんきんまめ らっかせい、ピーナツ 南京豆。摂津、山城、播磨、北陸、越後、南関東、東奥羽での言い方。関東、中京、伊予、九州で「らっかせい」、西奥羽で「かんとうまめ」、東関東で「からまめ」、越後で「ずんぐりまめ」、和泉、奥吉野、紀伊、中国、四国、越前、肥前で「そこまめ」、琉球で「じまめ」。
すなずり、ずり -- 砂摩り、砂摺り。魚や鳥の腹部の肉。略して「ずり」。
ヘレ ヒレ、フィレ 豚ヘレ肉、豚のヘレカツ、ヘレカツ屋。
かしわ 鶏肉
又鳥肉、奚隹肉、鷄肉、鶏肉
黄鶏。もともとは国産の茶色い鶏のことを言っていたが、現在は鶏肉全般をこういう。かしわ屋でかしわ300g買うてきて。上方から全国に広まっている。
牛肉 西日本で肉と言えば牛肉を指す。肉じゃがも牛肉を使う。「にく」は漢語の音読み、沖縄では和語の「しし」。
ぶたまん 肉まん
包子
豚饅。中華饅頭のこと。豚肉が使ってあるため。餡入りは「あんまん」、カレー入りは「カレーまん」、ピザの具入りは「ピザまん」、鶏肉入りは「とりまん」と呼ぶように、豚肉入りは「ぶたまん」になる。「にくまん」では、近畿圏では牛肉入りの意味になり、全国的には牛肉か豚肉か鶏肉か馬肉か羊肉か何の肉が入っているのかわからず、豚肉のことを「にく」と呼ぶ東日本だけは「にくまん」が豚肉入りだということがわかる。
中華ポテト 大学イモ サツマイモを乱切りにし、油で揚げて甘いたれをからめたもの。黒ゴマは振りかけない。大学イモより調理に手間がかかる。
しらいた かまぼこ 白板。白いすり身が板に付いている様子から。阿波で「いたつけ」。
あんぺい はんぺん 魚のすり身を平たくした練り製品。丸い。
おとふぅ とうふ
豆腐
お豆腐。「とうふ」の丁寧な言い方。女房言葉で「おかべ」。
うすあげ・あつあげ 油揚げ・生揚げ 薄揚げ、厚揚げ。揚げ豆腐。うすあげを「おあげ」ともいう。おあげさん買うてきてえや。
こうやどうふ 凍り豆腐 高野豆腐。高野山で、寺の外に置き忘れて寒さのために豆腐が凍ったことに由来。「ちはやどうふ(千早豆腐)」ともいう。信濃、奥羽などでは「しみどうふ(凍み豆腐)」。
うろん うどん
烏龍麺
饂飩。小麦粉に水と塩を加え手打ちした麺。非常に消化が良い。やわらかい音に変化する。よろがぁのかろのうろん屋。
すうどん かけうどん 素饂飩。酢のうどんではなく、具の入っていない普通のうどんのこと。東京の「かけうどん」の「かけ」は汁をかけてあるという意味だが、大阪のうどんはもともと汁がかけてあるものが普通。大阪人は、「かけ」「ぶかっけ」や、「ざるそば」「もりそば」の違いがわからない。
きざみ きざみあげ 細くきざんだあげ。うどんの具。また、それを具とした「きざみうどん」のこと。
きつね、けつね あげ入りうどん 甘く味付けされたあげの入ったうどん。けつねうろん。だしは昆布とカツオでとる。「きつねそば」は存在しない。
たぬき、たのき あげ入りそば 「きつね」のそば版。味付けあげの載ったそば。「たぬきうどん」なるものは存在しない。発音は「たのき」。京都ではきざみあげの載ったくずあんかけうどんのことをいう。
しのだ きつね(うどん) 信太。きつね。あげの入ったうどんの異名。発祥地の信太という地名から。信太はきつねの故郷。「しのだ寿司」は、いなり寿司のこと。和泉言葉。
だし 出し汁、汁、つゆ 出し、出汁。カツオや昆布から抽出した、うま味成分。うどんなどの汁そのものについても「だし」と言う。天ぷらにつける「天つゆ」は「天だし」。
ぼんち揚げ 歌舞伎揚げ 砂糖醤油で味付けして油で揚げた米菓子。「ぼんち」は社名でもあり、「坊っちゃん」の意。
ミンチカツ メンチカツ 「ミンスミートカツレット」の転。肉をミンチ状にしたものを揚げるのでミンチカツ。東日本ではメンチカツというらしいが、大阪ではけんかを売る文句にもなりかねないので、必ず「ミンチ」と言いましょう。海外から横浜に持ち込まれたものを神戸が輸入し、西日本に広まった。
くしカツ くしあげ 串カツ。肉や野菜を切ったもの、魚などを竹串に刺して油で揚げたもの。大阪の名物。ソースは2度付けしないのがマナー。
天かす 揚げ玉 天滓。天ぷらを揚げるときにできる不要なカス。テンカスもろてソースかけて食べんのんがうまいねんなあ。セルフサービスで入れ放題。
天ぷら 天ぷら 天麩羅。野菜や魚などに小麦粉の衣を付けて油で揚げる、「付け揚げ」のこと。単に天ぷらと言えば、たいがいエビの天ぷらをさす。「天ぷらうどん」は、エビ天の入ったうどん。
天ぷら さつまあげ 天麩羅。魚のすり身を揚げた練り製品。おでんなどに入れる。平天、ゴボウ天、イカ天などがある。西日本での共通語。さつまあげといえばサツマイモの天ぷらやサツマイモを混ぜたあげを想像してしまうので注意。
よせあげ かきあげ 寄せ揚げ。数種類の野菜を細かく切ったものをまとめて油で揚げた天ぷら。エビなどを入れることもある。女性の胸部下着のことではない。
太閤焼き どら焼き 生地にあんを挟んで焼いた和菓子。「どら焼き」は全国区ではない。京都では「みかさまんじゅ(三笠饅頭)」。
回転焼き 今川焼き、
大判焼き、
太鼓饅頭、
二重焼き
小麦粉の生地を丸い型に流し込んで、あんを入れて焼いたもの。その型の銅板を回転させて焼いていたことから。屋台で作り売りされている。
おこのみ お好み焼き、
大阪焼き
お好み。「お好み焼き」の短縮形。大阪を代表する食べ物。まぜ焼き。ソースをかけて、コテで食べる。
キャベツ焼き -- お好み焼きの、豚肉など具の入っていないもの。安価なファーストフード。
洋食焼き 一銭洋食 「お好み焼き」の起源。
ちょぼ焼き -- 「たこ焼き」の前身。タコは入っていない。「ちょぼ」は、少しの意。大正時代、貧しかった子供達のおやつ兼玩具。
たこ焼き たこ焼き 球状の生地の中にタコを入れて焼いた食べ物。大阪を代表する食べ物のひとつ。ファーストフード。たこ焼きを安定させて食べるために、1人前でも、つまようじが2本付く。大阪のたこ焼きには、昭和初期までタコは入っておらず、明石ではタコを入れるということで後にタコ入りになった。食べることより作る方が楽しいというのが通。親指と人差し指で輪を作り、笑って盛り上がった頬にあてたものも「たこ焼き」と言う。
明石焼き 明石焼き 地元明石では「玉子焼き」という。生地がやや柔らかく、具はたこ以外には何も入れないのがたこ焼きとの違い。ソースの代わりに冷たいだし汁に付けて食べる。たこ焼きより高価。
いか焼き -- 小麦粉の生地にイカの足ゲソを混ぜて鉄板で焼いた、庶民的食べ物。玉子や加薬が入ることもある。お好み焼きを半分に折ったくらいのボリュームで、なんと100円台という破格。イカの姿焼きではない。
どて焼き -- 牛すじ肉を串打ちし、白みそなどのだしで味付けをして焼いたもの。居酒屋での一品。ちなみに「どて」とは、だしがこぼれないように鉄板の縁に盛り上がった部分(土手)のこと。
ちんちん焼き ベビーカステラ 小麦粉と卵に砂糖などを入れて混ぜた生地を焼いた、たこ焼きほどの大きさの球状のお菓子。縁日の屋台などで売られている。
てっちり フグちり 鉄ちり。鉄とは鉄砲の略でフグのこと。フグのちり鍋。フグも鉄砲も当たると恐いというシャレから。「ちり」は刺身を生で食べられない外国人が鍋にチリチリと湯に通して食べたことから。大阪人の好物。
てっさ ふぐ刺し 「鉄刺し」の転。フグのさしみ。「てつ」はフグの異名「鉄」から。薄造りにするので、皿の絵が透けて見える。
かんとだき おでん
熬店、黒輪
「関東煮」と書く。ダイコン、ちくわ、あつあげ、がんも、ゴボウ天、ゆで卵、里芋、こんにゃく、牛すじ肉、巾着、鯨の舌などを出汁醤油味で煮込んだ鍋料理。ちくわぶやはんぺんは存在そのものを知らない。関西に関東のおでん(御田)が伝わったのは東京オリンピック開催の年、東海道新幹線が開通してからのこと。昭和30年代まで関西では「でんがく(田楽)」であった。田楽は豆腐を四角に切って串刺しにして味噌を付けて焼いたもので、田楽踊りに似ていたところから。
たいたん 煮物、煮付け 炊いたん。「ん」は「の」の転で、「のもの」を表す。食堂の品書きでもこれを使う。「にもの」を「にもん」「たきもん」とは言わない。
煮物 炊き合わせ 関西では炊き合わせのことを主にさして呼ぶ。関東ではうま煮をさすらしい。
煮物 椀盛り すまし仕立ての汁物料理。関東では椀盛りというらしいが、関西では単に煮物という。
おむし みそ 御蒸し。かなり古い女房言葉。使っている人はまずいない。「おむしのおつい」で、みそ汁のこと。
おみぃ みそ、みそ雑炊 御味ぃ。みそ。みそを入れたおじや。女房言葉。
おつけ 汁物 お付け。ご飯に添え付ける椀物のこと。女房言葉。東京方言でみそ汁を「おみおつけ」というのは、ここからきている。
あかだし みそ汁 赤出し。赤味噌の味噌汁。大阪では通常白味噌仕立てであるため、普段の白味噌汁と区別するために用いた。
おすまし</